カテゴリー;「Ⓘ-ものの見方・考え方」のはじめに~一つの事象・現象に出合うとき、それをどう感じ・捉え、見・考え、行動するか・しないかといったものの見方・考え方、行動様式が大切だと考えています。日常生活で、本、TV、映画、話などから、感動したり、感銘を得たり、共感することに多々出合います。とりわけ、受容的、積極的、創造的、行動的などという言葉は、日々の生活の質を高め、モチベーションを向上させるのに大切なキーワードなると思っています。本カテゴリーは、私なりに感銘したり、共感したことをシェアしていきたいと思います。
詩人金子みすゞについては、多くの人が知っていることと思います。大正末期~昭和初期に活躍した童謡詩人で、1903年山口県生。十代半ばから詩を作り、下関市に移り住んだ20歳頃から雑誌に詩を投稿するようになったとのことです。
自然と共に生き、小さな命を愛し慈しむおもい、命なきものへの優しいま なざしが”金子みすゞ詩集の原点と言われています。ムカシ人間の私にとっても、心に残る詩人の一人です。私の場合、特にものの見方や考え方に共感し、発想の転換のヒントを与えてくれたり、学ぶことが多々あります。
以下、私の好きな3点について、感じ・考えたことを書いておくことにー。
今回は、「わたしと小鳥と鈴と」です。
わたしと小鳥と鈴と
わたしが両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音は 出ないけど、
あの鳴る鈴はわたしのように、
たくさんうたは知らないよ。
鈴と、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
この詩は、金子みすゞの詩の中でよく知られ、小学校の教科書にも採用されています。以前、”いじめ”が学校現場でクローズアップされたとき、子供たちに「基本的人権」について説明する素材として使われたという。今でこそ”基本的人権の尊重”は、当たり前の論理ですが、彼女の生きた時代は、未だ男尊女卑、身分制度など封建制度の機運が残っている時代であり画期的な事だったことと思います。
詩中の“みんなちがって、みんないい”、の互いの個性を尊重することの大切さを理解していても、日常的な生活においては、ある一定の基準や他と違うことで差別したり人間としての価値を否定されがちな傾向があり、この詩はココロに鋭く響きます。ヒトを評価する価値や基準は一つではない、例え一定の基準で劣っていても、人間としての価値は失われないのものである、と訴えています。