私の好きな金子みすずの詩の最後はー、
こだまでしょうか
「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと 「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう。
そうして、あとで さみしくなって、
「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、 いいえ、誰でも。
これは、人間のコミュニケーションに係わる問題を示唆してくれています。子供の世界でも大人の世界にもある「いじめ」の大きな要因は、周囲の基本的人権尊重の精神と合わせて、このコミュニケーション能力に起因しているのでないか、と思います。この詩は、道徳的視点に立ち、社会規範を守り、人間関係を円滑にしていくためには、発する一つ一つの言葉の大切さを説いているー、といつも感じます。
友人間でも夫婦間でも、見知らぬ人との会話でも、相手の立場に立ち優しい言葉で接しなくては相手からも温かい言葉がかえってこないもの、と心させてくれます。「売り言葉に、買い言葉」という諺がありますが、感情は”みんな同じ 人間どうし”ーとの戒めや教訓を含んでいるーとも。