沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

改めて広域処理における浦添市のリスクを考える(3)

2016-03-04 15:44:14 | ごみ処理計画

本日、2本目の記事です。

浦添市にとっては、広域処理に当たって中北組合の施策も大きなリスクになります。

そこで、中北組合の施策を整理して各施策の評価をしてみました。

と言っても、極めて常識的な評価です。

下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

実は、広域処理に当たって中北組合の施策はこの画像にある4つのパターンしかありません。

一番上は、いわゆる一般的な自治体のセオリーです。しかし、中北組合との広域処理においてはこのセオリーは使えません。なぜなら中北組合の溶融炉(休止中)がセオリーから外れているからです。

したがって、一番下にある代替措置を講じて溶融炉を廃止するという修正案②が自治体としての次のセオリーになります。

なお、中北組合は国の補助金を利用しないごみ処理計画を策定して焼却灰の民間委託処分を行っている国内でもほとんど例のない極めてユニークな自治体であり、良くも悪くも「自己中」かつ「個性的」な自治体です。したがって、上から2番目の施策を講じる可能性があります。しかし、浦添市は中北組合ほど「自己中」でも「個性的」でもありません。その証拠に廃棄物処理法の基本方針に従って焼却炉と溶融炉の長寿命化を行い溶融スラグや溶融飛灰の資源化を推進しています。したがって、浦添市が万が一、この国の補助金を利用しない施策(中北方式)を受け入れた場合は、議会や住民から猛反発を受けると思います。

では、上から3番目にある修正案①はどうか?

このブログの管理者は、やはり議会や住民から猛反発を受けると思います。なぜなら、セオリーから外れているからです。この施策は、浦添市の議会や住民から見た場合は中北組合の苦し紛れの施策として映ります。そして、「補助金を返還してまでやることではない」、「使える焼却炉を広域処理のために廃止するのは不自然」といった気持ちになるはずです。

と言うことで、このブログの管理者は浦添市が一番下の修正案②を中北組合が選ぶべき施策として「評価」しなければ、議会や住民の理解と協力は得られないと考えています。

※内地の自治体であれば、もう少し違った施策もあるかも知れません。しかし、沖縄県においては、ここにある4つの施策以外はないと考えています。


改めて広域処理における浦添市のリスクを考える(2)

2016-03-04 12:45:02 | ごみ処理計画

広域処理における浦添市のリスクに関する続きです。

今日は、一覧表にまとめてみました。

下の画像をご覧下さい。文字が小さくて読めない場合は原寸大の資料をズームアップしてご覧下さい。

原寸大の資料

 

 上の画像はこのブログの管理者のこれまでの経験と知識に基づいて作成した広域処理が「白紙撤回」になるパターンの一覧表です。上にあるパターンほどリスクが高いと思って下さい。

と言っても、感覚的には1から3までのパターンで全体のリスクの80%以上になると思われます。

浦添市の場合は3に該当しますが、仮に浦添市に広域組合のごみ処理施設が集中することになった場合は2のパターンに該当することになるため、「白紙撤回」になるリスクがかなり高くなります。

また、中城村や北中城村が広域処理における自村の役割分担について議会や住民に対する周知が遅れると「白紙撤回」になるリスクはほぼレッドゾーンに入ることになります。特に、北中城村の場合は最終処分場の候補地になる可能性が高いので、このブログの管理者は広域処理に関する「覚書」を締結する前に少なくとも住民の代表である議会に周知して同意を得ておく必要があると考えます。

なぜなら、中北組合は最終処分場の整備を課題としていない自治体であり、北中城村には中北組合のごみ処理施設がないからです。

つまり、広域処理の話(覚書の締結)が先行すると、後で議会が役割分担を知ったときに「寝耳に水」という事態になるからです。

下の画像は、上の画像に中北組合に該当するパターンを網掛けした一覧表です。

原寸大の資料 

 このように、浦添市が中北組合と広域処理を行う場合は、全体の半分のパターンが該当することになります。したがって、1のパターンに対するリスクがかなり高くなります。

いずれにしても、浦添市と中北組合の広域処理は他の広域処理に比べると「白紙撤回」になるリスクが高いごみ処理計画になると考えています。なぜなら、中北組合が廃棄物処理法の基本方針に適合しないごみ処理計画を策定している全国でもかなり珍しい自治体だからです。そして、ごみ処理施設の長寿命化を行っていない自治体だからです。

※沖縄(本島)において平成10年代にごみ処理施設を整備した自治体は中北組合を除いて全て長寿命化計画を策定しています。そして、那覇市南風原町環境施設組合を除いて長寿命化を実施しています。しかし、中北組合だけは長寿命化計画も策定していません。そして、溶融炉は休止したままになっています。