沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

広域処理における1市2村のごみ処理計画を考える(まとめ)※追加資料(年度末)

2016-03-31 09:40:15 | ごみ処理計画

このブログの管理者は今年度中に浦添市と中北組合(実質的には中城村と北中城村)が広域処理に関する協議会を設立して覚書を締結することはないと考えています。そして、中北組合が「基本計画」の見直しを行わないことはあり得ないと考えています。

しかし、もしかしたらあり得るかも知れません。

そこで、今日は中北組合(中城村・北中城村)が今年度中に「基本計画」の見直しを行わなかった場合を想定して来年度のスケジュールを考えてみます。

ということで、下の画像をご覧下さい。

来年度(平成28年度)は1市2村の首長の任期が満了する区切りの年度です。そして、平成28年度はインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定期限になっています。

原寸大の資料(画像をクリック)

このスケジュールは、あくまでもこのブログの管理者が考えたスケジュールです。これからその根拠を説明します。

(1)中城村は平成26年3月に「基本計画」を改正して溶融炉の休止を決めた村長が村長の任期を満了する前(平成28年5月まで)に「基本計画」の見直しを行わなかった場合は、平成35年度まで溶融炉を休止したまま焼却灰の民間委託処分を行っていく(長寿命化は行わない)ことが決定するので、広域処理を「白紙撤回」することになる。

(2)中城村と北中城村の「基本計画」が異なる場合は中北組合を運営して行くことができなくなるので、中城村が「基本計画」の見直しを行わなかった場合は、北中城村も広域処理を「白紙撤回」することになる。

(3)中城村が広域処理を推進するために「基本計画」の見直しを行った場合は、北中城村も「基本計画」の見直しを行わなければならないことになる。

以上により、中北組合は遅くとも平成28年5月から溶融炉を廃止するための代替措置に関する具体的な方法を決めるための事務処理に着手することになると考えます。

(4)協議会は浦添市の市長の任期が満了する前に設立する必要がある。

(5)協議会は中北組合の管理者である北中城村の村長の任期が満了する前に設立する必要がある。

以上により、浦添市と中城村と北中城村の1市2村は遅くとも平成28年11月までに溶融炉を廃止するための代替措置に関する具体的な方法を決定して協議会を設立しなければならないと考えます。

(6)中城村と北中城村が「基本計画」を見直した時点でインフラ長寿命化基本計画に基づく溶融炉に対する「行動計画」は「廃止」で決定することになる。

(7)1市2村の職員が協議会を設立するための事務処理を行う実質的な期間は平成28年5月から11月までの約7ヶ月間しかないことになる。

(8)中北組合のごみ処理施設(青葉苑)は既に長寿命化を実施する時期を迎えているので、「基本計画」を見直さない場合(広域処理を「白紙撤回」する場合)であっても溶融炉を再稼動して長寿命化を行う「基本計画」に見直すことになる。

以上により、中城村と北中城村が平成28年5月までに「基本計画」の見直しを行わなかった場合は、平成26年3月に現村長が改正した「基本計画」に従ってごみ処理施設(青葉苑)の整備を行っていくことになるので、自主財源により更新又は新設することが決定することになると考えます。

いかがでしょうか?

中城村と北中城村の村長が平成26年3月に「基本計画」を改正していなければ平成28年度のスケジュールはまったく違ったものになっていたと思います。しかし、平成28年度は「基本計画」を改正した村長の任期が満了する区切りの年度です。

したがって、両村長には平成28年5月までに「基本計画」の見直しに関する事務処理を完了しておく責務があると考えます。

あとがき

【平成28年度における中北組合の選択肢】

今日は正真正銘の年度末(3月31日)です。そして、来年度の年度末(1年後)にはインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定が終了していることになります。

そこで、今年度の最後の記事の最後に平成28年度における中北組合の選択肢を整理しておきます。 

下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合が「基本計画」を見直して休止している溶融炉を再稼動した場合の選択肢を整理したフローです。

ちなみに、このブログの管理者は中北組合には「基本計画」の見直しに当って2つの選択肢ごみ処理施設の整備に当って4つの選択肢があると考えています。ただし、下の画像のごみ処理施設の整備に関する真ん中の2つの選択肢は多分除外することになると考えています。その理由はいずれ書くときがくると思いますが、長くなるので今日は説明を省略させていただきます。

原寸大の資料(画像をクリック)


このように、中北組合が休止している溶融炉を再稼動する場合は、浦添市の財政に累を及ぼすような施策(地方財政法第2条第1項の規定に抵触する施策)になるため、広域処理は「白紙撤回」になると考えています。

そして、最終的には中北組合を解散して各村において新たなごみ処理施設を整備することが唯一の選択肢になると考えています。

ただし、溶融炉を再稼動した場合は、国内では稼動している事例や長寿命化が行われた事例のない溶融炉の長寿命化を行い、国が定めた「長寿命化のルール」に従って想定外のトラブル等があっても10年以上は確実に稼動しなければならないので、中北組合にとってはギャンブルに近い施策になると考えています。

次に、下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合が「基本計画」を見直して代替措置を講じて溶融炉を廃止した場合のフローになります。


原寸大の資料(画像をクリック)

このように、代替措置を講じて溶融炉を廃止すれば、広域処理を「第一の選択肢」にすることができます。そして、広域処理が実現すれば「第二の選択肢」は消えることになります。

ちなみに、このブログの管理者は、中北組合(中城村・北中城村)にとっては、この画像の一番左の「第一の選択肢」が「唯一の選択肢」になると考えています。

最後に下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合(中城村・北中城村)が「基本計画」の見直しを行わなかった場合のフローです。


原寸大の資料(画像をクリック)

このように、中北組合が「基本計画」の見直しを行わなかった場合は、廃棄物処理法の基本方針だけでなく、平成29年度からは国の重要な政策であるインフラ長寿命化基本計画にも適合しない事務処理を行っていくことになります。

また、その場合は平成29年度から自主財源を確保しておくための一定の基金の積み立て等も必要になります。そして、各村において新たにごみ処理施設を整備するための計画に着手しなければならないことになります。

それでは、平成26年3月に「基本計画」を改正した意味がなくなってしまいます。

したがって、中北組合(中城村・北中城村)が今年度中に「基本計画」の見直しを行わなかった場合であっても、中城村の村長の任期が満了する前(平成28年5月まで)には見直しを行う必要があると考えています。

【法令違反の確認】

下の画像は、中北組合(中城村・北中城村)が違反していると思われる法令と、これから違反する恐れのある法令を整理したものです。


原寸大の資料(画像をクリック)

中城村と北中城村の村長は溶融炉を廃止する前提で平成26年3月に「基本計画」を改正したと思われます。

なぜなら休止する前提であれば「基本計画」を改正せずに年度毎に策定する「実施計画」の見直しを行えば済むことだからです。しかし、中北組合は平成27年度においても溶融炉を所有したまま休止していました。このような事務処理は、明らかに地方財政法第8条の規定に抵触していると思われます。

したがって、今年度中に休止している溶融炉の再稼動又は廃止に関する計画を決めておかないと、平成28年度において浦添市と広域処理に関する事務処理を行うことはできないと考えます。

最後に下の画像をご覧下さい。これは、中北組合が休止している溶融炉に関する中城村と北中城村の職務に関する法令の規定を整理したものです。

原寸大の資料(画像をクリック)

中城村と北中城村の村長は平成26年3月に村と中北組合の「基本計画」を改正していますが、溶融炉(地方公共団体の財産)を廃止せずに所有したまま休止しているため、平成26年度と平成27年度において地方財政法第8条の規定に抵触する事務処理を行っていることになります。

なぜなら、所有している溶融炉を良好な状態で管理をして目的に応じて最も効率的に運用するためには、休止している溶融炉を再稼動して長寿命化を行い老朽化するまで稼動を続けるようにしなければならないからです。

そして、仮にそのことが効率的ではないと判断した場合は所有している財産から除外(廃止)しなければならないからです。

したがって、中城村の村長の任期が満了する前まで(平成28年5月まで)に「基本計画」の見直しを行わなかった場合は、両村の村長は村長の補助機関である職員に対して法令に違反する事務処理を命じたまま村長の職務を満了することになります。

なぜなら、中城村と北中城村と中北組合の「基本計画」は常に整合性を確保していなければならないからです。

また、「基本計画」の見直しを行わなかった場合は地方自治法施行令第151条第1項の規定に基づく予算の執行に必要な計画を定めていないことになるため、平成27年度に確保した浦添市との広域処理に関する事務処理を行うための予算を執行しないまま広域処理を「白紙撤回」した形で村長の職務を満了することになります。

なぜなら、中城村と北中城村の村長は他の市町村との広域処理を検討課題から除外して平成35年度までは現体制を維持したままごみ処理を行っていく計画を定めているからです。

いずれにしても、地方自治法の規定により地方公共団体は法令に違反して事務処理を行うことはできない(違反した場合は事務処理が無効になる)ことになっているので、来年度も引き続き浦添市と中北組合(中城村・北中城村)の事務処理を見守って行きたいと考えています。

広域処理の成功を祈ります。