動物写真家の湊和雄さん(59)=西原町=が、日本一美しいカエルといわれる絶滅危惧種で沖縄県の天然記念物「オキナワイシカワガエル」の青い個体を発見し、間近での撮影に成功した。10日深夜、国頭村の林道を観察のために歩いていた時に撮影し「初めての出合いでうれしい」と喜んだ。
湊さんは約40年間、やんばるの豊かな森に通い、昆虫や動物を撮影してきた。これまで通常の緑色のオキナワイシカワガエルを何百匹も見てきたが、青い個体を見たのは初めてだった。
この日は森の中を約3時間ほど歩いたが、森が乾燥しあまり動物が見られなかったという。青いカエルは諦めて引き返した時に遭遇。「オキナワイシカワガエルは冬が繁殖期だが、周りから鳴き声が聞こえ『まだいるんだ』と思っていた」と振り返った。
「青い個体が存在するとは知っていたが、生息する地域に偏りがあると聞き、ずっと見たいと思っていた」と湊さん。発見したカエルは3~4センチほどで、幼体だったとみられる。
琉球大学の富永篤准教授は「黄色の色素胞欠乏で青くなる。以前に比べ、青いオキナワイシカワガエルの目撃例はよく聞くようになってきているが、まれな存在だ」と話した。