米軍から平成28年12月に部分返還された沖縄本島の旧米軍北部訓練場で、絶滅危惧種のヤンバルホオヒゲコウモリを捕獲したと、京都大のビンセノ・クリスティアン助教(生態学)らのチームが23日、発表した。
返還後のフィールド調査の成果。「沖縄では絶滅したか不明だった。保護や生態系保全に重要な意味を持つ」としている。
ヤンバルホオヒゲコウモリは体重5グラムほどで、木の洞などに生息している。
平成8年に初めて発見され、その後、奄美大島などで見つかっているが、個体数は少ないと考えられている。
チームは今年2月20~27日、沖縄県国頭村(くにがみそん)の訓練場だった森林地帯で雄のコウモリ3匹を捕らえ、鳴き声も録音した。いずれもすぐに放したという。
一帯は貴重な野生動物の宝庫として知られ、環境省は周辺が世界自然遺産登録された後に、旧訓練場の土地を同遺産に編入する予定だ。