りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は9日、2018年の沖縄県内プロ野球春季キャンプの経済効果を発表した。おおむね好天だったことや、人気の松坂大輔投手が中日に入団したことなどから経済効果は前年比12・1%増の122億8800万円、延べ観客数は同8%増の37万7千人と、ともに過去最高となった。
県内でキャンプを実施した国内のプロ野球球団は17年と同じ9球団で、選手や球団関係者は合計で約千人だった。松坂投手やヤクルトに復帰した青木宣親外野手がキャンプに参加したことから、報道関係者や解説者は前年比100人増の約2100人と増えた。
県外からの観客数は約8万4千人と推測される。産業別の経済効果では、宿泊業が22億5600万円、商業が15億5千万円、飲食サービスが15億200万円、土産品の製造など製造業が14億2600万円、宿泊業などを除く対個人サービスが8億5800万円、運輸・郵便が7億5100万円となっている。
りゅうぎん総合研究所は、バスやタクシーなどを利用する県外客も増えているとして「目的の球場までの行き方が分からないなどの声もあるため、より詳細な情報発信も必要になる」と分析した。市町村によって取り組みに差がみられることから「県全体で受け入れ態勢のレベルアップを図るために、例えばキャンプ期間限定で人や情報交換を共有、蓄積する専門チームを組むことも考えられる」と提言した。