水曜日、レディースデイなので、観てきました。
キーラ・ナイトレイは好きですし、原作の古典小説、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』は、高校生のころに読んでいらい、結構、気に入っていますし。
うーん。なんといえばいいのでしょうか。
心配していたのですが、やはりちょっと、キーラ・ナイトレイは現代的にすぎましたねえ。
ヒロインのエリザベスは、向こう意気の強い女性ではあるのですが、なにしろ舞台は、19世紀初頭。フランスでいうならば、ナポレオン帝政の時期で、ドレスはエンパイアスタイルです。
オースティンは、自分と同じイギリスの田舎のジェントリー階級の娘を主人公として、この小説を書きました。
エリザベスの父親は小地主なんですが、当時のイギリスでは、男系長子相続、限嗣相続が行われていまして、娘は父親の不動産を相続できないんですね。娘ばかりだと、遠縁の男性が財産を継ぐことになって、父親が死んだ後、妻や娘たちは、土地からの収入の道を無くしてしまいます。
エリザベスは五人姉妹の上から二番目で、兄弟がありません。
つまり、釣り合う相手を見つけて結婚しなければ、父親の死後、面倒を見てくれる兄弟もありませんし、路頭に迷います。
オースティンが描いたのは、そういうイギリスの田舎の保守的な世界で、エリザベスは機知に富み、はっきりとものを言う女性ではあるのですが、けっして、型破りで破天荒なわけではなく、常識をわきまえた上で、意志の強さを見せるタイプです。
キーラ・ナイトレイは、容姿からして、野性的な印象があるんですよねえ。戦闘的、とでもいうのでしょうか。
それこそ、『嵐が丘』のキャサリンでもだったら、似合いそうなんですが。
実際、室内シーンではいま一つだった彼女ですが、屋外シーンはよかったですねえ。イギリスの田舎の荒涼とした風景に、ぴったりと似合いました。
妹の不品行を嘆いたりするあたりが、どうもしっくりこないんですよねえ。
でも、まあ、キーラ・ナイトレイは美しいので、こういうのもありか、という気もしないではなかったのですが、やはり問題は、ヒーローのダーシー卿なんでしょう。
いえね、最初に小説で読んだとき、小娘だった私には、ダーシー卿のどこがいいのやら、さっぱりわからなかったんです。
そりゃあ、金持ちで、容姿もよくて、と書いてはいるのですが、小説では容姿は見えませんしねえ。
それをわからせてくれたのが、コリン・ファースでした。
イギリスのBBCが製作した『高慢と偏見』で、ダーシーを演じたのがコリン・ファースだったのですが、全英の女性が熱狂して、テレビの放映時間には人通りが絶えた、とまでいわれています。
NHKのBSで放送があったそうなのですが、私は知りませんでした。DVDで発売されていることを知り、買ってみたんです。
たしかに、えー、ダーシーってこんなに魅力的だったんだ、と再認識させてくれるほど、すばらしいはまり役でした。
ですよね。『ブリジット・ジョーンズの日記』で、ご本人のコリン・ファースが、パロディまで演じているほど。
あんまりにも彼の演じるダーシーの印象が強烈すぎて、今回はだめでした。
イギリスの舞台俳優だという話で、けっして下手な役者さんじゃないんですけどねえ。
貴族的な尊大さ、というよりも、若さゆえの内気、に見えてしまうんですよねえ。
ブログに載せる写真を選ぶにも、どうも、室内のドレスアップシーンにはいいのがなくて、これになりました。
二人とも、いい表情なのですが、オースティンの描くエリザベスとダーシーでは、ないですね。
この二人で撮るなら、なんかもっと別の恋物語にした方が、よかったんじゃないんでしょうか。
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キーラ・ナイトレイは好きですし、原作の古典小説、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』は、高校生のころに読んでいらい、結構、気に入っていますし。
うーん。なんといえばいいのでしょうか。
心配していたのですが、やはりちょっと、キーラ・ナイトレイは現代的にすぎましたねえ。
ヒロインのエリザベスは、向こう意気の強い女性ではあるのですが、なにしろ舞台は、19世紀初頭。フランスでいうならば、ナポレオン帝政の時期で、ドレスはエンパイアスタイルです。
オースティンは、自分と同じイギリスの田舎のジェントリー階級の娘を主人公として、この小説を書きました。
エリザベスの父親は小地主なんですが、当時のイギリスでは、男系長子相続、限嗣相続が行われていまして、娘は父親の不動産を相続できないんですね。娘ばかりだと、遠縁の男性が財産を継ぐことになって、父親が死んだ後、妻や娘たちは、土地からの収入の道を無くしてしまいます。
エリザベスは五人姉妹の上から二番目で、兄弟がありません。
つまり、釣り合う相手を見つけて結婚しなければ、父親の死後、面倒を見てくれる兄弟もありませんし、路頭に迷います。
オースティンが描いたのは、そういうイギリスの田舎の保守的な世界で、エリザベスは機知に富み、はっきりとものを言う女性ではあるのですが、けっして、型破りで破天荒なわけではなく、常識をわきまえた上で、意志の強さを見せるタイプです。
キーラ・ナイトレイは、容姿からして、野性的な印象があるんですよねえ。戦闘的、とでもいうのでしょうか。
それこそ、『嵐が丘』のキャサリンでもだったら、似合いそうなんですが。
実際、室内シーンではいま一つだった彼女ですが、屋外シーンはよかったですねえ。イギリスの田舎の荒涼とした風景に、ぴったりと似合いました。
妹の不品行を嘆いたりするあたりが、どうもしっくりこないんですよねえ。
でも、まあ、キーラ・ナイトレイは美しいので、こういうのもありか、という気もしないではなかったのですが、やはり問題は、ヒーローのダーシー卿なんでしょう。
いえね、最初に小説で読んだとき、小娘だった私には、ダーシー卿のどこがいいのやら、さっぱりわからなかったんです。
そりゃあ、金持ちで、容姿もよくて、と書いてはいるのですが、小説では容姿は見えませんしねえ。
それをわからせてくれたのが、コリン・ファースでした。
イギリスのBBCが製作した『高慢と偏見』で、ダーシーを演じたのがコリン・ファースだったのですが、全英の女性が熱狂して、テレビの放映時間には人通りが絶えた、とまでいわれています。
NHKのBSで放送があったそうなのですが、私は知りませんでした。DVDで発売されていることを知り、買ってみたんです。
たしかに、えー、ダーシーってこんなに魅力的だったんだ、と再認識させてくれるほど、すばらしいはまり役でした。
ですよね。『ブリジット・ジョーンズの日記』で、ご本人のコリン・ファースが、パロディまで演じているほど。
あんまりにも彼の演じるダーシーの印象が強烈すぎて、今回はだめでした。
イギリスの舞台俳優だという話で、けっして下手な役者さんじゃないんですけどねえ。
貴族的な尊大さ、というよりも、若さゆえの内気、に見えてしまうんですよねえ。
ブログに載せる写真を選ぶにも、どうも、室内のドレスアップシーンにはいいのがなくて、これになりました。
二人とも、いい表情なのですが、オースティンの描くエリザベスとダーシーでは、ないですね。
この二人で撮るなら、なんかもっと別の恋物語にした方が、よかったんじゃないんでしょうか。
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私は、キーラが好き、というより、パイレーツ・オブ・カビリアンのキーラが好きなのかもしれません。
原作にBBCという先入観で映画を楽しめなかったのは、不幸だったような気もいたします。
BBC版は、ぜひご覧になって、また感想をお聞かせいらだければ幸いです。
映画を楽しみましたが、キーラ・ナイトレイは
あまり好みではありませんでした・・・。
笑い顔がどうにも・・・。
皆さんが絶賛されるBBC版、観てみたいです。
写真がいっぱいのステキな記事で、内容もきちんとまとめておられて、TBしていただいて嬉しゅうございます。
映画の演出も、ちょっと『嵐が丘』のようだった気がするんです。キャサリンのようなー、と思いつつ、見てしまいまして。
キーラは私も大好きなんですけど、どうも、でした。
パイレーツの続編に出ているんでしょうか? 知らないんですけど、出ていると信じて、楽しみにしているところです。
たけくらべの美登利とか(笑)
エリザベスはもうちょっと理知的で、でも可愛いほうが合うかもしれませんね。それと品も必要だし・・
主役の二人をのぞけば、キャスティングはBBC版にまさったかもしれないところ、マシューもいい役者さんだけど、ただ……といったところ、書いておられたことに、同感でした。
ほんと、別の映画で出会いたかったですよね。マシュー。
いや、ぜひ、旦那さまに言って差し上げてください。「容姿と性格のいい男、かしこい女が幸せになる話」だと。「男は容姿」が私のこの幕末ブログのテーマです(笑)
TBありがとうございました♪
そうなんですよね。
私もコリン・ファースのダーシーが強烈に
心に刻まれてしまっているので、やっぱりちょっと
違和感が拭えないんですねぇ。
私はキーラが大好きですが、野性的・戦闘的という
表現、すごく納得です!確かに(笑)
この作品も決して嫌いではないけれど、別物のお話
だったら良かったのになぁとつくづく思います。
こちらもTBさせていただきました~。
書いておられるように、主人公二人が、21世紀の恋人たち、なんですよねえ。
でも、だったらなんでオースティンの原作で映画を作るのかと、私などは思ってしまっちゃいまして。
マシューは、それなりに魅力的だったのですが、ダーシー卿じゃない、と。
『嵐が丘』ならキーラはいいんですが、マシューはヒースクリーフでもなさそうですよね(笑)
映画のスピード感は、けっして悪くはなかったんです。同じような時代で、もっと別のストーリーがなかったものなんでしょうか。古典ではなく、現代の作家が過去を描いたような原作だと、私もしっくり見ることができたのだと思っているところです。
悠雅と申します。
仰ることにいちいち納得したものですから、
思わずコメントしてしまいました。
わたしもBBC版を観たひとりですが、
>貴族的な尊大さ、というよりも、若さゆえの内気
まさに、わたしが言いたかったのはそれ!!でした。
コリンは、堂々と目線を上げて、磁器のように硬質な尊大さを見せたのですが、
マシューは伏目がちで遠慮深く、ウールのようなソフトさを感じてしまいました。
これでは主題が違うんじゃないか、と感じたのです。
巧い俳優さんだとは思ったんですが…
良くも悪くも、21世紀の『高慢と偏見』だと思いました。
よくお邪魔するミチさんもこちらでコメントされていて、
「ああ、ミチさん、やっぱりDVD買われたのね」と
ここで確認させてもらいまいした(笑)
長々とお邪魔しましたm(__)m
書いておられたこと、特に夜中のレディ・キャサリン訪問などには、私も茫然としました。
あそこらあたりから、かなり嫌気がさしまして……、おっしゃるところの、盛り上げるためのあざとさ、なんですよねえ。
なんか、詳しく書く気をなくしておりましたところ、的確に、詳しく分析しておられて、思わずTBさせていただきました。
そうでした! BBC版のよさ、というのは、原作にはなかったダーシーの側の心理描写が、上手かったことでしたよね。
コリンの演技だけでなく、演出もよかったんです。
ただいま、私のDVDは、友人に長期貸し出し中でして(笑)
お勧めの『いつか晴れた日に』、これから見てみようと思います
こちらこそ、ありがとうございます。
ぜひ、ご覧になってみてください。
もっとも、あれを先に見ないで映画を見た方が、よかったような気がします(笑)
もう、ダーシーはコリンと、わかちがたく結びついてしまいまして。
私も原作のファンです。
コリンのはまり役であるというテレビドラマのDVDを購入しました!
本日届く手はずになっています(笑)
きっとステキなんでしょうね~。
ワクワク!
映画のダーシーも悪くなかったのですが、私の脳内イメージがすでにコリンになっているので、どうしてもね・・・。