日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(86)「括弧」と「返り点」の用法(略7)。

2018-09-09 17:41:32 | 訓読
(01)



従って、
(01)により、
(02)
① 只管要纏騒我。
② 端的看不出這婆子的本字来。
③ 西門慶促忙促急僭造不出床来。
④ 吃了不多酒。
といふ「中国語(白話)」に付く、「それ」は、
① 下 二 上 一
② 二 五 三 一 四
③ 二 五 三 一 四
④ 二 三レ 一
である。
然るに、
(03)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(03)により、
(04)
① 下 二 一  ではない、
① 下 二  一 といふ「それ」は、「返り点」ではない。
(05)
「返り点」は、
「縦書き」であれば、「下から上へ、返る点」であって、
「横書き」であれば、「から左へ、返る点」である。
然るに、
(06)
② 二 五 三 一 四
③ 二 五 三 一 四
であるため、
② 二 → 三 
③ 二 → 三
に於いて、「から右へ、返ってゐる」。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② 二 五 三 一 四 といふ「それ」と、
③ 二 五 三 一 四 といふ「それ」は、「返り点」ではない。
然るに、
(08)
〔説明〕二つの返り点がいっしょになるのは、一とレ、上とレ、甲とレ、天とレの、四つだけである。
(志村和久、漢文は早わかり、1982年、18頁)
従って、
(08)により、
(09)
④ 二 三レ 一 といふ「それ」は、「返り点」ではない。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
① 只管要纏騒我。
② 端的看不出這婆子的本字来。
③ 西門慶促忙促急僭造不出床来。
④ 吃了不多酒。
といふ「中国語(白話)」に付く、
① 下 二 上 一
② 二 五 三 一 四
③ 二 五 三 一 四
④ 二 三レ 一
といふ「それ」は、「返り点」としては、「デタラメ」である。
然るに、
(11)
返り点とは、漢文すなわち古典中国語の語順を、日本語の語順に変換する符号である。
(古田島洋介、湯城吉信、漢文訓読入門、2011年、45頁)
従って、
(11)により、
(12)
「ある語順」があって、「その語順」を、「返り点」を用ゐて、「日本語の語順」に変換することが出来ないのであれば、「その語順」は、「漢文の語順」ではない。
従って、
(10)(12)により、
(13)
例へば、
① 只管要纏騒我。
② 端的看不出這婆子的本字来。
③ 西門慶促忙促急僭造不出床来。
④ 吃了不多酒。
といふ「白話文(中国語)」は、「漢文」ではない。
(14)
⑤ 有〔読(漢文)者〕。
に於いて、
⑤ 有〔 〕⇒〔 〕有
⑤ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
⑤ 有〔読(漢文)者〕⇒
⑤ 〔(漢文)読者〕有=
⑤ 〔(漢文を)読む者〕有り。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(15)
⑤ 下〔二(#一)上〕。
に於いて、
⑤ 下〔 〕⇒〔 〕下
⑤ 二( )⇒( )一
といふ「移動」を行ふと、
⑤ 下〔二(#一)上〕⇒
⑤ 〔(#一)二上〕下。
といふ「順番」に、なる。
従って、
(14)(15)により、
(16)
⑤ 有読漢文者。に付く、「返り点」は、
⑤ 下二 一上 である。
従って、
(16)により、
(17)
① 有読。に付く、「それ」は、
① 下二 一 である。
従って、
(18)
⑤ 有読漢文者。といふ「漢文」 に対する、
① 有読。といふ「漢文」 が、「有り得ない」程度に、
⑤ 下二 一上 といふ「返り点」に対する、
① 下二 一 といふ「返り点」も、「有り得ない」。
従って、 
(19)
例へば、
① 只管要纏騒我。に付く、
① 下二一 といふ「それ」は、「相当に、ヲカシイ」。
(20)
いづれにせよ、
① 只管要纏騒我。
② 端的看不出這婆子的本字来。
③ 西門慶促忙促急僭造不出床来。
④ 吃不多酒。
等は、「漢文(文言文)」としては、「チンプンカンプン(Greek to me)」である。