おせっちゃんの今日2

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行きずりの人の他愛ない会話で・・・北村匡平(批評家)

2023-05-13 13:31:12 | 言葉

今日はいつもの折々のことば」ではなく、6日の日経新聞「プロムナード」で見つけた言葉です。旅先で交わした、何気ない言葉のようですが、私の心も打ちました。

北村氏は、大学進学というレールから外れ、確たる目的もなく無為に過ごしていた。将来に不安を感じ、なにかを求めて旅に出ていた。カンボジアのシェムリアップで、思いもかけず出会った中年のバックアッパー・・・日本でアルバイトをしながら溜まった金で旅に出ているという・・・に出会た。
「その生活って将来が不安ではないですか」と私。あごひげを触りながら微笑んで
「いや、ぼくは将来のために生きているわけじゃないからさ。なんていうか、今を犠牲にするんじゃあなくて、今を生きたいっていうか。だから、いまもし死んでも、俺は多分後悔しないと思うよ」。

公務員の家庭に生まれ、いつからか、将来のために、今は苦しくても耐えなければならないのが人生だと思っていた。今を犠牲にせずに生きること、なにかに打たれたような衝撃を受けた。その言葉はずっと心に残り続けた。

 

自分の今に責任をもって、その上で自分が道を切り開いて生きていくこと。大事なことと思います。自分で勝手気ままに選んだ道は谷底を迷い歩くような時があるかもしれない。でも自分が自分に責任をもって、強く歩むこと、一つの人生行路ですね。