歳月の経つ速さには驚くばかりです。わが家が家を建ててから、40年が過ぎ去りました。新築に入ってから、気分はそのまま、ガタが来るなどとは頭にありませんでした。確かに、30年まではほとんど不都合はありませんでした。日本建築のしっかりした工務店で建てたのは正解だったねと家族で話していたのです。
ところが30年を過ぎたら、急にあちこちガタが出てきたのです。フローリングの床が踏むたびに沈み込むようになり、それがだんだん面積をを増してきました。壁紙が風化(?)して、下地の石膏ボードの継ぎ目の上が、割れて剥がれ落ちてきました。水が撥ね散って、洗面台がどうしようもないほど壊れてきました。その他気にすれば建て替えか、というほど古びてきたのでした。持ち主が、老醜をさらすのと同様に、家全体が年月の流れを防ぎかねるようになってきたのです。
これはもう、最低限手を入れようということになりました。
リフォームはどこに頼むか、そういう世界にほとんど知り合いはいません。
家を建ててもらった工務店。・・・これは信用はできると思う。が、新築するのではなく手を入れるには、きっと高くつくに違いない。もっと街のそうした仕事をしている工務店があるに違いない。それを探そう、ということに。とはいう物の人脈がない。
私の頭に一人友人が浮かびました。町会役員を共にやった友人です。この友人宅が、建築資材の卸を職業にしていると聞いたことがある。その関係で、どこかリフォームの工務店を知ってはいらっしゃらないか、電話しました。
「うちの会社、リフォーム部もあるよ」。渡りに船。見積は家を建ててもらった工務店と、友人家の会社と、2カ所に見積もりを出してもらって、あとは比較して決めようということに。
「ところで、2カ所で見積もりを出してもらって、一つ断わるのはどうするのよ」
「いろいろ検討しましたが、この度は○○にしますと断るさ」とK。
「そ~お。うまく言える?」
「そんなのビジネスでは日常のこと、出来なくてどうする!」
う~ん、厳しいなあ。私はやっぱり、家庭に閉じこもった主婦なんだなあ。
主婦のやってることが、容易いこと、つまらないこととは決して思わないけれど、・・・