今日は、年配者の私への応援歌として胸に仕舞われた言葉です。
『定年後が退屈になる原因の一つは、「失敗」する機会がないことだ』。
「若い頃の苦労」は長い人生の道筋を切り開いていくのに、大いに役立つとはよく言われる言葉です。
だが、「年を取ってからの失敗」も買ってでもせよと外山氏は言う。
定年で仕事から離れ、老いて人の世話になることが増えると、失敗のリスクが減ってくる。己の裁量が大きい仕事は、失敗や悔しい思いもして傷つくリスクはあるが「面白味」は確実に増す。
今の若者が老人の域に達した時、いかなる人生を、いかに生きていくか、あまりに世の中の変化が大きすぎて、想像が難しい。
わが夫、昭和一桁生まれの世代です。たしかに、「猛烈社員」で、眠る間も惜しんで働いて、「三食昼寝付き」の女房を養い、子どもたちには迷惑をかけないように、養って来てくれたとは思う。だけど、その生活に胡坐をかいて家庭での家事一切は全くできないと来ている。
定年後の亭主を抱えた私どもの世代の主婦は、「亭主在宅症候群」に悩まされた。「ぬれ落ち葉亭主」が、どこにいくのにも「俺もいく」とついてくる。鬱陶しいったらありゃあしない。これがクラス会などで集まった時の大きな話題だった。
今は違いますね。テレビで見ていると、仕事の無くなった俳優さん、「料理に目覚めました」。「家をすっきり片付けました」と楽しんでいるような笑顔。
確かに失敗を恐れず、もうひと頑張りが大事なのかも。
とはいうものの、夜年並みにヘロヘロばあさんは、失敗に失敗が重なり、・・・あとは言うまい。