9月3日~4日にかけての調査では、仕掛けた40個の「シャーマントラップ」(野ネズミ用わな)のうち、ネズミがかかっていたのは3個。ヒメネズミ1頭とハタネズミ2頭でした。9月17日、大勢のボランティア調査員とともに2度目の調査をする予定でしたが、台風の接近に伴い、林道が閉鎖されてしまうことが判明。残念ながら中止となり、そのリベンジを9月23~24日に行いました。今回は高槻先生と植原だけで行いました。
調査の方法は前回と同じ。わなの中にトンガリコーンを入れて、ススキの根元に置いていきます。
今回は設置場所を前回と少々変えてみました。設置作業を終えても、まだ日没まで時間があったので、植物調査も行いました。
調査を終え、植原が遊歩道を散歩していると、草原の中からカリカリ大きな音が聞こえます。「!」と思い、すぐに高槻先生を呼んできました。音のした近くのわなを見てみると、わなのとびらが閉まっています。中に何かが入っているに違いありません。高槻先生が慎重にわなの中身をチャック付きビニール袋に移すと・・・それは黒々とした毛並みのネズミでした。
目は小さくてまん丸。耳はとても小さく、アカネズミみたいに体のラインから飛び出ていません。しっぽは短め。体の半分もないでしょう。ハタネズミです。
写真を撮りました。そして、ビニール袋の外からそっと触ってみました。温かなネズミの体温が伝わってきました。キッチンスケールで重さを測り、逃がしてやりました。逃げる瞬間の写真を撮りたかったのですが、あっという間に草の茂みに隠れて、見えなくなってしまいました。ネズミと一緒に中に入ってしまったお菓子の残りをビニール袋ごと測り、さっきの測定値から引くと、ネズミの体重は48gと出ました。
ネズミはなんと、袋の中に糞も残していました。
翌朝、高槻先生と一緒にわなを回収しながら、確認しました。昨日、セットしてすぐにネズミがかかったので、かなり期待していたのですが、世の中そんなに甘くはありませんでした。かかっていたのは2頭のハタネズミのみ。昨日のを含めると、3頭のハタネズミという結果でした。カヤネズミにも、アカネズミにもお目にかかれませんでした。
上の写真は2枚とも同一個体です。下の個体は少しヘバっているように見えました。
それでも、「乙女高原の仲間」の一種、しかも、めったなことでは人前に姿を表さない動物に出会えたのですから、それだけで十分。生きものとの出会いってやっぱりワクワクします。この日は一日かけて植生調査も行い、ヘトヘトになりましたが、とても充実した2日間でした。
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