「私の人生に影響を与えた本をテーマに数冊紹介します。」
奇遇。私はそう語って、前の職場を後にしたのでした。
その時紹介したのは3冊。
1冊目は、黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』。
私が小6の頃、ベストセラーになった本です。
黒柳さん自身が過ごしたユニークな小学校時代を描いた作品は、
違いを認める姿を描いた、私のバイブルのような1冊です。
2冊目は、遠藤周作さんの『彼の生き方』。
中学・高校時代は遠藤周作さんの本を手当たり次第に読んでいました。
私が最も好きな作家さんです。
遠藤さんの作品は『沈黙』、『海と毒薬』などが有名ですが、
私が特に心惹かれるのが『彼の生き方』です。
生まれつきのどもりから人と接するのが苦手ですが、
動物には心を開いてきた主人公、一平。
弱い人として描かれている彼ですが、
不器用でひたむきなその生き方に胸を打たれ、
自分が正しいと思った道を進む彼こそが
真に強い人なのではと、自分の生き方を考えさせられます。
人が真に幸せなのは、自分の信念を貫けることかもしれません。
そして最後の1冊は、サン・テグジュペリの『星の王子さま』。
私の好きなシーンは、なんといってもキツネと王子さまのやり取りです。
関わりを持つ前は何でもなかった麦畑。
でも、王子さまと友達になったキツネにとっては、その黄金色の麦畑を見るたびに、
王子様の美しい金髪と重なって、キツネに王子様を思い出させるという場面。
有名な「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない」
「めんどうをみたあいてには、いつまでも責任がある」というフレーズが出てくる場面です。
このキツネの通り、本を手に取るたびに、
前職で過ごした日々をあれこれを思い出しています。
色々迷ったときは、トットちゃんを見つめる小林先生の姿をお手本にしてきました。
また、今は一平のように自分で決めた新しい道を
選び歩いていることに後悔はありません。
たくさん好きな本はあるけれど、
人生に影響を与えたと言えば、この3冊。
これから先、また新しい本との出会いで
いい人生が送れたらいいなと思います。
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