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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都立高が特別活動の授業として自衛隊で2泊3日の宿泊防災訓練

2013年07月28日 | 暴走する都教委
 ■ 都立田無工高 自衛隊で宿泊防災訓練
 東京都教育委員会が都立田無工業高校(西東京市)の高校生三十三人を対象に今月、二泊三日の宿泊防災訓練を陸上自衛隊駐屯地で行うことが都教委への取材で分かった。校内や消防学校での宿泊訓練は行われているが、自衛隊施設を使った訓練は都立高で初めて。
 ■ 都教委計画 当初詳細公表せず
 都教委の宿泊防災訓練は、地域で救援活動ができる生徒を育てることなどが目的。昨年度から始まり、約百八十校が校内の体育館を使った避難所体験や救命講習を行った。
 防災教育推進校に指定された十五校では本年度、消防学校や日赤などで二泊三日の訓練を実施する。このうち田無工は一~三年生で希望者を募り、保護者の同意のもと今月二十六日から二泊三日で、陸上自衛隊朝霞駐屯地(練馬区など)で訓練を行う。
 特別活動の授業に位置付け、訓練内容は応急措置やロープを使った救助技術などを自衛隊員から学ぶ。
 消防などとの訓練だけではだめな理由について、都教委高等学校教育指導課の担当者は、災害時の支援技術を持ったさまざまな機関と連携し、生徒が支援活動を疑似体験することで、高い社会貢献意識を育てるためだとしている。
 同課の担当者は当初、本紙の取材に「静かな環境で訓練を行いたいので、詳しい内容は(自衛隊以外も含め)全学校の訓練が終わる来年三月に公表したい」と答えたが、調整が付いたとして二十四日午前に詳しい訓練内容を明らかにした。
 ■ 「行き過ぎ」「不必要」反発も
 都教委が都立高の宿泊防災訓練を陸上自衛隊駐屯地で行うことに、一部教員からは「行き過ぎじゃないか」と批判の声が出ている。
 「自衛隊を国防軍にする構想もある中、驚きと怒りを禁じ得ない。都教委の押しつけで学校の自主性も奪っている」。都立高元男性教員(64)は反発する。「生徒が一市民としてどう対応するかは学校や地域の中で教育すればいい。基地に連れていく必要性を感じない」と話す。
 別の都立高男性教員(64)も「自衛隊のPRや愛国心教育に使われないか」と懸念する。
 日本女子大の坂田仰教授(教育制度)は「子供が命を守る技術を学ぶことは必要。現場に不安があるのなら、情報をきちんと公開し理解を得るべきだ」と話している。
『東京新聞』(2013年7月24日 夕刊トップ)

 ■ 自衛隊で宿泊防災訓練
   「石原改革」が原案


 東京都立高校の宿泊防災訓練が初めて、陸上自衛隊の駐屯地で行われることになった。東日本大震災後、防災教育の必要性や、自衛隊の災害派遣活動への評価が高まったことが背景にある。ただ「タカ派」とされる石原慎太郎前知事時代の発案を、直前まで明らかにしないまま実施しようともた都教育委員会の姿勢に、懸念の声もある。(安藤恭子)
 ◆ 災害活動への関心も背景
 訓練は二十六日から二泊三日の日程で、陸上自衛隊朝霞駐屯地(練馬区など)で行われる。
 都教委の計画に基づき、都立田無工業高校(西東京市)が一~三年生から希望者を募り、保護者の同意を得た生徒三十三人が参加する。
 都教委の宿泊防災訓練は、学校が避難拠点となった大震災の教訓を受け、二〇一二年度からスタートした。自分の身を守り、地域での救援活動を学ぶ目的だ。
 これまでに定時制を除く全都立高百八十校で実施し、主に学校内に泊まって救命講習や避難所の疑似体験をした。一部は東京消防庁消防学校(渋谷区)で行った。
 自衛隊の教育活用については石原前知事が在任中、持論の「破壊的教育改革」として、高校卒業後に二年間ほど、自衛隊や警察、消防、青年海外協力隊に入ることを提案。「他人の奉仕をする集団訓練をさせたらいい」と述べていた。今回、それが形を変えて実現したことになる。
 背景には、震災以降の自衛隊への国民の意識の変化がある。千九百人が回答した昨年一月の内閣府の調査では、自衛隊への印象が「良い」との回答は92%と、三年前より11ポイント増えた。大震災の災害派遣を評価する回答も98%を占めた。
 しかし、都立高の現役教員や元教員からは「愛国心教育に使われるのではないか」「わざわざ駐屯地に寝泊まりするのは、行き過ぎだ」などと不安視する声も出ている。
 都教委高等学校教育指導課の担当者は「本年度は田無工業だけ」と説明するが、来年度以降の計画は未定だ。「災害支援技術を持った機関と連携して、活動を疑似体験することは社会貢献意識を高める」。都教委は、陸自での宿泊防災訓練の意義をそう話す。
 意義があるなら、なぜ直前まで訓練の詳細を明らかにしなかったのか。情報公開を徹底し、生徒への教育効果を冷静に検証する姿勢が求められる。
 ◆ 都から要請 陸上幕僚監部
 防衛省陸上幕僚監部広報室は二十四日、東京都立高校生が陸自駐屯地で宿泊防災訓練を行うことについて「都から要請があったため、支援を準備している。大規模自然災害に備える一助となれば幸い」とコメントした。
『東京新聞』(2013年7月25日 朝刊社会面)

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