● 呉 教科書不正採択問題 (教科書ネット21)
● 呉市教委へ公開質問状提出
1月15日 呉教科書問題調査プロジェクトチーム結成。徹底的調査開始。
2月10日 呉市教委に「歴史人物調査にまちがいがある」と質問。
2月12日 週刊金曜日に『呉市教委が数字を偽装か』の記事掲載。
2月17日 呉市教委はまちがいを認めた。
2月21日 教科書ネット・呉準備会の学習会。同日教科書ネット・呉発足。
2月23日 教科書ネット・呉は公開質問状を提出。
3月3日 呉市教委は市民に公開の臨時教育委員会を開き、昨年採択した歴史・公民教科書総合所見の再調査報告を審議したが、採択資料のまちがいが1054ヵ所あっても、教科書の評価は変わらないとして採択の変更をしなかった。
3月18日 教科書ネット・呉は呉市教委へ公開質問状提出、教科書ネット・ひろしまは抗議文提出。
3月20日 『呉教科書不正採択問題を考える市民集会』開催。
● 3つの重大な問題がある育鵬社の教科書不正採択
(1)「選定委員は調査研究員と重複しない」と定めている採択規定違反システムの問題
自ら定めた採択規定を恣意的に運用した違法な職権濫用行為である。
根拠の1つめは、「選定委員は調査研究員と重複しない」と定めた採択規定があるにもかかわらず、採択要項には「指導主事は担当教科の部会に参加し、指導・助言を行う」と定め、選定委員である指導主事が調査・研究委員会に参加して実質的に指導・助言できるトリックがある。
根拠の2つめは、3月3日臨時教育委員会報告で「昨年の調査研究作業の中でリストアップを担当指導主事が手伝うことになった」と述べ、選定委員でもある担当指導主事が調査研究を重複したことが具体的に発覚したことだ。
(2)歴史・公民教科書総合所見の1054カ所の杜撰なまちがいと、公民教科書総合所見にある育鵬社を採択するための不正水増し操作
歴史教科書総合所見では、近代に登場する人物数で、教科書にはないのにあるとしていた人物が138名。逆に教科書にあるのに資料には載っていなかった人物は244名という考えられないようなカウント間違いがあった。
さらに、公民と合わせて前代未聞の合計1054ヵ所の記載もれ、誤記載、誤字、脱字、カウントミスがあった。
公民教科書総合所見では、昨年の採択時に育鵬社が高評価となるように、不正水増し操作をしたことを私たちは指摘した。
すると3月3日の臨時教育委員会会議では育鵬社に水増しした視点の「コラム」31を削除した。他の教科書ではコラムを入れていなかったものを若干取り入れる(東書は50のうち4)などのカモフラージュを再び行い不正を隠蔽しようとした。
「改訂」の結果、東書は評価得点はプラス4の32、育鵬社は49マイナス25の24となったが、教育委員会は育鵬社は◎(特に優れている)、東書は○(優れている)の評価を変えなかった。
(3)教育委員会の言いなり、形骸化した教育委員会
3月3日の臨時教育委員会会議ではまるで事務局の作った脚本どうりではないのかと思える質疑応答をして課長補佐の回答を受け入れ、総合所見のまちがいの原因や採択システムの不公正さを追及・解明する姿勢がなかった。
教育委員はレイマンコントロール機能を失い、事務局の単なるイエスマンに成り下っている。これでは市長の意向を受けた教育委員会が育鵬社採択を強行に進めているのではとも推測できる。
(きしなおと)
「子どもと教科書全国ネット21ニュース」107号(2016.4)
岸 直人(教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま事務局)
● 呉市教委へ公開質問状提出
1月15日 呉教科書問題調査プロジェクトチーム結成。徹底的調査開始。
2月10日 呉市教委に「歴史人物調査にまちがいがある」と質問。
2月12日 週刊金曜日に『呉市教委が数字を偽装か』の記事掲載。
2月17日 呉市教委はまちがいを認めた。
2月21日 教科書ネット・呉準備会の学習会。同日教科書ネット・呉発足。
2月23日 教科書ネット・呉は公開質問状を提出。
3月3日 呉市教委は市民に公開の臨時教育委員会を開き、昨年採択した歴史・公民教科書総合所見の再調査報告を審議したが、採択資料のまちがいが1054ヵ所あっても、教科書の評価は変わらないとして採択の変更をしなかった。
3月18日 教科書ネット・呉は呉市教委へ公開質問状提出、教科書ネット・ひろしまは抗議文提出。
3月20日 『呉教科書不正採択問題を考える市民集会』開催。
● 3つの重大な問題がある育鵬社の教科書不正採択
(1)「選定委員は調査研究員と重複しない」と定めている採択規定違反システムの問題
自ら定めた採択規定を恣意的に運用した違法な職権濫用行為である。
根拠の1つめは、「選定委員は調査研究員と重複しない」と定めた採択規定があるにもかかわらず、採択要項には「指導主事は担当教科の部会に参加し、指導・助言を行う」と定め、選定委員である指導主事が調査・研究委員会に参加して実質的に指導・助言できるトリックがある。
根拠の2つめは、3月3日臨時教育委員会報告で「昨年の調査研究作業の中でリストアップを担当指導主事が手伝うことになった」と述べ、選定委員でもある担当指導主事が調査研究を重複したことが具体的に発覚したことだ。
(2)歴史・公民教科書総合所見の1054カ所の杜撰なまちがいと、公民教科書総合所見にある育鵬社を採択するための不正水増し操作
歴史教科書総合所見では、近代に登場する人物数で、教科書にはないのにあるとしていた人物が138名。逆に教科書にあるのに資料には載っていなかった人物は244名という考えられないようなカウント間違いがあった。
さらに、公民と合わせて前代未聞の合計1054ヵ所の記載もれ、誤記載、誤字、脱字、カウントミスがあった。
公民教科書総合所見では、昨年の採択時に育鵬社が高評価となるように、不正水増し操作をしたことを私たちは指摘した。
すると3月3日の臨時教育委員会会議では育鵬社に水増しした視点の「コラム」31を削除した。他の教科書ではコラムを入れていなかったものを若干取り入れる(東書は50のうち4)などのカモフラージュを再び行い不正を隠蔽しようとした。
「改訂」の結果、東書は評価得点はプラス4の32、育鵬社は49マイナス25の24となったが、教育委員会は育鵬社は◎(特に優れている)、東書は○(優れている)の評価を変えなかった。
(3)教育委員会の言いなり、形骸化した教育委員会
3月3日の臨時教育委員会会議ではまるで事務局の作った脚本どうりではないのかと思える質疑応答をして課長補佐の回答を受け入れ、総合所見のまちがいの原因や採択システムの不公正さを追及・解明する姿勢がなかった。
教育委員はレイマンコントロール機能を失い、事務局の単なるイエスマンに成り下っている。これでは市長の意向を受けた教育委員会が育鵬社採択を強行に進めているのではとも推測できる。
(きしなおと)
「子どもと教科書全国ネット21ニュース」107号(2016.4)
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