◆ 生徒押しのけ〝君が代〟主役
都教委が卒業式を形式化 愛国心と五輪招致
東京都教育委員会が今春の都立学校の卒業式で、派遣した幹部職員にオリンピック招致の宣伝活動をさせていたことが、情報公開請求に取り組んでいる都民への、7月13日までの取材で明らかになった。生徒が主役のはずの学校が、〝君が代〟問題以外でも、権力を握る側の政治活動の場となっている実態を伝える。(教育ライター・永野厚男)
◆ 五輪バッジは着用指示
ピースリボンは処分に
〝君が代〟不起立教員への懲戒処分を強行するようになった10・23通達(2003年)発出後、都教委は卒業式に幹部職員を派遣し、校長より上座に座らせ、〝君が代〟斉唱後、壇上で挨拶文を読み上げさせている。
情報公開請求で都民が得た、今春の計234の全都立高校(全日制・定時制・通信制)で読み上げられた挨拶文は、「生徒への祝辞だ」と称しながら、「各校の特色ある教育活動を、校長らに百字前後で記述させた前段部分」以外、内容は全校統一で政治色が濃い。
後段では、「昨年の大震災で……極限状況下にありながらも、人々は冷静で秩序を乱すことなく、……助け合いました」「女子W杯で……なでしこジャパンの活躍に、日本中が感動しました」と、二つの出来事を記述後、「これからは自らの国を大切にする…時代です」と主張。
続けて「国際社会に生きる日本人として」という文言を2度繰り返し、「皆さんには……我が国に対する愛着や誇りをもつ…ことを期待しています」と結んでいる。
この他に都民が得た「卒業式等派遣者用マニュアル」は「当日、式中」の欄の筆頭に「会場内国旗・都旗掲揚状況確認」と記述し、続けて「国歌斉唱、国旗に正対してください」明記。
最前列の派遣幹部職員に、日の丸旗の状況を監視し、生徒・保護者に尻を向け直立不動で、天皇の治世の永続を願う〝君が代〟を歌うよう指示しているのであり、「生徒への祝意」は名ばかりで、都教委が生徒より国や政治の方を向いている証拠だと言える。
圧巻は「略礼服等で」とした「当日の服装」の欄で、「二〇二〇オリンピック招致・スポーツ祭二〇一三のバッジ」着用を求めたこと。
都教委は、2000年春の国立市立小学校の卒業式で、無文字のピースリボンを付けた教諭らを地方公務員法の職務専念義務に違反するとして、処分対象にしている。式と無関係の「五輪宣伝バッジ」を着用した幹部職員を公費で派遣することとの整合性を、都教委は、説明できるのだろうか?
都教委は、08・09年3月の全都立学校の卒業式では、挨拶文でも五輪招致を大宣伝していた。
08年3月の高校用は「東京都は平成二十八年のオリンピック・パラリンピック開催を目指し、大きな感動と夢を全世界の人々と分かち合い、人と人との絆を結ぶことを願って招致活動を進めているところです」、09年3月の特別支援学校用は、これとほぼ同内容を易しく表現した上、「この9月には、アジアの障害のある若い選手たちが集まる『アジアユースパラゲームズ』も東京都で開催されます。楽しみにして下さい」と結んでいた(読者ご承知の通り、招致は失敗)。
こんな挨拶文を読み聞かされて、「自分たちへの祝意だ」と喜ぶ生徒や保護者がどのくらいいるのだろうか?
『週刊新社会』(2012/7/24)
都教委が卒業式を形式化 愛国心と五輪招致
東京都教育委員会が今春の都立学校の卒業式で、派遣した幹部職員にオリンピック招致の宣伝活動をさせていたことが、情報公開請求に取り組んでいる都民への、7月13日までの取材で明らかになった。生徒が主役のはずの学校が、〝君が代〟問題以外でも、権力を握る側の政治活動の場となっている実態を伝える。(教育ライター・永野厚男)
◆ 五輪バッジは着用指示
ピースリボンは処分に
〝君が代〟不起立教員への懲戒処分を強行するようになった10・23通達(2003年)発出後、都教委は卒業式に幹部職員を派遣し、校長より上座に座らせ、〝君が代〟斉唱後、壇上で挨拶文を読み上げさせている。
情報公開請求で都民が得た、今春の計234の全都立高校(全日制・定時制・通信制)で読み上げられた挨拶文は、「生徒への祝辞だ」と称しながら、「各校の特色ある教育活動を、校長らに百字前後で記述させた前段部分」以外、内容は全校統一で政治色が濃い。
後段では、「昨年の大震災で……極限状況下にありながらも、人々は冷静で秩序を乱すことなく、……助け合いました」「女子W杯で……なでしこジャパンの活躍に、日本中が感動しました」と、二つの出来事を記述後、「これからは自らの国を大切にする…時代です」と主張。
続けて「国際社会に生きる日本人として」という文言を2度繰り返し、「皆さんには……我が国に対する愛着や誇りをもつ…ことを期待しています」と結んでいる。
この他に都民が得た「卒業式等派遣者用マニュアル」は「当日、式中」の欄の筆頭に「会場内国旗・都旗掲揚状況確認」と記述し、続けて「国歌斉唱、国旗に正対してください」明記。
最前列の派遣幹部職員に、日の丸旗の状況を監視し、生徒・保護者に尻を向け直立不動で、天皇の治世の永続を願う〝君が代〟を歌うよう指示しているのであり、「生徒への祝意」は名ばかりで、都教委が生徒より国や政治の方を向いている証拠だと言える。
圧巻は「略礼服等で」とした「当日の服装」の欄で、「二〇二〇オリンピック招致・スポーツ祭二〇一三のバッジ」着用を求めたこと。
都教委は、2000年春の国立市立小学校の卒業式で、無文字のピースリボンを付けた教諭らを地方公務員法の職務専念義務に違反するとして、処分対象にしている。式と無関係の「五輪宣伝バッジ」を着用した幹部職員を公費で派遣することとの整合性を、都教委は、説明できるのだろうか?
都教委は、08・09年3月の全都立学校の卒業式では、挨拶文でも五輪招致を大宣伝していた。
08年3月の高校用は「東京都は平成二十八年のオリンピック・パラリンピック開催を目指し、大きな感動と夢を全世界の人々と分かち合い、人と人との絆を結ぶことを願って招致活動を進めているところです」、09年3月の特別支援学校用は、これとほぼ同内容を易しく表現した上、「この9月には、アジアの障害のある若い選手たちが集まる『アジアユースパラゲームズ』も東京都で開催されます。楽しみにして下さい」と結んでいた(読者ご承知の通り、招致は失敗)。
こんな挨拶文を読み聞かされて、「自分たちへの祝意だ」と喜ぶ生徒や保護者がどのくらいいるのだろうか?
『週刊新社会』(2012/7/24)
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