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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

日本でもあった「彼は敵だ。敵は殺せ」とする政治の論理と憎悪

2020年08月27日 | 平和憲法
 ◆ 暗殺者のメロディ (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 ロシアの代表的な反政権、民主派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏(44)が、毒を盛られて意識不明の重体という。
 本紙によればナバリヌイ氏は、メドベージェフ前首相ら政権中枢の汚職を追及し、反政権派市民からはプーチン大統領批判の急先鋒(せんぽう)として絶大な人気を誇る存在だ。
 ロシアでは反政権活動家やジャーナリストへの襲撃や暗殺は珍しくない。最もよく知られているのは、一九四〇年、スターリンによるトロツキーの暗殺だ。
 メキシコ・シティの邸宅街コヨアカンで、亡命生活を送っていたトロツキー邸を、二度ほど訪問したことがある。四方に高い塀を巡らし、その上に望楼を備えていて、厳重警戒。要塞(ようさい)のような構えだった。
 スターリン支持者たちから深夜に銃撃された後、妻や支持者とさらに警戒を強めて暮らしていても、近づいてきた暗殺者を排除できなかった。その恐怖を実感できた。
 その恐怖は、アラン・ドロンが暗殺者の苦悩を演じた、ジョセフ・ロージー監督の『暗殺者のメロディ』によく描かれている。
 映画では延々と闘牛場のシーンが使われ、監督の牛の虐殺に熱狂する文化への批判を感じさせた。
 「彼は敵だ。敵は殺せ」とする政治の論理と憎悪は、日本でも、治安維持法やセクト間の内ゲバなどで、つい最近まであったことだった。
『東京新聞』(2020年8月25日【本音のコラム】)

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