《The Interschool Journal から》
◆ 萩生田文科相記者会見録・速報版(2020年8月25日・ISJ版)
平松けんじ
8月25日11時から文部科学省内で行われた、萩生田光一文部科学大臣の記者会見の模様を速報する。なお内容については記者が聴取した内容に基づいて記録しており、必ずしも正確さを保障できないことをあらかじめ断っておく。
★ 萩生田光一文部科学大臣
おはようございます。冒頭私からは2件です。
まずあの本日は私から児童生徒等や学生の皆さん、また教職員をはじめとする学校関係者の皆様、保護者や地域の皆様にメッセージをお伝えをしたいと思います。
まず児童生徒等や学生の皆さんに対して新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があり、感染した人が悪いということではないこと、感染した人が悪いという雰囲気ができ、感染したことを言い出しにくくなるとさらに感染が広がってしまうかもしれないこと、
感染した人を責めるのではなく、励まし温かく迎えてほしいということ、皆さんは今自分ができる予防をしっかり行い、日々の学びを続けてほしいということ。これをお伝えしたいと思います。
次に教職員はじめ学校関係者の皆様に対しては、児童生徒等が新型コロナウイルス感染症を正しく理解し、よりよい実践ができるよう学校における指導が一層重要となってきていることから指導にあたって重要な点を示すとともに、差別や偏見等を防ぐための取り組みを組織的、継続的に進めていただくようお願いをしております。
保護者や地域の皆様に対しては、感染者に対する差別や偏見、誹謗中傷等を許さないということ、またこのような状況下にあっても子どもたちにとって貴重な学ぶ機会を最大限保障するため、学校における感染症対策と教育活動の両立に対するご理解とご協力をお願いをしています。
差別等に対する取り組みは政府全体で進める必要があり、内閣官房では今後、実態の把握や相談窓口及び啓発のあり方について検討するものと承知してます。
また法務省においては8月28日から相談電話「子どもの人権110番」の強化週間を実施する予定となっています。
文部科学省としても関係省庁としっかり連携をし、差別等の防止の取り組みを引き続き進めてまいりたいと思います。
もう1点は政策的に重要でありながらこれまで十分に検討が進んでいない局横断的な課題について、今般若手融資職員が中心となって、所掌にとらわれず、自由闊達な検討を行う「科学技術わくわく挑戦チーム」の活動に関する報告書を取りまとめましたのでご報告をいたします。
これはあの昨年決定した文部科学省創生実行計画における現場に根差した政策立案機能の強化の一環として取り組まれてきたものです。
本報告では社会全体がコロナ禍にあって、研究現場に多大な影響が出ている中、オンラインでの新たなコミュニケーションの形や協働の形を模索しながら産学官民の幅広い現場の方々と一体となって議論を行ってきた成果が取りまとめられています。今回の提案の中にはコロナ禍の研究現場について若手ならではのユニークな官民のネットワークや機動性を生かし、大学、研究開発法人、民間企業等の幅広いセクターと研究分野から従来の調査では十分取られていなかった大学院生やポストドクター等の若手人材の声を広くタイムリーに集めて分析したものでありました。この調査結果からはコロナ禍の苦境を乗り越えるうえでの数々の工夫や改善が得られています。
今回得られた現場の知見や機動的なアンケートの調査の手法は、今後の政策立案や検討にしっかり生かしていきたいと思います。
本年7月末に私もこの検討チームのメンバーと意見交換を行いましたが、若手職員の柔軟な発想、そして新たな視点からの意欲的な提案に触れることができ、大変頼もしく思いました。
現場主義を徹底していくことは、省改革の大きな柱です。引き続き省内外の関係者との密な協働のもと、今後のあるべき研究現場の姿を見据え、これをさらに魅力あるものに作りかえていけるよう文部科学省としてしっかり取り組んでまいりたいと思います。私からは以上です。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
ありがとうございました。幹事社日経新聞です。本日の会見にはインタースクールジャーナルさんが参加されてます。よろしくお願いします。
幹事社から2点質問します。まず1点目なんですけども、今週から全国的に夏休みが終わって新学期が始まったわけですけども、今後も新型コロナの感染拡大リスクに加えて、専門家会議ではインフルエンザ流行の兆しにも言及がありました。
コロナ禍で学校生活で、学校現場の教員の方々の負担や、大臣も今日のメッセージで言及されてますけれども、子どもたちの精神的な負担が引き続き続くことが懸念されるんですが、改めてどういった取り組みや支援を進めていくかご所見を伺わせてください。
★ 萩生田光一文部科学大臣
全国多くの小中学校におきまして夏季休業を終えまして授業が再開されてると思いますが、この間も全国的に感染者数が増加し、児童生徒や教職員の感染事例の報告も続いております。各教育委員会においてはより一層都道府県の衛生主管部局等との連携を緊密にして、地域の感染状況を把握し、学校や家庭に対して十分な情報提供を行っていただくことが大切です。
またあの、冬季にかけてインフルエンザの流行も予想されますが、学校で必要とされる感染症対策は新型コロナウイルス感染症と同様考えられ、文部科学省から示している衛生管理マニュアルなども参考に引きつづき日常的に児童生徒と教職員の健康観察を行うとともに地域の感染状況に応じて具体的な活動場面ごとにきめ細かな感染症予防対策を行っていただきたいと考えています。
現場の先生方大変ご苦労されてることは十分承知してますし、できるだけ教員の皆さんには教員本来の仕事に向き合っていただけるようにですね、外部スタッフの導入など、国としても引き続き支援をしっかりして、各自治体・学校が感染症対策に万全を期したうえで教育活動を実施いただけるように支援を続けていきたいと思ってます。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
もう1点質問があります。本日今年度2度目の教育再生実行会議が開かれて、今後はワーキンググループでそれぞれ検討が始まるかと思うんですけども、大臣が以前教育再生実行会議の提言は来年5月めどにまとめていただきたいというお考えを示されていたかと思うんですけども、それぞれのワーキンググループでの議論のスピード感というのは考えていらっしゃいますでしょうか。ま、特に初等中等教育ワーキンググループでは感染症対策というのを盛り込まれてるかと思うんですけども、スピード感についてお考え聞かせてください。
★ 萩生田光一文部科学大臣
本日16時から教育再生実行会議を開催し、ポストコロナ期における新たな学びのあり方について前回会議の議論を踏まえ、さらに検討事項を具体化した主な論点についてご議論いただく予定です。
大きな論点として少人数による指導体制・環境整備のあり方や、対面とオンラインのハイブリット教育のあり方などがあると考えています。
本日の実行会議でのご議論を踏まえ、以降は私のもとでワーキンググループを開催し、専門的多角的な検討を深めていきたいと思っております。
ご指摘のようにですね、初等中等教育で取り組むべき内容と、高等教育機関で対応すべき内容については若干アプローチが違うと思いますし、特に初等中等教育に至っては感染症対策あるいは遅れていたICTの環境整備、またあの、すでに一つの大きな議題として議論いただいている少人数学級などがございますので、そこはですね、専門家の先生方の判断によりますけれども、最終的なとりまとめは来年5月ぐらいで目指していますけれど、例えばですね、新年度の予算に反映していかなきゃいけないテーマなどで貴重なご意見があるとすればそういったことは少し加速をしていただけるんじゃないかということを期待をしております。
本日の実行会議の具体的な議事の内容については会議の終了後に私と座長から改めて記者ブリーフを行いたいと思います。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
ありがとうございました。それでは各社さんどうぞ。
☆ NHK
NHKのカナザワです。今幹事社さんの質問にあった教育再生実行会議のからみで大学教育の関係でお伺いしたいんですけれども、以前大臣は会見でですね、オンラインと対面のハイブリットをやってほしいというふうな呼びかけをされたかと思うんですが、現状その大学の授業の実施状況で前回の調査をまた新たにしているものであればその結果をお伺いしたいのと、あとはその新入生などですね、一度も学校に通っていない学生がいる中でその学生の実態について調査もしくは対応何か検討しているものがあればお願いします。
★ 萩生田光一文部科学大臣
8月11日の会見でもお話ししました通り各大学等における後期授業の開始にあたっては感染防止をするための対策を十分講じたうえで、可能なものについては対面による授業の実施を積極的に検討いただきたいと考えております。
文科省としては各大学における検討に資するよう、対面による授業と感染対策を両立している好事例について、文部科学省のホームページにすでに掲載を行っているほか、今後各大学の会議等の場を活用して積極的に情報発信することとしております。
お尋ねの調査につきましても今月中にですね、各大学に依頼すべく調査項目の設計を鋭意進めているところです。
この調査においては各大学等における後期の授業の実施形態のほか、対面授業と遠隔授業を併用する場合の考え方や両者の割合、学内施設の利用状況、どの程度の学生が定期的にキャンパスに通学できるかといった点について把握をしたいと考えております。
またご指摘の新入生につきましても遠隔授業の実施により、通学の機会が減少している学生への対応を含め、各大学等が学生に対してどのような措置を講じているかについても確認をする予定でございます。
このほかのいくつかの大学に対しては個別に意見交換を行い、今般のコロナ禍における授業の実施に対する基本的な考え方やこれを乗り越えるために講じている工夫等についてやり取りを通じて具体的に把握していきたいと思っておりますし、私もこの間現場に視察をしたり、またお見えになった大学関係者の皆さんとの意見交換をして、いい例につきましてはすでに文科省のホームページでもアップをしております。
まぁ今までの調査はどちらかっていうと少しざっくり対面とハイブラ、対面とオンラインどうなってますかっていうところまでしか承知してなかったんですけれど、学生の皆さんからも様々な不安な声が上がってますので、少しきめ細かい調査をさせていただいて、また同時に我々が目指す大学の現場のあり方というものも現場の皆さんにもお伝えさせていただいて、全国的な状況の調査と個別大学との意見交換を通じて、大学等における新型コロナウイルス感染症対策に関する実情を丁寧に把握したうえで、各大学等において後期授業が始まる9月の中旬ごろまでに各大学等に対し、必要と考えられる情報を提供していきたいと考えています。
☆ 京都新聞
京都新聞のクニサダです。新型コロナに伴う国体の延期に関してお伺いします。今年ですね、予定していた鹿児島県について、2023年予定の佐賀県が今その年の開催を***って、1年後ろ倒しにしていくということで両県が合意したということが、先週発表がありました。その点に関しての受け止めをお願いします。
★ 萩生田光一文部科学大臣
鹿児島県の中止は鹿児島県の責任ではなくて、このコロナの状況にあって実施できないという、客観的な判断に基づく決断でありました。
オリンピックじゃないんですけど、本当は1年ごとにずらしてけばという案もあったんですけど、翌年の開催県も数年前から準備をしてますし、翌々年の開催県ももうすでに県庁内に対策室などを作って準備をしてますので、すでに実施予定の県についてはなかなかそういう形になりませんでした。
実施内定の県と直接相談をしたという事実もありますし、また我々もそのやり取りを見守ってまいりまして、一定の方向ができましたので、良い意味でお互いが協力しながらですね、鹿児島での実施を望んでいた皆さんにも、この機会を逃すと、この国体だったら地元で出れたのに、数年後だと出れないというアスリートたちがいることは否めないんですけれど、しかしあの、今まで準備してきたことが無駄にならないような代替ができるということが見通しがついたことは大変うれしく思っています。
今までこういったことがなかったものですから、その仕組みやルールを今まで持ってなかったんですけれど、これを機会に私のもとでですね、今後自然災害などで、あ、ごめんね。滋賀県とは今後これから引き続き検討するようでございますが、すべての皆さんが納得してる状況ではないんですけれど、あの、いずれにしましてもこれを機会にですね、こういった例えば感染症や自然災害によってやむを得ず実施ができなかった場合の代替をどうするかっていうのを省内でもきちんとルール化をしていきたいなと思ってるところです。
☆ 京都新聞
滋賀も含めてですね、開催県の方に影響が出てくるわけですけれども、延期に伴って追加経費というものがそれぞれの大会で出てくると思うんですが、そこに関しての財政的な支援みたいなものは国としてはどういう風な、方向性みたいなものは考えていますか。
★ 萩生田光一文部科学大臣
延期をすることでどういう費用が生まれてくるのか、またそれが今回のコロナの影響で明らかにですね、影響があるものなのか、そういったものはよく精査をして今後考えていきたいなと思ってます。国体そのものはどちらかというと自治体それぞれが開催をする自治体の負担で準備をしてまして、国としては一定のメニューしかないんですけれど、今回は事情が事情なのでその辺はよく現場の声を聞きながらきめの細かい対応を検討していきたいなと思ってます。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
大臣次のご予定がありますんで、残り1問でお願いします。
☆ 毎日新聞
毎日新聞の大久保です。コロナ禍における学校現場の負担に関してお伺いしたいなと思います。
先般NPOがですね、全国の教員を対象にした調査で7月のその時間外労働がですね、80時間を超える先生が6割近く、100時間を超える先生が4割ぐらいいらっしゃると。
で、これはあのもちろん公式な調査ではございませんし、実態調査ではないんですけれども、一定そういう実態はあるんだろうなという風に考えます。
それで、大臣はですね、これまでこのコロナの状況で学校現場にはどうしても頑張っていただかなければいけないということを繰り返しおっしゃってたと思うんですけれど。それはその通りだと思うんですが、一方で100時間を超えるとなってくると、これ労基署が入ってくるレベルなんですね。
で、この実態に関して大臣としてどのように受け止めておられるかというのとですね、これまで予算というか学校現場に補正予算もだいぶ入れてるわけですけれども、それがあるにもかかわらず、こういった実態になってしまっているというのはどうしてなんでしょうか。
★ 萩生田光一文部科学大臣
新型コロナウイルス感染症対策のために臨時休業に伴う授業時間の増加や子どもの健康観察、消毒作業等、学校の業務量が増大している現状は先日の教育団体のヒアリング等においても言及がございました。承知をしているつもりです。
今ご指摘がありましたように、本来今年はですね、学校現場にとって働き方改革元年で、少し時間数も含めて見直しをしてこうねということがスタートした矢先にこのような事態になってしまいましたので、先生方が子どもたちのために使命感を持って懸命に取り組んでいただいていることにはですね、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
一方、文科省としてはこのような学校の負担を軽減することができるように、二次補正予算において、教員の加配、学習指導員・スクールサポートスタッフの追加配置分として、合計8万5000人分、310億円を計上し、各自治体からはその8割に当たる6万7000人分の申請があり、先月各自治体に内示をしたところでございます。
順次学校現場への配置が始まってるところですが、さらなる配置拡充に向けてすでに二次募集を始めておりますので、ご利用いただきたいと思ってます。
特に消毒などは8月6日付で管理衛生マニュアルを改訂いたしまして、なんとなく神経質になると、ものすごくどこまでも消毒しなければならないという負担感が現場に行ってしまったんですけど、最低限こういったことはやりましょうねということと同時にですね、スクールサポートスタッフなどを上手に使ってる自治体や学校は朝の時間外部の人たちが来て消毒を済ませていただけるような事例もありますので、そういった良い例を両展開していきたいなと思ってます。
他方、教員の皆さん、使命感強いもんですから、特に授業の遅れを取り戻さなくてはいけないなどで、結果として長時間労働になってしまってるという実態は否めない部分があるんだと思います。
で、これはあの労基署は学校ですから入らないんですけど、しかし民間に照らせばですね、これはもう健康を害する可能性があるような事態まで先生方追い込まれてはならないと思いますので、そこは校長先生や副校長など管理職の皆さんがしっかり管理をしていただいて、必要なマンパワーについては市町村教育委員会、都道府県教育委員会とよく連携して、そこはしっかり予算の裏打ちしてありますので、もうちょっと積極的に使っていただいても良いんじゃないかなと。
そういう外からのマンパワーを使っていただきたいなと思ってますし、いやそうはいってもなかなかそういう人が見つからないんだとこういうお話がありましたので、春先から進めてきた学校応援スタッフのですね、紹介なども引き続きさせていただいているところでございます。
子どもたちも大事ですけれども、先生方も健康害しては結果として子どもたちにも影響が出てしまうので、そのバランスはしっかり取りながらですね、緊急事態で大変ご苦労かけてますけれど、ここはご努力をいただきたいなと。
で、その必要な声はですね、黙っていないで上げていただいてですね、どうしてもあの、予算が県経由で行くもんですから、なかなか学校一つ一つの現場となかなか現場感覚があってないところが前半、1学期はあったんじゃないかというふうに私も思ってますので、改めてそういう機会を通じてですね、現場の皆さんのご苦労をちゃんと組み上げていただいて、必要な人や予算はしっかり当てていただくような、そんなことを改めてお願いしていきたいなと、そんな風に思ってます。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
ありがとうございました。これで会見終わります。
★ 萩生田光一文部科学大臣
ありがとうございました。
『The Interschool Journal』(2020年08月25日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/23984893archives/20200825html
◆ 萩生田文科相記者会見録・速報版(2020年8月25日・ISJ版)
平松けんじ
8月25日11時から文部科学省内で行われた、萩生田光一文部科学大臣の記者会見の模様を速報する。なお内容については記者が聴取した内容に基づいて記録しており、必ずしも正確さを保障できないことをあらかじめ断っておく。
★ 萩生田光一文部科学大臣
おはようございます。冒頭私からは2件です。
まずあの本日は私から児童生徒等や学生の皆さん、また教職員をはじめとする学校関係者の皆様、保護者や地域の皆様にメッセージをお伝えをしたいと思います。
まず児童生徒等や学生の皆さんに対して新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があり、感染した人が悪いということではないこと、感染した人が悪いという雰囲気ができ、感染したことを言い出しにくくなるとさらに感染が広がってしまうかもしれないこと、
感染した人を責めるのではなく、励まし温かく迎えてほしいということ、皆さんは今自分ができる予防をしっかり行い、日々の学びを続けてほしいということ。これをお伝えしたいと思います。
次に教職員はじめ学校関係者の皆様に対しては、児童生徒等が新型コロナウイルス感染症を正しく理解し、よりよい実践ができるよう学校における指導が一層重要となってきていることから指導にあたって重要な点を示すとともに、差別や偏見等を防ぐための取り組みを組織的、継続的に進めていただくようお願いをしております。
保護者や地域の皆様に対しては、感染者に対する差別や偏見、誹謗中傷等を許さないということ、またこのような状況下にあっても子どもたちにとって貴重な学ぶ機会を最大限保障するため、学校における感染症対策と教育活動の両立に対するご理解とご協力をお願いをしています。
差別等に対する取り組みは政府全体で進める必要があり、内閣官房では今後、実態の把握や相談窓口及び啓発のあり方について検討するものと承知してます。
また法務省においては8月28日から相談電話「子どもの人権110番」の強化週間を実施する予定となっています。
文部科学省としても関係省庁としっかり連携をし、差別等の防止の取り組みを引き続き進めてまいりたいと思います。
もう1点は政策的に重要でありながらこれまで十分に検討が進んでいない局横断的な課題について、今般若手融資職員が中心となって、所掌にとらわれず、自由闊達な検討を行う「科学技術わくわく挑戦チーム」の活動に関する報告書を取りまとめましたのでご報告をいたします。
これはあの昨年決定した文部科学省創生実行計画における現場に根差した政策立案機能の強化の一環として取り組まれてきたものです。
本報告では社会全体がコロナ禍にあって、研究現場に多大な影響が出ている中、オンラインでの新たなコミュニケーションの形や協働の形を模索しながら産学官民の幅広い現場の方々と一体となって議論を行ってきた成果が取りまとめられています。今回の提案の中にはコロナ禍の研究現場について若手ならではのユニークな官民のネットワークや機動性を生かし、大学、研究開発法人、民間企業等の幅広いセクターと研究分野から従来の調査では十分取られていなかった大学院生やポストドクター等の若手人材の声を広くタイムリーに集めて分析したものでありました。この調査結果からはコロナ禍の苦境を乗り越えるうえでの数々の工夫や改善が得られています。
今回得られた現場の知見や機動的なアンケートの調査の手法は、今後の政策立案や検討にしっかり生かしていきたいと思います。
本年7月末に私もこの検討チームのメンバーと意見交換を行いましたが、若手職員の柔軟な発想、そして新たな視点からの意欲的な提案に触れることができ、大変頼もしく思いました。
現場主義を徹底していくことは、省改革の大きな柱です。引き続き省内外の関係者との密な協働のもと、今後のあるべき研究現場の姿を見据え、これをさらに魅力あるものに作りかえていけるよう文部科学省としてしっかり取り組んでまいりたいと思います。私からは以上です。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
ありがとうございました。幹事社日経新聞です。本日の会見にはインタースクールジャーナルさんが参加されてます。よろしくお願いします。
幹事社から2点質問します。まず1点目なんですけども、今週から全国的に夏休みが終わって新学期が始まったわけですけども、今後も新型コロナの感染拡大リスクに加えて、専門家会議ではインフルエンザ流行の兆しにも言及がありました。
コロナ禍で学校生活で、学校現場の教員の方々の負担や、大臣も今日のメッセージで言及されてますけれども、子どもたちの精神的な負担が引き続き続くことが懸念されるんですが、改めてどういった取り組みや支援を進めていくかご所見を伺わせてください。
★ 萩生田光一文部科学大臣
全国多くの小中学校におきまして夏季休業を終えまして授業が再開されてると思いますが、この間も全国的に感染者数が増加し、児童生徒や教職員の感染事例の報告も続いております。各教育委員会においてはより一層都道府県の衛生主管部局等との連携を緊密にして、地域の感染状況を把握し、学校や家庭に対して十分な情報提供を行っていただくことが大切です。
またあの、冬季にかけてインフルエンザの流行も予想されますが、学校で必要とされる感染症対策は新型コロナウイルス感染症と同様考えられ、文部科学省から示している衛生管理マニュアルなども参考に引きつづき日常的に児童生徒と教職員の健康観察を行うとともに地域の感染状況に応じて具体的な活動場面ごとにきめ細かな感染症予防対策を行っていただきたいと考えています。
現場の先生方大変ご苦労されてることは十分承知してますし、できるだけ教員の皆さんには教員本来の仕事に向き合っていただけるようにですね、外部スタッフの導入など、国としても引き続き支援をしっかりして、各自治体・学校が感染症対策に万全を期したうえで教育活動を実施いただけるように支援を続けていきたいと思ってます。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
もう1点質問があります。本日今年度2度目の教育再生実行会議が開かれて、今後はワーキンググループでそれぞれ検討が始まるかと思うんですけども、大臣が以前教育再生実行会議の提言は来年5月めどにまとめていただきたいというお考えを示されていたかと思うんですけども、それぞれのワーキンググループでの議論のスピード感というのは考えていらっしゃいますでしょうか。ま、特に初等中等教育ワーキンググループでは感染症対策というのを盛り込まれてるかと思うんですけども、スピード感についてお考え聞かせてください。
★ 萩生田光一文部科学大臣
本日16時から教育再生実行会議を開催し、ポストコロナ期における新たな学びのあり方について前回会議の議論を踏まえ、さらに検討事項を具体化した主な論点についてご議論いただく予定です。
大きな論点として少人数による指導体制・環境整備のあり方や、対面とオンラインのハイブリット教育のあり方などがあると考えています。
本日の実行会議でのご議論を踏まえ、以降は私のもとでワーキンググループを開催し、専門的多角的な検討を深めていきたいと思っております。
ご指摘のようにですね、初等中等教育で取り組むべき内容と、高等教育機関で対応すべき内容については若干アプローチが違うと思いますし、特に初等中等教育に至っては感染症対策あるいは遅れていたICTの環境整備、またあの、すでに一つの大きな議題として議論いただいている少人数学級などがございますので、そこはですね、専門家の先生方の判断によりますけれども、最終的なとりまとめは来年5月ぐらいで目指していますけれど、例えばですね、新年度の予算に反映していかなきゃいけないテーマなどで貴重なご意見があるとすればそういったことは少し加速をしていただけるんじゃないかということを期待をしております。
本日の実行会議の具体的な議事の内容については会議の終了後に私と座長から改めて記者ブリーフを行いたいと思います。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
ありがとうございました。それでは各社さんどうぞ。
☆ NHK
NHKのカナザワです。今幹事社さんの質問にあった教育再生実行会議のからみで大学教育の関係でお伺いしたいんですけれども、以前大臣は会見でですね、オンラインと対面のハイブリットをやってほしいというふうな呼びかけをされたかと思うんですが、現状その大学の授業の実施状況で前回の調査をまた新たにしているものであればその結果をお伺いしたいのと、あとはその新入生などですね、一度も学校に通っていない学生がいる中でその学生の実態について調査もしくは対応何か検討しているものがあればお願いします。
★ 萩生田光一文部科学大臣
8月11日の会見でもお話ししました通り各大学等における後期授業の開始にあたっては感染防止をするための対策を十分講じたうえで、可能なものについては対面による授業の実施を積極的に検討いただきたいと考えております。
文科省としては各大学における検討に資するよう、対面による授業と感染対策を両立している好事例について、文部科学省のホームページにすでに掲載を行っているほか、今後各大学の会議等の場を活用して積極的に情報発信することとしております。
お尋ねの調査につきましても今月中にですね、各大学に依頼すべく調査項目の設計を鋭意進めているところです。
この調査においては各大学等における後期の授業の実施形態のほか、対面授業と遠隔授業を併用する場合の考え方や両者の割合、学内施設の利用状況、どの程度の学生が定期的にキャンパスに通学できるかといった点について把握をしたいと考えております。
またご指摘の新入生につきましても遠隔授業の実施により、通学の機会が減少している学生への対応を含め、各大学等が学生に対してどのような措置を講じているかについても確認をする予定でございます。
このほかのいくつかの大学に対しては個別に意見交換を行い、今般のコロナ禍における授業の実施に対する基本的な考え方やこれを乗り越えるために講じている工夫等についてやり取りを通じて具体的に把握していきたいと思っておりますし、私もこの間現場に視察をしたり、またお見えになった大学関係者の皆さんとの意見交換をして、いい例につきましてはすでに文科省のホームページでもアップをしております。
まぁ今までの調査はどちらかっていうと少しざっくり対面とハイブラ、対面とオンラインどうなってますかっていうところまでしか承知してなかったんですけれど、学生の皆さんからも様々な不安な声が上がってますので、少しきめ細かい調査をさせていただいて、また同時に我々が目指す大学の現場のあり方というものも現場の皆さんにもお伝えさせていただいて、全国的な状況の調査と個別大学との意見交換を通じて、大学等における新型コロナウイルス感染症対策に関する実情を丁寧に把握したうえで、各大学等において後期授業が始まる9月の中旬ごろまでに各大学等に対し、必要と考えられる情報を提供していきたいと考えています。
☆ 京都新聞
京都新聞のクニサダです。新型コロナに伴う国体の延期に関してお伺いします。今年ですね、予定していた鹿児島県について、2023年予定の佐賀県が今その年の開催を***って、1年後ろ倒しにしていくということで両県が合意したということが、先週発表がありました。その点に関しての受け止めをお願いします。
★ 萩生田光一文部科学大臣
鹿児島県の中止は鹿児島県の責任ではなくて、このコロナの状況にあって実施できないという、客観的な判断に基づく決断でありました。
オリンピックじゃないんですけど、本当は1年ごとにずらしてけばという案もあったんですけど、翌年の開催県も数年前から準備をしてますし、翌々年の開催県ももうすでに県庁内に対策室などを作って準備をしてますので、すでに実施予定の県についてはなかなかそういう形になりませんでした。
実施内定の県と直接相談をしたという事実もありますし、また我々もそのやり取りを見守ってまいりまして、一定の方向ができましたので、良い意味でお互いが協力しながらですね、鹿児島での実施を望んでいた皆さんにも、この機会を逃すと、この国体だったら地元で出れたのに、数年後だと出れないというアスリートたちがいることは否めないんですけれど、しかしあの、今まで準備してきたことが無駄にならないような代替ができるということが見通しがついたことは大変うれしく思っています。
今までこういったことがなかったものですから、その仕組みやルールを今まで持ってなかったんですけれど、これを機会に私のもとでですね、今後自然災害などで、あ、ごめんね。滋賀県とは今後これから引き続き検討するようでございますが、すべての皆さんが納得してる状況ではないんですけれど、あの、いずれにしましてもこれを機会にですね、こういった例えば感染症や自然災害によってやむを得ず実施ができなかった場合の代替をどうするかっていうのを省内でもきちんとルール化をしていきたいなと思ってるところです。
☆ 京都新聞
滋賀も含めてですね、開催県の方に影響が出てくるわけですけれども、延期に伴って追加経費というものがそれぞれの大会で出てくると思うんですが、そこに関しての財政的な支援みたいなものは国としてはどういう風な、方向性みたいなものは考えていますか。
★ 萩生田光一文部科学大臣
延期をすることでどういう費用が生まれてくるのか、またそれが今回のコロナの影響で明らかにですね、影響があるものなのか、そういったものはよく精査をして今後考えていきたいなと思ってます。国体そのものはどちらかというと自治体それぞれが開催をする自治体の負担で準備をしてまして、国としては一定のメニューしかないんですけれど、今回は事情が事情なのでその辺はよく現場の声を聞きながらきめの細かい対応を検討していきたいなと思ってます。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
大臣次のご予定がありますんで、残り1問でお願いします。
☆ 毎日新聞
毎日新聞の大久保です。コロナ禍における学校現場の負担に関してお伺いしたいなと思います。
先般NPOがですね、全国の教員を対象にした調査で7月のその時間外労働がですね、80時間を超える先生が6割近く、100時間を超える先生が4割ぐらいいらっしゃると。
で、これはあのもちろん公式な調査ではございませんし、実態調査ではないんですけれども、一定そういう実態はあるんだろうなという風に考えます。
それで、大臣はですね、これまでこのコロナの状況で学校現場にはどうしても頑張っていただかなければいけないということを繰り返しおっしゃってたと思うんですけれど。それはその通りだと思うんですが、一方で100時間を超えるとなってくると、これ労基署が入ってくるレベルなんですね。
で、この実態に関して大臣としてどのように受け止めておられるかというのとですね、これまで予算というか学校現場に補正予算もだいぶ入れてるわけですけれども、それがあるにもかかわらず、こういった実態になってしまっているというのはどうしてなんでしょうか。
★ 萩生田光一文部科学大臣
新型コロナウイルス感染症対策のために臨時休業に伴う授業時間の増加や子どもの健康観察、消毒作業等、学校の業務量が増大している現状は先日の教育団体のヒアリング等においても言及がございました。承知をしているつもりです。
今ご指摘がありましたように、本来今年はですね、学校現場にとって働き方改革元年で、少し時間数も含めて見直しをしてこうねということがスタートした矢先にこのような事態になってしまいましたので、先生方が子どもたちのために使命感を持って懸命に取り組んでいただいていることにはですね、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
一方、文科省としてはこのような学校の負担を軽減することができるように、二次補正予算において、教員の加配、学習指導員・スクールサポートスタッフの追加配置分として、合計8万5000人分、310億円を計上し、各自治体からはその8割に当たる6万7000人分の申請があり、先月各自治体に内示をしたところでございます。
順次学校現場への配置が始まってるところですが、さらなる配置拡充に向けてすでに二次募集を始めておりますので、ご利用いただきたいと思ってます。
特に消毒などは8月6日付で管理衛生マニュアルを改訂いたしまして、なんとなく神経質になると、ものすごくどこまでも消毒しなければならないという負担感が現場に行ってしまったんですけど、最低限こういったことはやりましょうねということと同時にですね、スクールサポートスタッフなどを上手に使ってる自治体や学校は朝の時間外部の人たちが来て消毒を済ませていただけるような事例もありますので、そういった良い例を両展開していきたいなと思ってます。
他方、教員の皆さん、使命感強いもんですから、特に授業の遅れを取り戻さなくてはいけないなどで、結果として長時間労働になってしまってるという実態は否めない部分があるんだと思います。
で、これはあの労基署は学校ですから入らないんですけど、しかし民間に照らせばですね、これはもう健康を害する可能性があるような事態まで先生方追い込まれてはならないと思いますので、そこは校長先生や副校長など管理職の皆さんがしっかり管理をしていただいて、必要なマンパワーについては市町村教育委員会、都道府県教育委員会とよく連携して、そこはしっかり予算の裏打ちしてありますので、もうちょっと積極的に使っていただいても良いんじゃないかなと。
そういう外からのマンパワーを使っていただきたいなと思ってますし、いやそうはいってもなかなかそういう人が見つからないんだとこういうお話がありましたので、春先から進めてきた学校応援スタッフのですね、紹介なども引き続きさせていただいているところでございます。
子どもたちも大事ですけれども、先生方も健康害しては結果として子どもたちにも影響が出てしまうので、そのバランスはしっかり取りながらですね、緊急事態で大変ご苦労かけてますけれど、ここはご努力をいただきたいなと。
で、その必要な声はですね、黙っていないで上げていただいてですね、どうしてもあの、予算が県経由で行くもんですから、なかなか学校一つ一つの現場となかなか現場感覚があってないところが前半、1学期はあったんじゃないかというふうに私も思ってますので、改めてそういう機会を通じてですね、現場の皆さんのご苦労をちゃんと組み上げていただいて、必要な人や予算はしっかり当てていただくような、そんなことを改めてお願いしていきたいなと、そんな風に思ってます。
☆ NIKKEI(幹事社・日経新聞)
ありがとうございました。これで会見終わります。
★ 萩生田光一文部科学大臣
ありがとうございました。
(終)
『The Interschool Journal』(2020年08月25日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/23984893archives/20200825html
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