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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

国連自由権規約委員会勧告(2014/7/24)からパラ16

2014年08月08日 | 人権
 ◎ 外国人労働者の技能実習制度(TITP)について
 16.委員会は、外国人技能実習生に対する労働法制の保護を拡充した制度改正にもかかわらず、同制度のもとで性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となりえる状況に関する報告がいまだに多く存在することを懸念とともに留意する。(2条、及び8条)<注1>
 前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ24)<注2>に従って、締約国は現在の制度を低賃金労働者の雇用よりも能力開発に焦点を置く新しい制度に代えることを真剣に検討すべきである。他方で締約国は、事業場等立ち入り調査の回数を増やし、独立した苦情申し立ての制度を設置し、労働搾取の人身売買その他労働法違反事案を効果的に調査し、起訴し、制裁を科すべきである。
 28. 委員会の手続規則第71条5項に従い、締約国は1年以内に上記第13(死刑制度)、14(慰安婦)、16(外国人労働者)および18(代用監獄)パラグラフにおいてなされた委員会の勧告の実施に関連する情報を提供すべきである。
 『第6回日本定期報告に関する総括所見』(2014/7/24)

 <注1>
 第2条(人権実現の義務)

 1 この規約の各締約国は、その領城内にあり、かつ、その管轄の下にあるすべての個人に対し、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしにこの規約において認められる権利を尊重し及び確保することを約束する。
 2 この規約の各締約国は、立法措置その他の措置がまだとられていない場合には、この規約において認められる権利を実現するために必要な立法措置その他の措置をとるため、自国の憲法上の手続及びこの規約の規定に従って必要な行動をとることを約束する。
 3 この規約の各締約国は、次のことを約束する。
 (a)この規約において認められる権利又は自由を侵害された者が、公的資格で行動する者によりその侵害が行われた場合にも、効果的な救済措置を受けることを確保すること。
 (b)救済措置を求める者の権利が権限のある司法上、行政上若しくは立法上の機関又は国の法制で定める他の権限のある機関によって決定されることを確保すること及び司法上の救済措置の可能性を発展させること。
 (c)救済措置が与えられる場合に権限のある機関によって執行されることを確保すること。
 第8条(奴隷・強制労働の禁止)
 1 何人も、奴隷の状態に置かれない。あらゆる形態の奴隷制度及び奴隷取引は、禁止する。
 2 何人も、隷属状態に置かれない。
 3(a)何人も、強制労働に服することを要求されない。
 (b)(a)の規定は、犯罪に対する刑罰として強制労働を伴う拘禁刑を科することができる国において、権限のある裁判所による刑罰の言渡しにより強制労働をさせることを禁止するものと解してはならない。
 (c)この3の規定の適用上、「強制労働」には、次のものを含まない。
  (1)作業又は役務であって、(b)の規定において言及されておらず、かつ、裁判所の合法的な命令によって抑留されている者又はその抑留を条件付きで免除されている者に通常要求されるもの
  (2)軍事的性質の役務及び、良心的兵役拒否が認められている国においては、良心的兵役拒否者が法律によって要求される国民的役務
  (3)社会の存立又は福祉を脅かす緊急事態又は災害の場合に要求される役務
  (4)市民としての通常の義務とされる作業又は役務

 <注2>
 『第5回日本定期報告に関する総括所見』(2008/10/30)から

 24.委員会は、「外国人研修・技術実習制度」の基で締約国に来る外国人が国内の労働法や社会保障から除外され、また有給休暇もない単純労働にしばし利用されて、法令最低賃金以下の研修手当を受け、割り増し賃金もなく超過労働を強いられており、雇用主から彼らのパスポートを頻繁に奪われていることに懸念している。(第8条、26条)
 締約国は、法令最低賃金を含む最低労働基準や外国人研修生及び実習生の社会保障に関する国内法による擁護を拡大し、これらの研修生や実習生を不当に使う雇用主に適正な罰則を科し、そして現行の制度を、低賃金労働者を補充するのではなく、研修生や実習生の権利を十分に保護し、技能向上に焦点を当てる新たな計画に置き換えるよう検討すべきである。
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