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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

競うように“不自由な”学校へと画一化が進んでいる都立高校

2017年10月03日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  =シリーズ「いま学校現場では」= (いまこそ)
 ◆ 自由な学校は絶滅危惧


 30年以上前、私が高校の教員になって驚いたこと、想定外だったことは、高校に頭髪に関する規定があって「頭髪検査」なるものがあったことだ。そんなことは個人の自由だと思っていた私にとってはびっくりだった。
 学校は、髪型や髪の色とは関係なく勉強を教えるところだと思っていた。今でもなぜこんなことを学校がやっているのかと思っている。
 (誤解のないように言っておくが、私は「強制」に疑問を持っているのであって、生徒に意見することを否定しているのではないし、ましてや進路の活動のときにも何も言わないというようなことではない。)
 学校の状況によっていろいろな事情や必要性があったのかもしれないが。

 こういう話になると教員の中でも意見が割れる。必要性を感じ重視する人、逆に学校がやることではない、やるべきではないと考える人。
 学校のあるべき姿に対する価値観が人それぞれなのだ。多様なのだ。生徒や都民も同じだ。
 かつては都立高校も多様性があった。
 髪の毛については自由である学校、また制服がない学校があった。一方、靴下の色まで決まっているような学校もあった。
 都民は学校を選ぶことができた。今はどうか。

 自由な学校はどんどんなくなり、競うように“不自由な”学校に変わっていっている。頭髪や服装について学校が厳しくすることを望む都民がいる一方、そういうことについては個人の自由の領域にしておいてほしいと願う都民もいる。
 かつて都民は選ぶことができた。しかし今は一方の学校ばかりになっていってしまい、都民の選択の余地を奪っているように思う。
 今、自由な学校は絶滅危惧である。

 ◆ 初任者研修はたいへんだ
 私の勤務校は教職員13人うち2人が初任者研修該当者であり、頻繁に研修の出張がある。授業時間にもかかってしまう。
 2人とも身分が安定しない期限付き任用だ。しかもそのうち一人は1年生の担任をしている。期限付任用で担任なのだ。ブラック企業のようだ。
 研究授業もあるのだが、その資料作りも大変だ。いろいろ意味がよくわからない項目が並んだあとに表があって授業の細かな予定が書いてある指導案というやつを作らされている。
 あの形式は都教委が教えているのか、もともとどこかにあった形式なのか詳しいことは知らないが、形式的すぎて時間の無駄が多く合理的とは思えないのは私だけだろうか。
 私は人生で一度も書いたことがない。そのほかにもいろいろ書類を作成させられるようだ。
 ◆ オリンピック・パラリンピック教育をしろと
 すべての教科でオリパラ教育をしろとか、各学校一つの国を決めて調べたり体験したりしろということも言われている。
 割り当て表があって自分の学校の属する欄から一つの国を選んで何かやれと言われている。
 学校はオリンピック委員会の下請け機関ではない全体の奉仕者だ。
  (土屋真一)

『いまこそ〔予防訴訟をひきつぐ会通信〕 14号』(2017年9月21日)

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