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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

市民の力で中学校道徳教科書の採択を民主的な手続・内容で実現

2019年03月11日 | こども危機
 ◆ がんばった武蔵村山の教科書採択へのとりくみ (教科書ネット)
板谷質重(いたやもとしげ・武蔵村山子どもの教育と文化を育てる会)

 ◆ 「安倍・教育再生」の実験場

 はじめに、当市の教育行政を「安倍・教育再生」の実験場として牛耳ってきた教育長M氏について書いておきます。
 横田基地に隣接した、保守的な武蔵村山市の教育長として07年に赴任し、次々と「教育再生の実験施策」を押しつけてきました。
  ① 2011年、育鵬社歴史・公民教科書を採択させようと15分の採択委員会休憩中に育鵬社教科書を含む中学校全教科書を秘密裏に提案、開会後採択
  ② 「日本がもっと好きになる」という育鵬社教科書宣伝パンフを、参考資料だといつわり全中学生に配布。(文科相は宣伝用教科書のパンフ等作成配布を禁止している)
  ③ 学校2学期制導入、文科省道徳教育推進校受け入れ。

  ④ 「礼儀作法パンフレット」「領土問題パンフレット」を全国に先駆け、作成・押しつけた。
  ⑤ 成績上位の子どもを集め学力アップと称し、塾講師による「特進教育」
 など挙げればきりが無いほどです。

 ◆ 私たちのとりくみ

 その都度、「育てる会(以下・会)」は市教委に抗議や要請を行い、毎年開催の「教育市民集会」のお誘いのチラシで、M氏の教育行政の異常さを訴えました。
 チラシは数年間で6・7種類、15万枚を、市内民主団体や・市・内外の労働組合、教職員組合・都退協などさまざまな応援をいただき、全戸配布、宣伝カーでも訴えました。
 ◆ 17年度の教科書採択会議

 17年度の小学校道徳教科書採択では、100名以上の傍聴希望者が集まりました(49名入室)。
 M教育長の無言の圧力で、各教育委員は緊張して教科書採択の意見表明をしました。
 M教育長を除くと「東書3教出2」となり、強力に教育出版を押していた司会のM教育長は、「教出が良い」と意見表明し、「総合的に判断し教育出版でよろしいか」とまとめ休憩、その後採択しました。
 それまで、静かに聞いていた傍聴者は「教育長横暴だろ。やり直せ」と怒りの声を挙げ、一時騒然となりました。
 会は、こんな横暴は許せないと抗議し,採択やり直し要請を市教委に提出、例会やニュースなどで、教育長の横暴を糾弾してきました。
 ◆ 18年度中学校道徳採択会議

 会は約2ヶ月に一度の例会毎に、教育問題(指導要領・道徳・育鵬社教科書等)で講師を呼び学習し、民主団体等にも展示会参加を呼びかけました。
 少しずつ教科書問題に関心を持つ市民が増え、教科書展示会参加者はのべ約100名になり、教育委員を動かす大きな力になったと思います。
 市長は、18年市長選を前にM教育長を新教育長に替え「横暴な教育長」の批判を避けました。
 このことは大きな変化をもたらしました。

 今年度も中学道徳教科書採択に先立ち、
  ①学校現場教員の意見の反映、
  ②教育委員の意見の尊重と同数意見の場合の配慮
  ③数的自己評価をしている教科書の採択の考慮等
 市教委に内容・手続き上などを改善・要望しました。

 各委員は子どもの立場で教科書を読み込み、光村3の他、あかつき、東書の意見表明となり、光村以外の委員にも再度意見を求め、全員納得の上で光村に決定しました。
 今回の採択会議では、手続き的、内容的に民主的な形で進められ、大きな変わりようでした。
 報告集会では、傍聴した市民から「教育委員がのびのびと意見を出していた」「雰囲気が明るくなった」「がんばってきて、よかった」という感想が寄せられました。
 この前進は「粘り強さ」「あきらめない姿勢」各種団体の熱い応援があったからだと思っています。
『子どもと教科書全国ネット21ニュース 124号』(2019.2)

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