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日本学術会議の軍事研究(防衛省予算)検討開始

2016年05月31日 | 平和憲法
 ◆ 「軍学共同を止めよう」
   ~学者2団体が声明
(週刊新社会)
永野厚男・教育ジャーナリスト


会見する名誉教授ら(4月25日、日本記者クラブ)撮影・筆者

 科学者が第二次世界大戦に協力した反省から、日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない」、67年も「軍事目的の科学研究は行わない」声明を出し、軍事研究を否定してきた。
 だが学術会議は5月20日、幹事会でこの見直しを検討する委員会設置を決定。
 きっかけは防衛省が15年7月、3億円の予算枠で大学の研究者など対象に「優れた提案」を募集し、審査・採択した研究に最大3000万円出す、「安全保障技術研究推進制度」の新設だ。
 防衛省は同年度、応募109件中の9件を採択し、今年度は予算を6億円に倍増。この応募締め切りを前に4月25日、大学の軍事研究反対署名を展開中の2団体が、日本記者クラブで会見した。
 「学生や市民と一緒になって、軍学共同を止めよう」と訴えた野田隆三郎・岡山大学名誉教授(79歳)は、次のように語った。
 ① 学術会議の大西隆会長(67歳)が学長を務める豊橋科学技術大学は、防毒マスクに転用できる研究で15年度、防衛省から475万円取得。
 ② 学者の良心の発露である冒頭の声明と①の矛盾を、大西氏は「戦争目的の軍事研究は不可だが、自衛は否定されない」と弁解。だが近代戦は皆、自衛の名で開戦した。
『週刊新社会』(2016年5月31日)

 【解説と追補】
 「安全保障技術研究推進制度」に関する防衛省のパンフレット(15年作成)は、「研究内容は基礎研究を想定」と記述している。
 だが4月25日の会見で、池内了・名古屋大名誉教授は、「基礎研究とあるのは見せかけ。狙いは軍事利用だ」と指摘。
 案の定、同パンフは「得られた成果」を、「民生分野で活用(委託先)」とする一方で、「将来装備に向けた研究開発で活用(防衛省)」と謳い、後者について「災害派遣」と同列に、「国の防衛」「国際平和協力活動」を明記している。
 なお池内さんは、特定秘密保護法下、研究成果を発表できなくなる危険性」にも言及した。
 また野田さんは、前記①②などの他、「15年度の応募が確認できた20大学のうち、18大学に対し3~4月、9016人の署名を添え、申入れ書を直接、持参する行動をしてきた」と述べた。
 新潟大学の赤井純治名誉教授は、軍事研究に動く背景の1つに、ここ12年間で国立大学への運営費交付金が1470億円(12%)も減っている現実があるのではないかと指摘。
 一方で、新潟大学が15年10月、「軍事への寄与を目的とする研究は行わない」旨、大学の科学者行動規範・行動指針に明記したことも報告した。
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