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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

百年かかってつくりあげた緑地帯、神宮の森を「開発」で破壊する非人間的事業

2022年02月16日 | 平和憲法
 ◆ 空に伸びる開発 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 畑を潰(つぶ)し海は破壊。農民や漁民を追い払って、茨城県の鹿島地域など広大な工場地帯があらわれた。「開発」は進歩を意味したが、犠牲者は農漁民だけでなく、公害として都市住民を襲った。
 青森県のむつ小川原開発や鹿児島県の志布志湾開発は幻に終わった。たかだか半世紀前の話だ。
 いま神宮の森が再開発され、千本近い樹木が伐採される計画が浮上した。樹齢百年以上たった広葉樹なども伐(き)り倒され六十六ヘクタールにも及ぶエリアで大工事がはじまる。温暖化が促進される。
 既に東京五輪のための国立競技場拡大により、高齢者など三百世帯が住む都営アパートが破壊された。
 高さ百九十メートル、百八十五メートル、八十メートルなどのオフィスやホテルなど巨大なビルが建設される。
 鹿島開発、むつ小川原開発で用地買収を手がけた三井不動産、それに商社の伊藤忠商事が中心だ。
 不動産会社や建設会社は、地方の工業化で広大な土地を掘り起こして儲(もう)けた。いまは都心の一等地に空を塞(ふさ)ぐ、コンクリートの塔をつくる。
 この虚大事業が、百年かかってつくりあげた広々として心洗う緑地帯を「開発」で破壊しようとする。
 不動産業と建設産業は「脱工業」と称して、緑の空間を無機質のコンクリートに変えて生き残ろうとする。
 リニアモーター建設、沖縄辺野古の軍事基地建設、六ケ所村の核再処理工場。
 非人間的事業だ。

『東京新聞』(2022年2月15日【本音のコラム】)

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