人々の肺の中に、非常に微細な黒い塵のような物質、日本政府は、この物質の存在と影響を認めていない。
始まった周辺の住民の方々の帰還、日本政府は事をあまりに急ぎ過ぎている。
福島第一原発の事故では、『緊急時対応策』なるものが全くの役立たずであったことが証明された。
▼ 人びとの健康・安全より、子供たちの未来より、金、カネを優先させた日本政府 (星の金貨プロジェクト)
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ / アルジャジーラ(3月27日)
今日は未だに収束を見ない福島第一原子力発電所の事故と、事故によって追いつめられ苦悩の続く避難民の方々の窮状について、フェアウィンズのチーフ・エンジニア・であるアーニー・ガンダーセン氏が、米国アルジャジーラとともに検証を行います。
※《動画》http://vimeo.com/90230286
【アルジャジーラ】:
それではガンダーセン氏とともにこの問題を考えていきましょう。
フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのチーフ・エンジニアを務めておられるガンダーセン氏には、フロリダ州タンパからライブで参加していただきます。
フェアウィンズはエネルギー全般に関するコンサルティング組織です。
ガンダーセン氏はかつて原子力発電を行っている企業の上級副社長の経験もお持ちです。
アーニー、今日はご参加いただき、ありがとうございます。
福島第一原子力発電所の事故が発生してすでに3年が経過してしまいましたが、あらためて周辺の惨状に目をやった時、この場所はいったいどうなるのでしょう、そして被災者の人々の将来には何が待っているのでしょうか?
全てのものが元通りになるまでには、いったいどれ程の時間がかかるのでしょうか?
【アーニー・ガンダーセン】
さて私の考えでは、福島第一原発から30キロ圏内の住民の方が元通りの形で戻ることは決してできません。
住民の方が携帯用の放射能の線量計を持ち歩いていることを確認できます。
しかし、この機器では放射線に関するすべての情報を正確に把握することはできません。
これまでの調査で人々の肺の中に、非常に微細な黒い塵のような物質が入り込んでしまっていることが確認されています。
しかし日本政府は、この物質の存在と影響を認めていません。
福島第一原発の周囲20キロ圏、30キロ圏のそれぞれの人々の身体の状況を確認することは非常に重要ですが、全容が明らかになるには数十年の歳月が必要になると思います。
【アルジャジーラ】:
これまで避難を続けていた福島第一原子力発電所周辺の住民の方々の帰還が始まっていますが、日本政府は事をあまりに急ぎ過ぎているとお感じですか?
【アーニー・ガンダーセン】
そう判断せざるを得ません。
日本政府も東京電力もこれ以上の避難生活が続くことによる経費の増大にばかり目が行き、避難民の方々はかつての居住地について避難命令が解除され、それと同時に補償金がカットされれば、戻らざるを得ないという状況にあります。
補償金を受け続けるためには、放射線の残るかつての居住地に戻る以外の選択肢はありません。
安全な場所に留まり続けれは補償金が打ち切られ、補償金を受け取るためには危険な場所に戻らなければなりません。
まさに行くも地獄帰るも地獄という言葉そのものの状況です。
故郷から遠く離れて暮らすことは辛いものですが、しかし放射線量の高い場所で生活することはさらに悪い状況に自らを追い込むことになります。
【アルジャジーラ】:
福島第一原発の事故について改めて考えてみて、世界中の原子力発電所は学ぶべきことを学んだと思われますか?
【アーニー・ガンダーセン】
福島第一原発の事故では教訓とすべきことが数多くありましたが、残念なことに教訓に基づく改革はそのほとんどが成し遂げられてはいません。
原子炉の冷却装置を止めてしまうほどの巨大な津波が、実際に発生しうることを私たちは身を持って体験しました。
しかしアメリカ国内にも、海岸沿いに原子力発電所が存在しています。しかしその発電所が津波対策を設備し終わるまでには10年という長い時間が必要です。
福島第一原発の事故では、原子力発電所が要していた『緊急時対応策』なるものが全くの役立たずであったことが証明されました。
ニューヨークからわずか20キロしか離れていないインディアンポイント原子力発電所はこれからも稼働を続けることになっており、私たちはこの発電所にも数多くの問題があることが解っていながら、その根本的解決は達成されてはいません。
【アルジャジーラ】:
しかし原子力発電所の問題をすべて洗い出し、それらに対し根本的な解決策を講じるためには莫大な費用がかかります。
必要な改革の中でとりわけ長い時間を必要とする問題、そして莫大な費用を要する改革について、経営とどのようにバランスを取ってくべきだとお考えですか?
【アーニー・ガンダーセン】
金銭の問題にとらわれている限り、私たちは福島第一原発の教訓を学んだという事にはならないと思います。
いくら金と時間がかかろうとも、これらの対策を施さなければ、国土国民の大切な部分が軒並み台無しにされる事態は起こりうるのです。
それはチェルノブイリで現実になり、そして現在はフクシマで悲劇が続いています。
私たちの玄関先でフクシマやチェルノブイリの悲劇が起きないようにするためには、どんなに高額になろうとその対策を取らないわけににはいかないのです。
【アルジャジーラ】:
それでは次に海洋汚染の問題についてお聞きします。福島第一原発から放出された放射性物質により、北半球の太平洋全域で魚貝類が汚染されているという報告がありますが、その脅威は現実のものなのでしょうか?だとしたら、どの程度の脅威が存在しているのでしょうか?
【アーニー・ガンダーセン】
そうですね、この太平洋岸に建てられた福島第一原発は、毎日太平洋に放射性物質を放出しています。毎日約400トンの汚染水が1,000日以上もの間、太平洋に流れ込み続けています。
流れ込んだ汚染水は莫大な水量の太平洋の中で薄められてきますが、最近なってアメリカ西海岸でも徐々に放射性物質が検出されるようになってきました。
私は現状に関して、太平洋岸の海で海水浴をしたり、海辺を散歩したりすることについては懸念する必要は無いと言ってきました。
しかし太平洋で獲れた魚介類については、州政府、あるいは連邦政府が放射性物質の量について広域にわたる調査を実施し、その結果を明確にしない限り、大きな懸念を抱き続けざるを得ません。
【アルジャジーラ】:
今日はフェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのアーニー・ガンダーセン氏にご出演いただきました。大切な時間を割いていただき、ありがとうございました。
【アーニー・ガンダーセン】
こちらこそ発言の機会を与えていただき、ありがとうございました。
http://fairewinds.org/arnie-gundersen-al-jazeera-discussing-fukushima-anniversary/
+ ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? +
私事で恐縮ですが、12日土曜日仙台でトヨタ・マスタープレイヤーズ室内管弦楽団のコンサートがあり、ベートーヴェンやリヒャルト・シュトラウス、ヨハン・シュトラウスなどの音楽を堪能しました。
同楽団はウィーン・フィルのメンバーが各パートの首席奏者に座り、そこにウィーン交響楽団、ウィーン・フォルクスオーパーからのメンバーが加わって編成されています。
この日のコンサートマスターはウィーン・フィルのコンサートマスターのフォルクハルト・シュトイデ氏で、ソリストとして元ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者のペーター・シュミードル氏が参加していました。
コンサートの開始前に3.11の犠牲者のために献奏が行われ、あのパブロ・カザルスの『鳥の歌』をメンバー全員で演奏しました。
今回の日本公演では仙台と岩手でのみ、この献奏が行われるようです。
もともとはスペインのカタルーニャ地方の民謡であった『鳥の歌』を、カザルスがスペイン内戦の犠牲者を悼んで編曲し、世界中で演奏したのは有名な話です。
演奏が始まって間もなく、演奏・音色の素晴らしさと3.11以降のこれまでの多くの思いが交錯し、私は涙が止まらなくなってしまいました。
やがて曲は、クロンマー、リヒャルト・シュトラウス、ベートーヴェンと移り、アンコールにヨハン・シュトラウスの『黄帝円舞曲』が演奏され、久しぶりに1分1秒が過ぎてゆくのが惜しいと感じる時間を過ごすことが出来ました。
特にヨハン・シュトラウスは自分の音楽体験の原点であり、ステージから2列目の席に家族とともに座っていた私は酔うような気持ちで演奏を堪能していました。
コンサートが終わった時、心の中で自分自身の3.11に初めて区切りがついたような気がしました。
しかし福島にとって、そして日本にとって、3.11は終わるどころか悪化している面さえあります。
この時代に生まれ合わせた人間として、できるだけの事をこれからしていかなければならない、あらためてその思いが強くなりました。
『星の金貨プロジェクト』(2014年4月15日 作成者: admin)
http://kobajun.chips.jp/?p=17681
始まった周辺の住民の方々の帰還、日本政府は事をあまりに急ぎ過ぎている。
福島第一原発の事故では、『緊急時対応策』なるものが全くの役立たずであったことが証明された。
▼ 人びとの健康・安全より、子供たちの未来より、金、カネを優先させた日本政府 (星の金貨プロジェクト)
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ / アルジャジーラ(3月27日)
今日は未だに収束を見ない福島第一原子力発電所の事故と、事故によって追いつめられ苦悩の続く避難民の方々の窮状について、フェアウィンズのチーフ・エンジニア・であるアーニー・ガンダーセン氏が、米国アルジャジーラとともに検証を行います。
※《動画》http://vimeo.com/90230286
【アルジャジーラ】:
それではガンダーセン氏とともにこの問題を考えていきましょう。
フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのチーフ・エンジニアを務めておられるガンダーセン氏には、フロリダ州タンパからライブで参加していただきます。
フェアウィンズはエネルギー全般に関するコンサルティング組織です。
ガンダーセン氏はかつて原子力発電を行っている企業の上級副社長の経験もお持ちです。
アーニー、今日はご参加いただき、ありがとうございます。
福島第一原子力発電所の事故が発生してすでに3年が経過してしまいましたが、あらためて周辺の惨状に目をやった時、この場所はいったいどうなるのでしょう、そして被災者の人々の将来には何が待っているのでしょうか?
全てのものが元通りになるまでには、いったいどれ程の時間がかかるのでしょうか?
【アーニー・ガンダーセン】
さて私の考えでは、福島第一原発から30キロ圏内の住民の方が元通りの形で戻ることは決してできません。
住民の方が携帯用の放射能の線量計を持ち歩いていることを確認できます。
しかし、この機器では放射線に関するすべての情報を正確に把握することはできません。
これまでの調査で人々の肺の中に、非常に微細な黒い塵のような物質が入り込んでしまっていることが確認されています。
しかし日本政府は、この物質の存在と影響を認めていません。
福島第一原発の周囲20キロ圏、30キロ圏のそれぞれの人々の身体の状況を確認することは非常に重要ですが、全容が明らかになるには数十年の歳月が必要になると思います。
【アルジャジーラ】:
これまで避難を続けていた福島第一原子力発電所周辺の住民の方々の帰還が始まっていますが、日本政府は事をあまりに急ぎ過ぎているとお感じですか?
【アーニー・ガンダーセン】
そう判断せざるを得ません。
日本政府も東京電力もこれ以上の避難生活が続くことによる経費の増大にばかり目が行き、避難民の方々はかつての居住地について避難命令が解除され、それと同時に補償金がカットされれば、戻らざるを得ないという状況にあります。
補償金を受け続けるためには、放射線の残るかつての居住地に戻る以外の選択肢はありません。
安全な場所に留まり続けれは補償金が打ち切られ、補償金を受け取るためには危険な場所に戻らなければなりません。
まさに行くも地獄帰るも地獄という言葉そのものの状況です。
故郷から遠く離れて暮らすことは辛いものですが、しかし放射線量の高い場所で生活することはさらに悪い状況に自らを追い込むことになります。
【アルジャジーラ】:
福島第一原発の事故について改めて考えてみて、世界中の原子力発電所は学ぶべきことを学んだと思われますか?
【アーニー・ガンダーセン】
福島第一原発の事故では教訓とすべきことが数多くありましたが、残念なことに教訓に基づく改革はそのほとんどが成し遂げられてはいません。
原子炉の冷却装置を止めてしまうほどの巨大な津波が、実際に発生しうることを私たちは身を持って体験しました。
しかしアメリカ国内にも、海岸沿いに原子力発電所が存在しています。しかしその発電所が津波対策を設備し終わるまでには10年という長い時間が必要です。
福島第一原発の事故では、原子力発電所が要していた『緊急時対応策』なるものが全くの役立たずであったことが証明されました。
ニューヨークからわずか20キロしか離れていないインディアンポイント原子力発電所はこれからも稼働を続けることになっており、私たちはこの発電所にも数多くの問題があることが解っていながら、その根本的解決は達成されてはいません。
【アルジャジーラ】:
しかし原子力発電所の問題をすべて洗い出し、それらに対し根本的な解決策を講じるためには莫大な費用がかかります。
必要な改革の中でとりわけ長い時間を必要とする問題、そして莫大な費用を要する改革について、経営とどのようにバランスを取ってくべきだとお考えですか?
【アーニー・ガンダーセン】
金銭の問題にとらわれている限り、私たちは福島第一原発の教訓を学んだという事にはならないと思います。
いくら金と時間がかかろうとも、これらの対策を施さなければ、国土国民の大切な部分が軒並み台無しにされる事態は起こりうるのです。
それはチェルノブイリで現実になり、そして現在はフクシマで悲劇が続いています。
私たちの玄関先でフクシマやチェルノブイリの悲劇が起きないようにするためには、どんなに高額になろうとその対策を取らないわけににはいかないのです。
【アルジャジーラ】:
それでは次に海洋汚染の問題についてお聞きします。福島第一原発から放出された放射性物質により、北半球の太平洋全域で魚貝類が汚染されているという報告がありますが、その脅威は現実のものなのでしょうか?だとしたら、どの程度の脅威が存在しているのでしょうか?
【アーニー・ガンダーセン】
そうですね、この太平洋岸に建てられた福島第一原発は、毎日太平洋に放射性物質を放出しています。毎日約400トンの汚染水が1,000日以上もの間、太平洋に流れ込み続けています。
流れ込んだ汚染水は莫大な水量の太平洋の中で薄められてきますが、最近なってアメリカ西海岸でも徐々に放射性物質が検出されるようになってきました。
私は現状に関して、太平洋岸の海で海水浴をしたり、海辺を散歩したりすることについては懸念する必要は無いと言ってきました。
しかし太平洋で獲れた魚介類については、州政府、あるいは連邦政府が放射性物質の量について広域にわたる調査を実施し、その結果を明確にしない限り、大きな懸念を抱き続けざるを得ません。
【アルジャジーラ】:
今日はフェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのアーニー・ガンダーセン氏にご出演いただきました。大切な時間を割いていただき、ありがとうございました。
【アーニー・ガンダーセン】
こちらこそ発言の機会を与えていただき、ありがとうございました。
http://fairewinds.org/arnie-gundersen-al-jazeera-discussing-fukushima-anniversary/
+ ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? +
私事で恐縮ですが、12日土曜日仙台でトヨタ・マスタープレイヤーズ室内管弦楽団のコンサートがあり、ベートーヴェンやリヒャルト・シュトラウス、ヨハン・シュトラウスなどの音楽を堪能しました。
同楽団はウィーン・フィルのメンバーが各パートの首席奏者に座り、そこにウィーン交響楽団、ウィーン・フォルクスオーパーからのメンバーが加わって編成されています。
この日のコンサートマスターはウィーン・フィルのコンサートマスターのフォルクハルト・シュトイデ氏で、ソリストとして元ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者のペーター・シュミードル氏が参加していました。
コンサートの開始前に3.11の犠牲者のために献奏が行われ、あのパブロ・カザルスの『鳥の歌』をメンバー全員で演奏しました。
今回の日本公演では仙台と岩手でのみ、この献奏が行われるようです。
もともとはスペインのカタルーニャ地方の民謡であった『鳥の歌』を、カザルスがスペイン内戦の犠牲者を悼んで編曲し、世界中で演奏したのは有名な話です。
演奏が始まって間もなく、演奏・音色の素晴らしさと3.11以降のこれまでの多くの思いが交錯し、私は涙が止まらなくなってしまいました。
やがて曲は、クロンマー、リヒャルト・シュトラウス、ベートーヴェンと移り、アンコールにヨハン・シュトラウスの『黄帝円舞曲』が演奏され、久しぶりに1分1秒が過ぎてゆくのが惜しいと感じる時間を過ごすことが出来ました。
特にヨハン・シュトラウスは自分の音楽体験の原点であり、ステージから2列目の席に家族とともに座っていた私は酔うような気持ちで演奏を堪能していました。
コンサートが終わった時、心の中で自分自身の3.11に初めて区切りがついたような気がしました。
しかし福島にとって、そして日本にとって、3.11は終わるどころか悪化している面さえあります。
この時代に生まれ合わせた人間として、できるだけの事をこれからしていかなければならない、あらためてその思いが強くなりました。
『星の金貨プロジェクト』(2014年4月15日 作成者: admin)
http://kobajun.chips.jp/?p=17681
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