☆ 4.23武蔵野五輪弾圧 控訴審突入決起集会(『立川テント村通信』)
武蔵野五輪弾圧は控訴審闘争に入った。しかし公判日程がまだ決まらず、七月または九月という予想だ。そんな状況だが、四月二三日には武蔵野小劇場ホールで救援会主催の決起集会が開かれ、五〇名ほどが参加した。
刑法学者の宮本弘典さんの興味深い講演などを中心に、バラエティに富んだ集会が行われた。司会からまず弾圧発生~一審裁判の経過が報告され、その後講演になった。
☆ 宮本さんの講演
講演と言っても宮本弘典さんの書いた意見書は量が多く内容も難解だ。そこでこの日は救援会の井上さんと宮本さんが対談するように質疑応答を行い、かいつまんでこの事件と刑法そのものの持つ問題点を解説するという形をとった。
演題は「あんたを業務妨害で逮捕する!?-反政治的な政治弾圧について」である。以下はその質疑応答の概略。
この裁判で無罪を勝ち取るのは針の穴にラクダを通すより難しいだろう。しかしこの事件も立川反戦ビラ事件同様、起訴すること自体がおかしいのだ。
刑法の持つイメージを変えていく必要がある。司法試験の問題なんて実は思想統制を行う内容のようになっている。
過去には魔女狩り裁判というものがあった。
一番有名なものはジャンヌ・ダルクの裁判だ。当時は「魔女だ」とたれ込めば簡単に誰でも裁くことができた。
そこで近代国家では刑法を世俗化・合理化・人道化していった。
社会にいろいろな衝突が起きたとき刑法をすぐ出すのはやめようという近代国家の約束事がある。つまり国家の暴力は抑制されるべきだという考え方だ。
罪刑法定主義(立法府であらかじめ何が犯罪になりどういう刑罰を与えるか定めるという近代憲法の原則)が今は定められているが、議会を通した立法でも様々な問題が起きた。
治安維持法がいい例で市民的な自由は守られず抑圧された。議会が法律を作っても罪刑法定主義の実質的内容は守られないことがある。
この裁判の罪名の威力業務妨害も非常に曖昧な概念である。
爆竹がダメだというのなら、トラメガを使った情宣もうるさいからダメだとなりかねない。
そうなるとそもそも「オリンピックに反対する市民は真っ当な市民ではない」という思想統制になってしまう。市民社会の萎縮を招くだろうーー
☆ 控訴審に勝利しよう
簡単に言えば自由の抑圧につながることがあるから、刑法適用は最大限慎重であるべきという考え方である。
時間がなくて質疑はなかった。その後オリンピック反対運動をやるイケガミアツコさんから五輪談合問題のお話があった。
連帯のアピールや弁護団の報告、被告の黒岩さんの決意表明、シュプレヒコールで集会終了。
談合問題では何人もの逮捕が出ているが札幌五輪招致の動きが今もある。五輪と国家の思想統制を問う本裁判へのご支援・ご注目をテント村からもお願いする。
『立川テント村通信』(2023年5月1日)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます