《週刊新社会【道しるべ】》
☆ 「三文書」の危険な想定
改定「安保三文書」の3割は既成事実化され、3割は具体化が着手されている。
それは、沖縄・南西諸島の事態が示している。あからさまな戦争準備が住民を脅かしており、悲痛な声があがっている。
☆ 司令部を地下化へ
昨年末、陸上自衛隊と海上自衛隊の4施設で司令部の地下化を2028年度までに進める計画が報じられた。
『読売新聞』12月31日付は、陸自の那覇駐屯地(沖縄県)と与那国駐屯地(同)、健軍駐屯地(熊本県)、海自の舞鶴地方総監部(京都府)で、「攻撃を受けた際でも機能を維持させる必要があると判断した」と報じている。
健軍や舞鶴など本土も危険だが、深刻なのは沖縄だ。
与那国島と石垣島では、平時は自衛隊が訓練に使い、有事に住民避難できるシェルター施設の整備を検討とも報じられた。
『読売』(1・10)は、沖縄県にいる米海兵隊を2025年度までに改編し、離島有事に即応する「海兵沿岸連隊(MLR)」を創設すると報じた。長射程の対艦ミサイルや防空機能を備える。
☆ 南西諸島で接近戦
一方、『日経』(1・4)によれば、陸自は全国の師団、旅団を南西諸島にも展開可能な部隊に改編する。特に那覇の第15旅団を師団(4900~7700人)に格上げして増強し、弾薬などを集積する陸自補給拠点を沖縄市に新設という。
MLRと陸自が一体になって、南西諸島で地上戦を戦う体制がつくられること
になる。
『沖縄タイムス』が昨年末に実施した沖縄県自治体首長へのアンケートでは、「台湾有事への懸念がある」とする回答が95%。7割が「再び戦場になる」と危機感を示し、政府の外交努力が「不十分」としたのは8割に上った。
市町村長の大部分は保守系で、7割が南西諸島の軍備強化を「必要」としたが、戦争の危険性への認識は切実だ。
☆ 行動するしかない
『琉球新報』社説(12・27)は、次のように訴える。
「南西諸島は『有事』となれば戦場になる。…住民として、沖縄戦の再来は断固拒否する。…抑止力とは『威嚇力』だ。威嚇合戦には際限がない。偶発的に戦闘が起きることがある。あるいは何らかの理由で『抑止』が破れる。そうして戦争は起き、起きたら地獄なのである。…米国は、日本を巻き込んで台湾や南西諸島での戦争を準備している。沖縄県民が受け入れられるはずがない。…沖縄戦の再来を食い止めるために今、行動するしかない」
『週刊新社会』(2023年1月25日)
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