《立川テント村通信から》
☆ 朝雲レポート(2/1~3/14)
★ 国会で審議中の「大軍拡」防衛予算。2年前は年5・4兆だったのが、来年度の要求額は8兆円!27年度には10.8兆円まで達する予定だ。『朝雲』も「防衛費12年連続増」の大見出しでアガる。
・一番の目玉は、敵基地攻撃を担う「スタンド・オフ兵器」の大導入。地上発射、海上発射、空中発射を組み合わせたミサイル(トマホーク含む)の大幅な導入。それを支える人工衛星などの充実化である。
・組織替えでは陸・海・空を平時から一体運用する「統合作戦司令部」がついに発足。
木原防衛大臣は、「防衛省の取組について国民に丁寧な説明を心がけるよう幹部らに指示」したという。最近立川基地の自衛官が丁寧に質問に答えてくれるのも、水膨れした富者の余裕?(2/1号など)
★ その大軍拡予算だが、よく見ると「舞駄使い」も多そうだ。
「共通戦術装輸車」は、8輪の装甲車両に武装をつけた国産新型兵器だが、なんと一両10億円もする。「24両240億円」と書かれると桁が大きくて分からなくなるが、普通に考えて車両に10億は高すぎないか?(2/15号)
★ 兵器がどれだけ充実しても結局は兵数不足が最大のネック。軍拡予算の一部も「人の確保」に使われる。
・サイバー戦対策の即戦力人材を統幕長と同程度の給与(年収2450万円!)で民間から雇う新制度を25年度から開始。この待遇は本気度を感じる。
・民間の人材会社などの経験者を「キャリア採用幹部」として獲得。転職市場へのアプローチと職安の活用を強化するという。(2/1号)
★ 新入隊員は男性は丸刈り、女性はショートが強制されてきたが、男性は「スポーツ刈り」、女性は「まとめればOK」に緩和する。これが、【自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会】で真面日に議論されている。(2/1号)
★コラム「朝雲寸言」は、社会の自衛隊への視線の変化を捉える。「かつては自衛官が制服姿で通勤するだけで難癖をつける向きも。だが、陸自出身の芸人やす子さんは迷彩服姿の愛されキャラが定着」「NHKのど自慢では迷彩服姿の女性自衛官に温かい拍手噂こみ上げるものがあった」
どれだけ人気があるように見えても、実際に入る・子どもが入る、となったら大違いだろう。民衆の目線もそう単純ではない。(2/15号)
★ もう一つ「朝雲寸言」から、自衛官退職後についての【提言】を紹介したい。
「30年で東京都の有事への備えは大きく改善。自衛隊出身の危機管理監が側近として知事を支え、都庁の組織文化を有事向きに変えた」
「自治体規模に応じて複数名の元自衛官が職員となり、チームとして有事対応力を高めるのが理想的だ」
「ウクライナの復興を今後支える日本企業は、鍛え抜かれた元自衛官の新たな再就職先になるだろう。」
自治体からウクライナ復興まで。「退職後も税金で安心の自衛隊にようこそ!」というところだろうか。(3/7号)
★ 2月19日、政府委員会「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」が初会合。
大軍拡予算、さらにはその先も見据える。座長は元経団連の榊原定征(東レ出身)、気になる委員としては、落合陽一(結局何の人?)、小西美穂(元日テレキャスター)の名前も。
冒頭会長が、「今まさに安全保障を経済成長とリンクさせる歴史的転換点」とあいさつ。「昨今のインフレを考えると5年43兆円で足りるのか見直す必要もある」と物騒な発言が続く。(3/14号)
★ 「裁器輸出で儲けよう!」ということを最近の政府は隠しもしない。
昨年12日へ戦後初め「国産完成装備品」が輸出された。売ったのは三菱製の管制レーダー。売った先はフィリピン。売却額は4セットで1億ドル。
「イチから日本で作った兵器を輸出する」という試みは、こうしてひっそりと始まったようだ。(2/22号)
★ 幹部自衛官OB、旧軍幹部OBで組織される「睦修偕行社」が4月に発足。初代会長は74年入隊で、東日本大震災のときの陸上幕僚長・火箱(ひばこ)芳文。
火箱会長「旧陸軍と陸自に直接のつながりはないが、我々世代は旧軍出身の教官から戦術や考え方を学んだ。英霊を敬い、旧軍から受け継いだ伝統を後輩につないでいきたい」
民主国家軍になりきれぬ限界ごここにも。(3/14号)
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