◆ <報告>2016年五輪誘致用の学習読本は2020年五輪用よりもはるかにましです
皆さま 高嶋伸欣です。
先日のメールでとりあえずの情報をお知らせした都教委他が共同で作製した「2016年五輪誘致」用学習読本について、その小学校用だけでなく、中学校用と高校用それぞれの現物を杉並区立図書館で、ようやく見つけ出しました。
どれもA4版55ページ、フルカラーです。「2020年五輪」用学習読本と異なるのは、「誘致」用の場合、都内の小中高校に希望の有無を聞いて、申込みのあった学校にだけ配布したということです。
このため、「誘致」版の存在そのものが学校関係者、それも配布を希望した学校の教員や児童・生徒以外にはほとんど知られず、ましてその内容の詳細についてはほとんど分からないままだったのは当然だったことになります。
そこで改めて「誘致」版の内容を具体的に見てみました。
すると、中学用と高校用も、先の小学校用と同様に、
さらに同じページで次のように、選手団は「国単位でなく」として「NOC」の管轄範囲(カントリー)を単位にして編成されていることを、明示しています。
この点でも、「2020年」用が、「国」の表記を多用し、五輪では「国旗」以外は使用されない、あるいは「国旗」出ない旗を使用するのは特例であるかのように、児童・生徒に思い込ませるようにしているのとは明らかに異なります。
なぜ「2016年招致」版と「2020年」版では、このような差が生じたのでしょうか?
前者は、都教委の名が発行者・著作者のところになく、発行者は「東京都・日本オリンピック委員会・特定非営利活動法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会」です。
執筆者・同協力者に都教委職員の名もありません。
後者は、「編集・発行」に「東京都教育長指導部指導企画課」が単独で当たり、同書編集委員会の委員長は指導部推進担当部長、副委員長は指導部教育計画担当課長、教育庁内の実務担当では指導部の課長2人、課長代理1人、指導主事3人の名が並んでいます。
「2020年」版は「日の丸・君が代」を強制している都教委(教育庁)指導部の「私家版五輪(歪曲)読本」です。
都教委独自で作成した「2020年」版よりはるかにIOC憲章に忠実な内容になっている「誘致」版を、都教委は学習教材として都内の学校に配布していたのです。
両教材を比較することによって「2020年」版の内容の不当性はさらに鮮明なものとなります。
そうした問題点を指摘できる「誘致」版の存在を知る機会を、私たち原告はこれまで持つことができませんでした。
(以下略)
皆さま 高嶋伸欣です。
先日のメールでとりあえずの情報をお知らせした都教委他が共同で作製した「2016年五輪誘致」用学習読本について、その小学校用だけでなく、中学校用と高校用それぞれの現物を杉並区立図書館で、ようやく見つけ出しました。
どれもA4版55ページ、フルカラーです。「2020年五輪」用学習読本と異なるのは、「誘致」用の場合、都内の小中高校に希望の有無を聞いて、申込みのあった学校にだけ配布したということです。
このため、「誘致」版の存在そのものが学校関係者、それも配布を希望した学校の教員や児童・生徒以外にはほとんど知られず、ましてその内容の詳細についてはほとんど分からないままだったのは当然だったことになります。
そこで改めて「誘致」版の内容を具体的に見てみました。
すると、中学用と高校用も、先の小学校用と同様に、
「オリンピックの開会式の入場行進や、表彰式での国旗の掲揚など(注)を見ると、国別に競っているように見えます。しかし、オリンピックは、国家間の競争ではありません。<注・国内・地域オリンピック委員会が定めた旗や歌を使用することになっている>」「国旗」という言葉を使っていますが、すかさず(注)で、厳密には「国旗」でなく「NOC旗」であることを示しています。この(注)が「2020年」版にはありません。
と明記しています(高校用)。
さらに同じページで次のように、選手団は「国単位でなく」として「NOC」の管轄範囲(カントリー)を単位にして編成されていることを、明示しています。
「オリンピックに参加するのは、国単位ではなく、それぞれの国・地域にある国内・地域オリンピック委員会(NOC)単位です。国として国連に加盟していなくても、IOCがその地域のオリンピック委員会を認めれば、オリンピックに参加することができます。このため、オリンピックに参加する『国および地域』の数が、国連の加盟国数(注・国連の加盟国数は192か国、2008年3月現在)より多くなります。」また、中学用・高校用とも「国旗」という表現は上記の引用部分にあるだけで、他のところでは「国および地域」「国・地域」としています。
この点でも、「2020年」用が、「国」の表記を多用し、五輪では「国旗」以外は使用されない、あるいは「国旗」出ない旗を使用するのは特例であるかのように、児童・生徒に思い込ませるようにしているのとは明らかに異なります。
なぜ「2016年招致」版と「2020年」版では、このような差が生じたのでしょうか?
前者は、都教委の名が発行者・著作者のところになく、発行者は「東京都・日本オリンピック委員会・特定非営利活動法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会」です。
執筆者・同協力者に都教委職員の名もありません。
後者は、「編集・発行」に「東京都教育長指導部指導企画課」が単独で当たり、同書編集委員会の委員長は指導部推進担当部長、副委員長は指導部教育計画担当課長、教育庁内の実務担当では指導部の課長2人、課長代理1人、指導主事3人の名が並んでいます。
「2020年」版は「日の丸・君が代」を強制している都教委(教育庁)指導部の「私家版五輪(歪曲)読本」です。
都教委独自で作成した「2020年」版よりはるかにIOC憲章に忠実な内容になっている「誘致」版を、都教委は学習教材として都内の学校に配布していたのです。
両教材を比較することによって「2020年」版の内容の不当性はさらに鮮明なものとなります。
そうした問題点を指摘できる「誘致」版の存在を知る機会を、私たち原告はこれまで持つことができませんでした。
(以下略)
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