◆ 《Change.org》 菅首相に日本学術会議会員任命拒否の撤回を求めます!
発信者:菅首相に日本学術会議会員任命拒否の撤回を求めます!
宛先:菅義偉 (内閣総理大臣)
10月1日、菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議が新会員に推薦した105人のうち、人文・社会系の6名を任命しませんでした。これは、前例のない、学問の自由と独立に対する侵害であり、ひいては社会に計り知れない損害をもたらしかねません。我々は、菅首相に対し、この措置の撤回、すなわち、被推薦者全員の任命を強く求めます。
任命されなかったのは、以下の6人の研究者です。
宇野重規 東京大社会科学研究所教授 (政治思想史)
岡田正則 早稲田大大学院法務研究科 (行政法)
小沢隆一 東京慈恵会医科大教授 (憲法学)
加藤陽子 東京大大学院人文社会系研究科教授 (日本近現代史)
松宮孝明 立命館大大学院法務研究科教授 (刑事法)
芦名定道 京都大学大学院文学研究科教授 (キリスト教学)
今回任命を拒否された6名は、いずれも、政治学、法学、歴史学、宗教学など、思想信条の自由、人権の尊重に深く関わる研究分野の研究者であり、こうした分野に関して政府が介入したことは今回の問題の深刻さを示しています。しかも、政府は当事者にさえ拒否した理由を示していません。
政府が推薦を拒否するという事態は、1949年に日本学術会議法により日本学術会議が設置されて以来初めてであり、今後に悪例を残す、大変な問題です。
日本学術会議は、「行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として」、1949年1月、内閣総理大臣の所轄でありながら政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。
日本の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関で、210人の会員と約2000人の連携会員によって、「政府に対する政策提言」、「国際的な活動」、「科学者間ネットワークの構築」、「科学の役割についての世論啓発」などの役割を担っています(日本学術会議ホームページ「日本学術会議とは」http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html
つまり、日本学術会議は、学術振興のため、政府が学問研究の自由を尊重しつつ、学問研究の振興と普及を支援していく仕組みです。
その会員選出方法は、1983年改正の日本学術会議法第7条第2項に「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とあるように、会の推薦に基づいて総理大臣が任命することになっています。
この条文について、政府(丹羽兵助国務大臣・総理府総務長官)はこのように説明しています。
内閣総理大臣による会員の任命行為というものはあくまでも形式的なものでございまして、会員の任命に当たりましては、学協会等における自主的な選出結果を十分尊重し、推薦された者をそのまま会員として任命するということにしております。(1983年11月24日、第100回国会、参議院文教委員会)
同法の第17条は2004年に改正され、「日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦する」となっています。
この改正案可決の際、参議院文教委員会は、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による付帯決議も可決しました。その第一項では、政府に、「日本学術会議が我が国の科学者の内外に対する代表機関として独立性を保つ〔略〕よう努めること」と、会の独立性維持を求めています。これに対し、政府(茂木敏充内閣府特命大臣)は、「十分その趣旨を尊重し、努力してまいります」と答弁しています(2004年4月6日、第159回国会、参議院文教委員会)。
会員の任命に政府が介入した今回の事態は、「学協会等における自主的な選出結果を十分尊重」していない点で、これまでの政府見解をくつがえすものであり、日本学術会議の独立性の維持を求める国会の意思にも反します。
そもそも、日本学術会議がその使命を果すには、その構成員が学問的・思想的に多様であることが不可欠です。内部でできるだけ多様な意見を闘わさない限り、喫緊の問題であろうと、長期問題であろうと、よく練上げられた豊かで有効な提言はできません。この点で、一部の研究者を排除し、意見の範囲を限定することは、学術会議本来のあり方を著しく損い、国民に対する義務を果すことを不可能にします。
時の政権の意思に適うかということと、学問的な適格性はイコールではありません。時の政見に批判的な学問的見解が、長期的にはかえって国家・国民・国際社会のためになることも十分にありえるのです。
1935年、美濃部達吉の憲法学説(天皇機関説)が問題化し、否定されましたが、それがその後の軍部の暴走を助長したことは既によく知られている通りです。
1937年、植民学者矢内原忠雄は時の日中戦争を批判して職を追われましたが、彼の見識が正しかったことはその後の歴史が証明しました。
天皇の起源や皇統をめぐる歴史研究に関しても、1892年には久米邦武、1911年には喜田貞吉、1939年には津田左右吉らが筆禍を蒙り、以後の学問研究の自由や国民の知る権利を著しく制約しました。
こうした歴史を振り返るとき、今回の事態を座視することはできません。今回の政府の措置の撤回にむけて、署名運動に一人でも多くの皆さんの賛同をお願いします。
〈呼びかけ人〉
『Change.org』
http://chng.it/7WCTMSdLMK
発信者:菅首相に日本学術会議会員任命拒否の撤回を求めます!
宛先:菅義偉 (内閣総理大臣)
10月1日、菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議が新会員に推薦した105人のうち、人文・社会系の6名を任命しませんでした。これは、前例のない、学問の自由と独立に対する侵害であり、ひいては社会に計り知れない損害をもたらしかねません。我々は、菅首相に対し、この措置の撤回、すなわち、被推薦者全員の任命を強く求めます。
任命されなかったのは、以下の6人の研究者です。
宇野重規 東京大社会科学研究所教授 (政治思想史)
岡田正則 早稲田大大学院法務研究科 (行政法)
小沢隆一 東京慈恵会医科大教授 (憲法学)
加藤陽子 東京大大学院人文社会系研究科教授 (日本近現代史)
松宮孝明 立命館大大学院法務研究科教授 (刑事法)
芦名定道 京都大学大学院文学研究科教授 (キリスト教学)
今回任命を拒否された6名は、いずれも、政治学、法学、歴史学、宗教学など、思想信条の自由、人権の尊重に深く関わる研究分野の研究者であり、こうした分野に関して政府が介入したことは今回の問題の深刻さを示しています。しかも、政府は当事者にさえ拒否した理由を示していません。
政府が推薦を拒否するという事態は、1949年に日本学術会議法により日本学術会議が設置されて以来初めてであり、今後に悪例を残す、大変な問題です。
日本学術会議は、「行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として」、1949年1月、内閣総理大臣の所轄でありながら政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。
日本の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関で、210人の会員と約2000人の連携会員によって、「政府に対する政策提言」、「国際的な活動」、「科学者間ネットワークの構築」、「科学の役割についての世論啓発」などの役割を担っています(日本学術会議ホームページ「日本学術会議とは」http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html
つまり、日本学術会議は、学術振興のため、政府が学問研究の自由を尊重しつつ、学問研究の振興と普及を支援していく仕組みです。
その会員選出方法は、1983年改正の日本学術会議法第7条第2項に「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とあるように、会の推薦に基づいて総理大臣が任命することになっています。
この条文について、政府(丹羽兵助国務大臣・総理府総務長官)はこのように説明しています。
内閣総理大臣による会員の任命行為というものはあくまでも形式的なものでございまして、会員の任命に当たりましては、学協会等における自主的な選出結果を十分尊重し、推薦された者をそのまま会員として任命するということにしております。(1983年11月24日、第100回国会、参議院文教委員会)
同法の第17条は2004年に改正され、「日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦する」となっています。
この改正案可決の際、参議院文教委員会は、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による付帯決議も可決しました。その第一項では、政府に、「日本学術会議が我が国の科学者の内外に対する代表機関として独立性を保つ〔略〕よう努めること」と、会の独立性維持を求めています。これに対し、政府(茂木敏充内閣府特命大臣)は、「十分その趣旨を尊重し、努力してまいります」と答弁しています(2004年4月6日、第159回国会、参議院文教委員会)。
会員の任命に政府が介入した今回の事態は、「学協会等における自主的な選出結果を十分尊重」していない点で、これまでの政府見解をくつがえすものであり、日本学術会議の独立性の維持を求める国会の意思にも反します。
そもそも、日本学術会議がその使命を果すには、その構成員が学問的・思想的に多様であることが不可欠です。内部でできるだけ多様な意見を闘わさない限り、喫緊の問題であろうと、長期問題であろうと、よく練上げられた豊かで有効な提言はできません。この点で、一部の研究者を排除し、意見の範囲を限定することは、学術会議本来のあり方を著しく損い、国民に対する義務を果すことを不可能にします。
時の政権の意思に適うかということと、学問的な適格性はイコールではありません。時の政見に批判的な学問的見解が、長期的にはかえって国家・国民・国際社会のためになることも十分にありえるのです。
1935年、美濃部達吉の憲法学説(天皇機関説)が問題化し、否定されましたが、それがその後の軍部の暴走を助長したことは既によく知られている通りです。
1937年、植民学者矢内原忠雄は時の日中戦争を批判して職を追われましたが、彼の見識が正しかったことはその後の歴史が証明しました。
天皇の起源や皇統をめぐる歴史研究に関しても、1892年には久米邦武、1911年には喜田貞吉、1939年には津田左右吉らが筆禍を蒙り、以後の学問研究の自由や国民の知る権利を著しく制約しました。
こうした歴史を振り返るとき、今回の事態を座視することはできません。今回の政府の措置の撤回にむけて、署名運動に一人でも多くの皆さんの賛同をお願いします。
〈呼びかけ人〉
鈴木 淳 /東京大学大学院人文社会系教授〈賛同人〉(呼びかけ人確認順)
古川 隆久 /日本大学文理学部教授
有山輝雄 /元東京経済大学コミュニケーション学部教授
三谷博 /東京大学名誉教授・跡見学園女子大学特任教授
吉田裕 /一橋大学名誉教授
中村尚史 /東京大学社会科学研究所教授
佐藤健二 /東京大学大学院人文社会系研究科教授
納富信留 /東京大学大学院人文社会系研究科教授
藤原辰史 /京都大学人文科学研究所准教授
熊野純彦 /東京大学副学長 附属図書館長
保谷徹 /東京大学史料編纂所長 同教授
本郷和人 /東京大学史料編纂所教授
吉見直人 /ジャーナリスト
河西秀哉 /名古屋大学准教授
吉田浩一 /出版社社員
冨永 望 /歴史研究者
浜田晋介 /日本大学文理学部教授
源川真希 /東京都立大学人文社会学部教授
北城玲奈 /出版社社員
茶谷誠一 /志學館大学教授
福島幸宏 /東京大学大学院情報学環特任准教授
瀬畑 源 /龍谷大学准教授
根津朝彦 /立命館大学産業社会学部准教授
三宅明正 /千葉大学名誉教授
及川英二郎 /東京学芸大学教育学部教授
『Change.org』
http://chng.it/7WCTMSdLMK
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