=ガサシリーズ 心がまえ399 (月刊救援)=
☆ REVOLUTION+1
足立正生監督!
凄い題名の映画だ。日本語でいえば「革命プラスワン」なんだもんね。
そう、昨年七月の安倍襲撃事件の後、九月の国葬にぶつけて上映するという足立正生監督ならではの映画。
選挙で自民党ずる勝ちしちやうし、国葬は勝手に閣決定されるは弔問外交。そんななかで芸術で対峙したのだ。あっぱれ。
監督はQ運営委員だけど、九七年からレバノンの監獄に三年いたひとでもあるのよ★。
映画パンフレットを読んだら笑っちゃった。大車輪で創るさま。まるで脅迫まがい、プロデューサーに五百万円を出捐させるくだり。
そして撮影監督には「お前の家を見せろ。庭を使わせろ。部屋も使わせろ。」ということで雑草が茂った庭は改造銃を試射する「山の中」となる。
二階は改造銃を作る部屋となる。
近所の工場倉庫には留置場のセットを組み、その二階の事務所は実家になったり病室になったり、低予算映画は応用力と妥協力がモノを言う(爆笑)。
チラシに「ボクは星になれるのか」とある。なんだろうと思っていたら、オリオンの三ツ星。リッダ闘争の安田さんと山上父さんは京大の同級生で麻雀仲間だったんだって。
週刊文春の一行の記事から、脚本は膨らむんだ。へええ。
自殺した父さんが書いてた日記を山上さんが読んだら、という想像力。なるほど。
そして宗教二世の若い女との会話。身近に感じる。さらに革命二世の若くない女との会話。
最後の頃、妹が面会に行く姿に希望を見る。
昭和維新顕彰財団というのは何だか右塊だとしか思えない集団だが、その顧問が本作を激誉めしているぞ。
主演は、タモト清嵐。逃げる役者が多いなか、よくぞ、びびらず出演してくれた。拍手。
音楽は大友良英。そういえば〇七年の「幽閉者テロリスト」、十六年の「断食芸人」も彼の音楽だわ。
パンフの最後に、自主上映会の案内が載っている。
映画館での上映が終了した地域、上映が行われない地域での開催を望む。
★「塀の中の千夜一夜 アラブ獄中記」足立正生 愛育社
ガサ子ちゃん倶楽部
プログ「千恵子@詠む」
大山千恵子
『月刊救援 649号』(2023年5月10日【ガサシリーズ】)
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