☆ 元教諭の分限免職取り消し
京都市教委「指導力不足」処分で地裁判決
指導力不足などを理由とした分限免職処分は事実に反して不当だとして、京都市立小学校の元教諭の男性(34)が、市教育委員会に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。中村隆次裁判長は「(男性は)適格性が欠如しているとは言えない上、管理職らの評価の合理性も疑わしく、処分は違法」として処分取り消しを命じた。弁護団によると、指導力不足を理由とした分限免職処分の取り消しを命じた判決は全国で初めてという。
判決によると、男性は2004年4月に京都市教委に期間1年の条件付きで採用され、市内の小学校に赴任した。学級崩壊などを理由に依願退職するように迫られたが、応じず、05年3月に分限免職処分を受けた。
判決は、市教委が処分理由として挙げた35項目について個別に検討した。
宿題の確認が不適切▽打ち合わせに反した授業の実施-など10項目は「事実自体が認められない」と指摘した。
児童の訴えを放置した▽トラブルに単独で対応できなかった-など12項目については「事実はあっても不適切とは言えず、教員としての能力に影響しない」と判断した。
学習指導の不十分▽学級崩壊-など13項目について、中村裁判長は「学習指導や安全指導に不十分な面はあった」としつつ、「学校の新任教員への支援体制が十分ではなく、簡単に改善できない資質や能力とも言えない。管理職らの評価も客観的資料による裏付けを欠く」と結論付けた。
弁護団は「不安定な身分に置かれた新規採用教員の免職取り消しは画期的で、管理職の役割を厳しく指摘した」と判決を評価した。
京都市教委は「児童の教育保障のためには必要で妥当な処分であったと考えており、残念な判決。控訴を考えたい」とコメントした。
■分限免職
地方公務員法、国家公務員法に規定された公務員に対する処分の一種。勤務実績がよくない▽職務に必要な適格性を欠く-などの場合に任命者の権限で免職させる行為。民間会社の解雇に当たる。京都市は不祥事の続発を受け、2006年に独自基準を設けた。
【Kyoto Shimbun 2008年2月28日(木)】
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008022800211&genre=D1&area=K10
☆ 「指導力不足」で分限免職の元小学校教諭勝訴 京都地裁
採用から1年間の教員試用期間中に「指導力不足」などを理由に、京都市教委から分限免職処分を受けた京都市の元小学校教諭の男性(34)が、市に処分取り消しを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。中村隆次裁判長は「教員の適格性が欠如しているとは言えず、違法だ」とし、処分取り消しを命じた。試用期間の教諭への分限免職処分取り消しは異例という。
元教諭は04年4月に採用され、京都市立小学校で5年生の学級担任などをしたが、市教委は翌年2月に分限免職処分にした。市側は担任の自覚、責任感の欠如▽学習面、生徒指導面での指導力不足▽指導や助言を理解し改善する能力や意欲の欠如などを挙げ、処分の正当性を主張していた。
判決は市が処分理由に挙げた35項目を検討。「前日の飲酒により欠勤し、欠勤の連絡も不足」「授業参観の際、打ち合わせに反した授業をした」など10項目は「証拠がなく、事実とは認められない」とした。
また、「保護者に向けた書類を紛失した」「音楽で歌詞当てクイズなど不適切な授業をした」など12項目は「事実だとしても、教員の評価に影響しない」とした。
「テストの採点をしない」「元教諭のクラスが学級崩壊の状況になった」など残る13項目は「教員として不適切な面があった」と認定。そのうえで、試用期間中だったことに触れ、「学校の支援態勢が十分ではなく、管理職らの評価に合理性があるか疑わしい」と学校側の責任を指摘した。
元教諭は記者会見し「教壇に戻り、子どもたちと触れ合うのが楽しみだ」と話した。市教委の清水稔之・教職員人事課長は「児童のために必要な処分で残念な判決だ。控訴を考えたい」とコメントした。
<分限免職>
公務員としての勤務実績の悪さや心身の故障による支障、職務への適格性などを理由に、本人の意に反して降任や休職などを命じる分限処分の一つ。職務上の義務違反などを理由に制裁する懲戒免職とは異なる。
文部科学省によると、指導力不足と認定されて分限免職になった教員は06年度までの5年間で29人。試用期間中の教員は別に統計を取っており、分限免職になった教員は06年度までの10年間で6人に上る。
asahi.com 関西(2008年02月28日)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802280073.html
京都市教委「指導力不足」処分で地裁判決
指導力不足などを理由とした分限免職処分は事実に反して不当だとして、京都市立小学校の元教諭の男性(34)が、市教育委員会に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。中村隆次裁判長は「(男性は)適格性が欠如しているとは言えない上、管理職らの評価の合理性も疑わしく、処分は違法」として処分取り消しを命じた。弁護団によると、指導力不足を理由とした分限免職処分の取り消しを命じた判決は全国で初めてという。
判決によると、男性は2004年4月に京都市教委に期間1年の条件付きで採用され、市内の小学校に赴任した。学級崩壊などを理由に依願退職するように迫られたが、応じず、05年3月に分限免職処分を受けた。
判決は、市教委が処分理由として挙げた35項目について個別に検討した。
宿題の確認が不適切▽打ち合わせに反した授業の実施-など10項目は「事実自体が認められない」と指摘した。
児童の訴えを放置した▽トラブルに単独で対応できなかった-など12項目については「事実はあっても不適切とは言えず、教員としての能力に影響しない」と判断した。
学習指導の不十分▽学級崩壊-など13項目について、中村裁判長は「学習指導や安全指導に不十分な面はあった」としつつ、「学校の新任教員への支援体制が十分ではなく、簡単に改善できない資質や能力とも言えない。管理職らの評価も客観的資料による裏付けを欠く」と結論付けた。
弁護団は「不安定な身分に置かれた新規採用教員の免職取り消しは画期的で、管理職の役割を厳しく指摘した」と判決を評価した。
京都市教委は「児童の教育保障のためには必要で妥当な処分であったと考えており、残念な判決。控訴を考えたい」とコメントした。
■分限免職
地方公務員法、国家公務員法に規定された公務員に対する処分の一種。勤務実績がよくない▽職務に必要な適格性を欠く-などの場合に任命者の権限で免職させる行為。民間会社の解雇に当たる。京都市は不祥事の続発を受け、2006年に独自基準を設けた。
【Kyoto Shimbun 2008年2月28日(木)】
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008022800211&genre=D1&area=K10
☆ 「指導力不足」で分限免職の元小学校教諭勝訴 京都地裁
採用から1年間の教員試用期間中に「指導力不足」などを理由に、京都市教委から分限免職処分を受けた京都市の元小学校教諭の男性(34)が、市に処分取り消しを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。中村隆次裁判長は「教員の適格性が欠如しているとは言えず、違法だ」とし、処分取り消しを命じた。試用期間の教諭への分限免職処分取り消しは異例という。
元教諭は04年4月に採用され、京都市立小学校で5年生の学級担任などをしたが、市教委は翌年2月に分限免職処分にした。市側は担任の自覚、責任感の欠如▽学習面、生徒指導面での指導力不足▽指導や助言を理解し改善する能力や意欲の欠如などを挙げ、処分の正当性を主張していた。
判決は市が処分理由に挙げた35項目を検討。「前日の飲酒により欠勤し、欠勤の連絡も不足」「授業参観の際、打ち合わせに反した授業をした」など10項目は「証拠がなく、事実とは認められない」とした。
また、「保護者に向けた書類を紛失した」「音楽で歌詞当てクイズなど不適切な授業をした」など12項目は「事実だとしても、教員の評価に影響しない」とした。
「テストの採点をしない」「元教諭のクラスが学級崩壊の状況になった」など残る13項目は「教員として不適切な面があった」と認定。そのうえで、試用期間中だったことに触れ、「学校の支援態勢が十分ではなく、管理職らの評価に合理性があるか疑わしい」と学校側の責任を指摘した。
元教諭は記者会見し「教壇に戻り、子どもたちと触れ合うのが楽しみだ」と話した。市教委の清水稔之・教職員人事課長は「児童のために必要な処分で残念な判決だ。控訴を考えたい」とコメントした。
<分限免職>
公務員としての勤務実績の悪さや心身の故障による支障、職務への適格性などを理由に、本人の意に反して降任や休職などを命じる分限処分の一つ。職務上の義務違反などを理由に制裁する懲戒免職とは異なる。
文部科学省によると、指導力不足と認定されて分限免職になった教員は06年度までの5年間で29人。試用期間中の教員は別に統計を取っており、分限免職になった教員は06年度までの10年間で6人に上る。
asahi.com 関西(2008年02月28日)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802280073.html
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