◆ なぜ元号はいらないのか?7.21集会 (立川テント村通信)
七月二一日、文京区民センターにて「なぜ元号はいらないのか?七・二一集会」が、元号はいらない署名運動の主催で行われた。集会では、まず司会から現在約五千筆の署名が集まっていることが報告され、今後も一万筆を目標に集めていくことが提起された。
次に、坂元ひろ子さん(中国思想史・一橋大名誉教授)による「中国の革命経験から考えるアジアの共和国」という講演があった。
◆ 中国コンプレックス
まず昨今の日本の言論状況では「共和制という問い」がタブー化されている。また、りベラル派知識人によるアキヒト「翼賛」発言が相次いでいる。オウム教団の死刑は改元の前に行われ、北朝鮮の金体制を世襲制だと批判しつつ天皇制には批判は向かわない。
大学で中国語を学ぶ学生も激減している。日本は、ねじれた起源(幻想)コンプレックスに覆われている。
その一つが漢字文化、漢字ことばの権威である。
元号も中国の古典から採用されている。しかし、漢字文化には共和「革命」の思想も本来は含まれている。
天が下した天命を受け、天子(皇帝)が天下(人民)を統治するという考えは、天命、徳のない天子は退けられるという易姓革命の思想をも含んでいる。
辛亥革命も一直線に共和制になった訳ではない。梁啓超の「開明専制」論=日本のように君主の下での近代的改革を指向する考えや、張勲らの「虚君共和政体」論=お飾りの君主を擁立し、政治は人民公選で行うといった考えがあった。
哀世凱の時代は数ケ月だが「洪憲」という元号を使っていた時期もあった。
天皇制は中国コンプレックスから自立するため万世一系(岩倉具視)という虚構によってつくられた。
以上のような講演を受け、質疑では、台湾で使われている中華民国紀元や、幸徳秋水らの亜洲和親会に関してなどマニアックなものも出た。
◆ 元号反対運動の歴史
つぎに二つの報告があった。一つは、靖国・天皇制問題情報センター、練馬教育問題交流会の中川信明さんによる「今度こそ、元号とサヨナラするために」という報告。
元号反対運動には三つのピークがあった。一九七九年の元号法制化反対運動、一九八九年から一九九五年までの代替わり反対運動、二〇一七年からの元号いらない署名運動。
◆ 学校での強制が問題
特に問題なのが学校関係の書類、証書である。中川さんは、第二のピークから都教委交渉などを行い、都立高校の外国籍の子どもの卒入学証書の西暦記載を認めさせた。
しかし、二〇一三年に都教委は逆に日本人の子どもには認めさせないという通知を出した。この通知を撤回させれば、再来年は二〇〇一年生まれの子が二〇二〇年卒業の証書を手にする。これを次ぎの一手としてりベンジしたいと話した。
二つ目の報告は、元立川市議の大沢豊さんで、立川市では改元のシステム改修などで、なんと五二〇〇万円もの予算がかかる。しかし、周辺を調べると町田市では十一年前から西暦のみを使用。無駄な経費であると報告があった。
その後、来年国体とG20のある茨城の「戦時下の現在を考える講座」、機関誌「女たちの二一世紀」で「特集・生活から問う改憲と天皇制」を組んだアジア女性資料センター、新天皇が開会式に出席する「オリンピック災害」おことわり連絡会などから、連帯アピールがあった。
参加は一〇〇名だった。今後は八月一九日午後四~六時に、新宿アルタ前で署名集めを行う。ご参加を。
『立川テント村通信 486号』(2018年8月1日)
七月二一日、文京区民センターにて「なぜ元号はいらないのか?七・二一集会」が、元号はいらない署名運動の主催で行われた。集会では、まず司会から現在約五千筆の署名が集まっていることが報告され、今後も一万筆を目標に集めていくことが提起された。
次に、坂元ひろ子さん(中国思想史・一橋大名誉教授)による「中国の革命経験から考えるアジアの共和国」という講演があった。
◆ 中国コンプレックス
まず昨今の日本の言論状況では「共和制という問い」がタブー化されている。また、りベラル派知識人によるアキヒト「翼賛」発言が相次いでいる。オウム教団の死刑は改元の前に行われ、北朝鮮の金体制を世襲制だと批判しつつ天皇制には批判は向かわない。
大学で中国語を学ぶ学生も激減している。日本は、ねじれた起源(幻想)コンプレックスに覆われている。
その一つが漢字文化、漢字ことばの権威である。
元号も中国の古典から採用されている。しかし、漢字文化には共和「革命」の思想も本来は含まれている。
天が下した天命を受け、天子(皇帝)が天下(人民)を統治するという考えは、天命、徳のない天子は退けられるという易姓革命の思想をも含んでいる。
辛亥革命も一直線に共和制になった訳ではない。梁啓超の「開明専制」論=日本のように君主の下での近代的改革を指向する考えや、張勲らの「虚君共和政体」論=お飾りの君主を擁立し、政治は人民公選で行うといった考えがあった。
哀世凱の時代は数ケ月だが「洪憲」という元号を使っていた時期もあった。
天皇制は中国コンプレックスから自立するため万世一系(岩倉具視)という虚構によってつくられた。
以上のような講演を受け、質疑では、台湾で使われている中華民国紀元や、幸徳秋水らの亜洲和親会に関してなどマニアックなものも出た。
◆ 元号反対運動の歴史
つぎに二つの報告があった。一つは、靖国・天皇制問題情報センター、練馬教育問題交流会の中川信明さんによる「今度こそ、元号とサヨナラするために」という報告。
元号反対運動には三つのピークがあった。一九七九年の元号法制化反対運動、一九八九年から一九九五年までの代替わり反対運動、二〇一七年からの元号いらない署名運動。
◆ 学校での強制が問題
特に問題なのが学校関係の書類、証書である。中川さんは、第二のピークから都教委交渉などを行い、都立高校の外国籍の子どもの卒入学証書の西暦記載を認めさせた。
しかし、二〇一三年に都教委は逆に日本人の子どもには認めさせないという通知を出した。この通知を撤回させれば、再来年は二〇〇一年生まれの子が二〇二〇年卒業の証書を手にする。これを次ぎの一手としてりベンジしたいと話した。
二つ目の報告は、元立川市議の大沢豊さんで、立川市では改元のシステム改修などで、なんと五二〇〇万円もの予算がかかる。しかし、周辺を調べると町田市では十一年前から西暦のみを使用。無駄な経費であると報告があった。
その後、来年国体とG20のある茨城の「戦時下の現在を考える講座」、機関誌「女たちの二一世紀」で「特集・生活から問う改憲と天皇制」を組んだアジア女性資料センター、新天皇が開会式に出席する「オリンピック災害」おことわり連絡会などから、連帯アピールがあった。
参加は一〇〇名だった。今後は八月一九日午後四~六時に、新宿アルタ前で署名集めを行う。ご参加を。
『立川テント村通信 486号』(2018年8月1日)
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