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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

憲法改正 世論調査

2007年05月21日 | 平和憲法
★「ガンジーの会」からの緊急アピール
       九条を護ることを通して、市民の「無血革命」を!
「ガンジーの会」

 憲法を改正するために必要な手続きを定める国民投票法案が、5月14日、参議院で可決され、成立しました。そしてまた、イラクへの航空自衛隊派遣の2年延長を可能にするイラク復興支援特別措置法改正案も、自民・公明の数を頼んだゴリ押しで、衆議院で可決され、近日中にも成立されようとしています。

 (略)

 だがしかし、参院選を二ヵ月後に控え、いつまでも悲観や絶望や諦めに浸っていることは許されません。政府与党にとって、私たち九条を護るための市民の防波堤が意気消沈し、連帯の絆が綻びてしまうことほど、願ったりかなったりのことはないからです。

 絶望するには早すぎます。確かに、外濠は埋められました。しかし、それは、一番の大外の堀であって、そこが埋められたからといって、勝敗の帰趨が決まったわけではありません。九条を簡単には変えさせないための濠や防御策が、二重三重、三重四重に掘られ、張り巡らされているからです。

 そのなかでも最大の濠は、国民世論の大半が、九条の改悪・廃棄には反対しているという事実です。最近の主要全国紙とNHKの世論調査の結果から、憲法改正と九条改正についての質問に対する回答率を比較した下の表をご覧になってください。

【9条改正】
       必要   必要ない  わからない等
読売1項  14.0  80.3   5.7
読売2項  38.1  54.1   7.8
共同    26.0  44.5  29.5
NHK     25.0  44.0  25.0
朝日    33.0  49.0
毎日    59.0  28.0

【集団的自衛権】
    今のまま  解釈で行使  改憲で行使  分からない
読売  50.0   20.6   20.8   8.6
共同  54.6   18.3   18.7   8.4
毎日  51.0   34.0

【憲法改正】
     必要   必要ない  わからない等
読売  46.2  39.1  14.7
共同  57.0  34.5   8.5
NHK   47.0  20.0  27.0
朝日  58.0  27.0
毎日  51.0  19.0  22.0

 ここには、九条改正(悪)問題で、なぜ私たちが諦らめたり、絶望してはいけないのか、その理由となる答えが隠されているように思われます。即ち、憲法改正には、40%台後半から50%後半まで大方の国民が「OK」と答えているのに、九条の改正に関しては、ほぼ50%が「NO」と答え、集団的自衛権の行使については、「今のままでよい」と「解釈で行使すればよい」とする回答が合わせて、70~80%に達している。つまり、「憲法改正」と「九条改正」とでは受け止め方の上で、国民世論にはっきりと「捩れ現象」が生じているということ。そして、自民党が最大の狙いとしている集団的自衛権の行使を目的とする「九条改正」については、ほぼ80%の国民が反対している事実。しかも、この数字は、改憲問題がクローズアップされてくるにしたがって増えています。

 このように、国民は、政府与党の改憲プロパガンダに載せられているようにみえますが、その実、改憲と九条改正とは違うことを見抜き、日本が再び戦争に巻き込まれるようなことがあってはならないという思いを強くしている。この事実の上に、私たちは、九条を護る私たちの戦いが最終的には勝利すると信ずる最大の根拠を置きたく思います。

 九条を護る濠はまだあります。憲法改正案を国会が発議し、国民投票が行われるためには、衆参両院の国会議員の3分の2以上の承認が必要とされていること。そして、現時点で、九条の改正(悪)に賛成する国家議員の数は、どう計算してみても、3分の2には足らないはずで、今夏の参議院選の結果を視野に入れても、3分の2以上に増える見込みはありません。自民党の中にも、環境保護や個人情報の保護などを謳った新しい条項を加えることには賛成でも、九条の書き換えだけは賛成できないという議員が相当数いるはです。さらに公明党が、九条の書き換えや廃棄だけは絶対に許せないと、今、この時点で言明しています。

 加えて、民主党は、国民投票法案を与党が強引に採決に持ち込んだことで、今後、自民党が持ち出してくる改憲案には、絶対に乗らないと言明しています。参議院選を控えて、民主党には今後10年間は改憲問題は凍結するくらいの覚悟で臨んで欲しいと思います。もし民主党が、そのことを公約に掲げて、選挙戦に臨めば、九条改悪に反対してる国民の大半は民主党を支持し、参議院における自民・公明による過半数体制が崩れ、安倍内閣が推し進めようとしている改憲、九条改悪・廃棄のプログラムはデッドロックに乗り上げるはずです。

 以上から、日本の状況が極端に右旋回することでもない限り、九条の改悪を内容とする改憲案が国会で3分の2以上の賛成を得て、可決され、国民投票にかけられる可能性は現実的には極めて低いといってよいと思います。

 九条を護る最後の、そして最大の濠、あるいは防波堤は、私たち市民の九条を護る運動が、九条問題がクローズアップされればされるほど、草の根のレベルで広がり、「九条を護れ!」の声が、全国民的に高まっていくだろうということです。

 九条を護りぬくことを通して、日本の歴史おいて、初めて市民による、市民のための憲法が、市民の手によって選び取られる、そのようにして、私たち市民は、私たち自身を歴史の主人公に鍛え上げ、そして世界市民として市民権を獲得していくことになるのです。

 九条を護る戦いは単に、自衛隊を国防軍として認めるとか、日本の海外での交戦権をみとめるかどうかといった政治的選択に対して「ノン!」を宣告する戦いであるばかりではなく、私たち市民が歴史の主人公になるかならないかを決める、つまり真に国民主権を勝ち取るかどうかの、革命的な戦いでもあります。なぜなら、私たち日本人の歴史において、市民が歴史の選択権を握り、市民自身の意志と手によって、日本の進むべき道を決めたことは一度もないからです。

 しかし、革命の歴史は悲惨でもあり、世界の歴史は、革命には必ず多大の血が流されてきたことを証明しています。そうした意味でも、私たちの九条を護る戦いは、九条そのものが武器を持って戦うことを禁じた「非暴力の憲章」であるがゆえに、非暴力の原則に立って戦われ、一滴の血も流さずに、成就される革命でなくてはなりません。もし、九条が守られ、私たちの市民革命が一滴の血も見ることなく達成されれば、それは人類史上初めて実現した市民の、市民による、市民のための「無血革命」といってよいでしょう。比類ない憲法九条を護る闘いには、市民一人ひとりの比類ない覚悟と、決意、そして多大の努力も要求されるはずです。

 日本の未来のため、世界の未来のため、九条を守らなければならないと決意を固めているすべての皆さん、今こそ、私たちの手で、市民の無血革命をやり遂げるべく、立ち上がろうではありませんか。

 尚、近いうちに、私たちの市民革命をより広く、全国民的に、グラス・ルーツのレベルで展開するために何をなすべきか、「ガンジーの会」では、皆さんと共有できる具体的な方策について、提言をしたいと考え、目下準備中ですので、もうしばらくお待ちください。

                 2007年5月18日
                    「ガンジーの会」代表:末延芳晴

http://www.h2.dion.ne.jp/~hansuto/

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