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東京「君が代」裁判第3次訴訟第3回口頭弁論報告

2011年01月02日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《被処分者の会通信70号から》
 ◎ 東京「君が代」裁判第3次訴訟 第3回口頭弁論報告
 ~本件通達及び本件各職務命令は、原告らの拒絶理由を問わず、憲法19条に違反する


 12月24日(金)第3次訴訟第3回口頭弁論が東京地裁527法廷で開かれ、『第2準備書面』の要旨陳述を、渡辺・中間両弁護士が行った。先行する訴訟で既に「すり替えや逆立ち」に満ちた都側の主張や下級審の判断も明らかになってきている中、それらを正面から論破する内容で新鮮で心強く感じた。白石哲裁判長の訴訟指揮で今回は小さな法廷になったため、終業式&イブにせっかく駆けつけて下さった94名のうちたった22名しか傍聴に入れなかった
 【日の丸・君が代の強制】
 ・都側も認めるように、日の丸・君が代には「個々人の歴史認識や歴史観から多種多様な解釈や異なる思いが存する」。
 ・そもそも国旗・国歌に対する一義的に正しい認識というものはあり得ない(あるとすれば「被告自身が正しいと考える認識」にすぎない)。
 ・職務命令は「特定の価値観の押しつけ」であり、まして制裁をもって強制することは内心の自由の侵害である。
 ・諸外国の事例で例外的な中国や韓国の強制例を持ち出す、都教委の主張の非国際性の指摘。
 【思想・良心の自由】
 ・公権力が公的儀式の場で、日の丸・君が代を尊重する行為を強制することは、対象が誰であろうと、出席者全員が賛成であろうと、許されない。
 ・不起立思いは様々であっても、全員に共通するのは強制に対する「否定的評価」であり、それが原告共通の「思想・良心」の内容である。
 ・本件通達及び本件各職務命令は、原告らがこれを拒絶した理由を検討するまでもなく、違憲となるのである
 【ピアノ最高裁判決批判】
 ・思想の外部表明性を否定することは、愛媛玉串料訴訟大法廷判決(1997.4.2)の判例違反。
 ・従来から都立高で起立斉唱を拒否する教員がいたのは周知の事実であり、全都立高に一律に命令を出すことが「思想の外部表明」強制であることは客観的に明らかである。
 ・違憲審査基準は厳格であることが必要なのに、単に職務命令の目的・内容の合理性のみしか判断しておらず、「対立価値(他者の人権)」の実質を有していない
 【不当な支配】
 ・「地教行法」は、組織規範であって、根拠規範ではない。従って、地教行法を根拠に職務命令(「10・23通達」)を出すことは出来ない
 【君が代に関する求釈明】7分野28項目。
 例えば、3(2)都教委の「国旗及び国歌に対する正しい認識」について、「平和を祈念した歌であることを理解する」と言うが、これは君が代の歌詞のどこから導き出されるのか
★次回は、3月18日(金)14:00~東京地裁527法廷。
 傍聴できなかった人が多数いた現実の前でなお、白石裁判長は理由も示さず狭い法廷を指定した。裁判を傍聴する「国民の権利」を保障することが裁判所の仕事ではないのか。抗議の声が報告集会まで渦巻いた。
 最後に、私は10月から第3次訴訟の事務局に加わりお手伝いさせていただくことになりました。よろしくお願いします。 (原告 花輪紅一郎)
『被処分者の会 通信 第70号』(2010/12/28)

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