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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「ババア発言」第二次訴訟

2007年04月04日 | 暴走する都教委
 石原都知事「ババア発言」第二次訴訟について
                      2007年3月27日
        「ババア発言」第二次訴訟原告団・弁護団


 私たちは、石原都知事が行った、生殖能力を失った女性がきんさん・ぎんさんの年まで生き続けるのは無駄で罪だとする発言を繰り返したいわゆる「ババア発言」について、女性の名誉を傷つけ、差別や暴力に日常的に曝されている女性に脅威を加えるものであるとして損害賠償請求訴訟を提起しました。東京地方裁判所、高等裁判所ともに請求は棄却したものの、この「ババア発言」を「憲法、男女共同参画社会基本法、国際条約に反する」、都知事としては不適切な発言であると指摘しました。

 ところが石原都知事は、定例記者会見の席上、この判決をどのように受け止めるのかという質問に対し、判決より裁判が問題であるとして、訴訟を提起した原告らを攻撃しはじめました。そのうえ「ババア発言」については東大教授が述べたことを取り次いだだけだと述べ、鮭も産卵して生殖を終わればカラスに目を突つかれ見るも無残な姿で死んでいくといったことを例に挙げて、そうした生命のあり方が人間の女性にもあてはまる自然の摂理であるかのように差別発言を上塗りしました。さらに、このような発言が社会に流されるようになったのは、ある会合に「へんな左翼」がいてそれが喧伝したことによるものであり、裁判は「裁判のための裁判、あの人たち(原告)のパフォーマンス」であると公然と原告たちを非難しました。

 このような発言は事実にも反することで、そもそもの問題の発端は、週刊女性のインタビューに自身が応じた記事に都知事の発言が掲載されたことによるものです。そして、この発言も、女性が日常的に暴力や差別による脅威と苦痛に曝されている立場から、この発言の重大な差別性と、謝罪と撤回の必要性を、その苦痛や脅威とともに理を尽くして訴えた原告らの真摯な人格を社会的に貶め、侮辱するものでした。

 これに対して私たちは、2006年4月20日、石原氏個人と東京都を被告として、謝罪と発言の撤回、損害賠償請求訴訟を提起しました。本日、裁判所は、石原都知事個人に対する請求を東京都を被告とする訴訟と分離し、前者について、原告らの請求を棄却する判決を下しました。これは、公務員が行った不法行為については国ないし自治体が責任を負っても公務員個人の責任は問うべきでない、国や自治体は、その解決のために財政を出動させられたとしても公務員個人に求償できるから問題はない、という考えに基づくもので、決してこの発言に対する責任を免罪したものではありません。むしろ、発言に対する責任は、引き続き、東京都を被告とする訴訟において問うべく後述のとおり手続きが予定されているところです。

 そもそも、原告らが定例記者会見における都知事としての発言について石原氏個人を訴えたのは、これが石原氏固有の思考及び行動様式の結果であり、東京都が仮に敗訴判決を受けてこれを履行したとしても、東京都のトップである石原氏が自分に求償権行使の権限を発動することなど考えられないからでした。判決の内容については慎重に検討して控訴をするかどうかを決めたいと思いますが、私たちは、石原都知事の前記のような発言を放置しては、男女が平等に社会を担い、平穏に生きることはできないと確信しています。なぜなら、こうした差別発言がただでさえ人々の思考や行動に強い影響を与える性質があることに加え、それが著名で社会的な影響力のある石原都知事が行った発言であれば、その影響力は甚大だからです。私たちは、石原氏がこの一連の発言に謝罪し、撤回するまで働きかけを続けます。

 東京都を被告とする第二次訴訟については、来る4月24日(火)午後1時半から712号法廷において原告本人尋問が予定されており、関心を寄せていただけましたら幸いです。

http://homepage3.nifty.com/hanishihara/dainijisosyoseimei.htm

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