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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「天皇即位20年奉祝」についての雑感あれこれ

2009年11月25日 | 平和憲法
 ◇ 「天皇即位20年奉祝」についての雑感あれこれ
 ~いつまで続けるの?こんなシステム~

鈴木裕子(女性史研究家)

 ◇ 批判的意見がなぜ出ない

 「即位20年」やらで、この度のマスメディアの「奉祝」喧騒も、まったくうんざりさせられましたね。
 敬語がやたらに氾濫し、識者といわれる人びとや芸能人らのとってつけたような「奉祝」発言ばかりがテレビや新聞で突出し、「こんなのオカシイ」という声は一切、表に出ずじまいです。
 この国には、天皇や天皇制に批判的な人には、表現の自由はなきに等しいとの感を改めて痛感させられます。
 この一文を載せてくれるのも本紙くらいです。
 ちなみに『しんぶん赤旗』にも、批判的コメントは全く掲載されなかったようですね。
 ◇ 税金から支払われている内廷費
 「即位20年記念式典」の当日の新聞各紙朝刊に、天皇・皇后夫妻の記者会見回答文が、大きく取上げられましたが、回答文のなかでさりげなく朝鮮民主主義人民共和国における日本人拉致事件が語られる一方、「過去の歴史が忘れられていく」のが心配と言いました。
 おや、少しは父、昭和天皇ヒロヒトさんの戦争責任について言及されるのかと、一瞬思いきや、見事すりかえられ、「平和の大切さを肝に銘じられた昭和天皇」にとって、「昭和」の戦争は、「まことに不本意な歴史」とし広く流布されている「平和愛好者・昭和天皇」像を補強いたしました。
 なかなか巧妙です。外国の自国民拉致は取上げても、かつて日本が朝鮮半島などで行った「強制連行」、日本軍「慰安婦」などの「拉致」については全く沈黙のまま。ダブルスタンダード以外のなにものでもありません。
 もうひとつ、回答文で印象深かったのは、「人々の暮らしが深く案じられます」というくだりです。このくだりを読んで、あるいは感激する人もいたでしょう。でも、ちょっと待ってください。アキヒトさん夫婦、皇太子一家(2家族5人)に支給された昨年の「内廷費」は、3億2400万円、他の皇族たち(6家族18人)にまとめて支給される「皇族費」は2億7000万円。2006年に生まれた秋篠宮家の悠仁ちゃんにも、305万円が支給されています。
 今、年収200万円以下のワーキングプアーがごまんといるのに、ままごと遊びに余念のない3歳の童と、汗水たらして働いても、いつ首を切られるかわからない労働者、シングルマザーなど一人親世帯の深刻な貧困状況との「落差」をどう考えたらいいのでしょうか。
 ちなみに天皇家・皇族に支給されるお金は、「日本国民」だけではなく、日本に居住する在日外国人も払う税金から支払われます。皇族に支給されるお金は、「皇族の品位を保つため」ということだそうで、かつ無税。
 派遣切りで職や住むところを失った人、身体が悪くて働けないのに、生活保護の支給を拒否され飢え死にした人たちの、人間としての生存や尊厳を奪われた「一般人」の「品位」はどうなるのでしょうか。
 ◇ 特権的な地位についているよね
 天皇家や皇族のお金の話がでたついでに最後にひとこと。
 彼らが住んでいる住居や別荘(「御用邸」)や「御料牧場」など合計2465万8904平方メートルの土地、約20万平方メートルの建物は、みな国有財産ですが、無料貸与。
 天皇家・皇族に関わる皇室関係予算を合計すると、少し前の数字ですが、273億円。これには、彼ら彼女らが「地方」へ出掛ける際の受け入れ道府県側の出費は当然、含まれていません。
 02年、高知国民体育大会(よさこい国体)の例でいえば、高知県の出費は2億4000万円で、もちろん県民が払った税金から支出されています。
 特権に胡座(あぐら)をかいていながら、「温情」を示すことのおかしさを指摘もせず、「奉祝」報道を繰り返し、それか鵜呑みにしてしまう日本人って、何だかとても恥ずかしいのではありませんか。
『週刊新社会』(2009/11/24)

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