パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

学校に自由と人権を!10・22集会 取材記事

2023年12月09日 | 「日の丸・君が代」強制反対

対都教委“君が代”不当処分取消等、裁判闘争(終結含む)している9団体が10月22日、千代田区内で開催した「学校に自由と人権を!」大集会~主催者挨拶する近藤徹・都立高元教諭。手前は田中聡史都立特別支援学校教諭  

  《月刊『紙の爆弾』「ニュースレスQ」から》
 ◆ 〝君が代〟強制通達反対大集会
  「東京都教委は歴史修正主義」

 東京都教育委員会が「教職員は卒業式等で、壇上正面の国旗に向かって起立し国歌を斉唱する。不起立・ピアノ不伴奏教職員は懲戒処分にする」等、〝君が代〟強制を強化する「10・23通達」を発出したのは2003年のこと。
 それから20年経った23年10月22日、〝君が代〟不当処分取消等、裁判闘争(終結含む)している9団体が都内で「学校に自由と人権を!」集会を開き、現・元教職員や保護者ら市民約200人が参加した。
 被処分者延べ484人中、これまで最高裁等で、減給・停職処分77件・66人の取消判決を勝ち取る原動力となっている集会の1つだ。

 近藤徹・被処分者の会事務局長(都立高校元教諭)の主催者挨拶後、文芸評論家の斎藤美奈子氏が、

①ジャニー喜多川氏による性虐待問題
②毎年9月1日に墨田区横網町公園内の「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」前で開催される追悼式典への小池百合子東京都知事による7年連続の追悼文送付拒否問題

 等のテーマで講演した。

 ①について、国連人権理事会は11年に「ビジネスと人権に関する指導原則」を採択しており、企業が労働者・客等に、セクハラ・パワハラ・強制的な労働等、人権侵害を犯さないよう人権デューデリジェンス(適正調査)の重要性を求め、各国が法制化。日本政府も20年10月、「ビジネスと人権に関する行動計画」を策定している。
 企業は、「人権リスクを予防・軽減するための対応策、人権方針を策定し情報公開、取引先にも適用」を実行しなければならないのに、大手メディアが50年以上黙殺。日本における人権感覚の遅れを炙り出した。

 ②の背景には1996年の〝新しい歴史教科書をつくる会〟発足頃から進行した歴史修正主義がある。
 その典型が、都教委が「日本人としての自覚を高めるため」と称し、当時の学習指導要領では選択科目だった日本史を「12年4月から全都立高校で週1単位時間以上必修化する」と決定後、作成・配布した副読本『江戸から東京へ』だと斎藤氏は指摘した。

 ところで、追悼碑は「関東大震災の混乱のなか、あやまった策動と流言蜚語のため六千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われました」と明記している。
 都教委副読本の12年度版は碑文の犠牲者数は載せないものの、一応「虐殺」に言及していた。だが都教委指導部は、13年度都立高新入生全員に配布する改訂版の原案で、虐殺の事実を全て削った上、「碑には、大震災の混乱のなかで、『朝鮮人の尊い命が奪われました』と記されている」として、「朝鮮人が」を「の」に、「尊い命を」を「が」へと、まるで自然災害によって命を落としたかのように、助詞を一部改竄する非違行為を犯した。
 増田都子元千代田区立中学校教諭(平和教育実践で分限免職)ら多くの市民が厳しく追及。都教委は印刷直前、助詞の改竄だけ修正したが、虐殺の事実を高校生に隠蔽し続けている。

 集会後半は現・元教職員が発言。うち、新井史子(ひろこ)都立高校元教諭は、国連自由権規約委員会が22年11月4日、「卒業式等での都教委による、教職員や児童生徒等への〝君が代〟起立・斉唱強制に懸念(serious concern)を表明」する「第7回日本審査総括所見」を公表した旨、報告した。このうち「生徒への強制の懸念」について同委員会は、都教委に忖度(そんたく)する一部都立学校のヒラメ校長が教員に命じ生徒の体を持ち上げ無理やり起立させたとして、「物理的な力(有形力)の行使」の事実を特記している。

(永野厚男・教育ジャーナリスト)

月刊『紙の爆弾』(2024年1月号)「ニュースレスQ」欄の「政治」記事から


コメント    この記事についてブログを書く
« ★ 明けない夜はない(222) | トップ | ◆ 明けない夜はない(223) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

「日の丸・君が代」強制反対」カテゴリの最新記事