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2004年12月23日(木曜日) 神聖喜劇
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大西巨人、「神聖喜劇」を、是非読んで欲しいと多くの人に勧めた。
完読してくれた人は、ただ一人のみである。読みにくい本なのかなあ。残念、無念、慙愧、失意、何でもいいが、是非読んで欲しい。
読み出したら止まらない。 作者は、25年かけて書いた。それを寝転がって読めるのだから、読者とは果報なものよ。
・・・於戯一生 歓会何と 賛うべき 翠帳の声 波に揺蕩う・・・の東堂は、戦後に生き存らえる。
・・・世の中は おかしかごたぁる こと多し かなしかごたぁる ことなお多し・・・と言った大前田軍曹は、小倉陸軍刑務所における長期服役の判決を下された。南方に行かば、ガダルカナルで朽ちていたやも知れぬ。
・・・夏草や ガ島にありて 六十年 祖国の人よ ひもじくはないか・・・南方にて逝った兵は、心優しく祖国を思い続けている。己の収集されざる白骨の運命を些かも考慮せずに、日本のはらからが腹を減らしているのではないかと心配している。
その祖国は、一部において飽食とか。半世紀も経過した。忘れられた人々を想起するためにも、「神聖喜劇」、を是非、読んでいただきたい。
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