パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『藤田の日記』(「苛酷」、「カツ丼」)

2011年06月06日 | 藤田の部屋
  ★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
  最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!

  ■□■ 4月13日(水)第9回最高裁要請行動を行いました ■□■
 ◎ 『藤田の日記』 (「苛酷」、「カツ丼」)

「ワシカモメ」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

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 2004/10/09(土)     苛酷
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 牛乳を初めて飲んだ時、感動した。
 牛乳を飲みたいと思ったら、牛を育てねばならない。それらをすべてすっ飛ばして、100円玉、2・3個出せば手に入るというのは、改めて考えるに驚異である。戦時中は、金があっても駄目であった。
 金とは妙なものだ。「宵越しの銭は持たねえ」というのは、持てなかった奴が粋がっての科白であろうか。
 生涯、働きずくめで50代で首切られ、蓄えもない人々が100万人を超えているのではないか。
 全国世帯の約1割が、月、15万以下での生活を余儀なくされている。
 条件の悪いところでも働かざるをえない。人間、夜は寝なければならない。しかし、深夜労働は激増している。金のために体を切り売りしている。病気になって益々辛い事となる。
 明け方、清掃車の運転手と、スポーツカーの若者が喧嘩していた。つい止めてしまった。大失敗であった。片方に加勢すべきであった。私自身の虚弱な思想性の露見であった。
 金のためなら何でもやるという追い詰められた状況にある者は、全世界で限りなくいるであろう。金とは恐ろしいものだ。
 いつの時代であっても、貧乏人には人生は苛酷である。

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 2004/05/04(火)     カツ丼
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 牛乳とならんで、憧れたものにカツ丼がある。一度食べさせてもらって、感激した。
 20才で家出し、アルバイト生活に入った。九段の門を潜って都内唯一の紹介所に行く。出来るだけ条件の悪いやつを探す。そうしないとアブレて飯が食えなくなる。ガラス工場、昭和電工、テレビの箱の流れ作業、・・・
 或る日、痩せ細って風に流され歩いていたら、「女店員募集」の張り紙があった。そうだ。食堂に勤めれば食えるではないか。頼んで、男だが使ってもらった。
 朝8時から夜10時、日給450円。新潟の農家の若い子が多かった。毎週土曜には、皆で自由が丘の深夜映画に行く。裕次郎、ルリ子主演の青春もの、テレビでは「人間の条件」をやっていた。裕次郎の兄貴が後年こうなるとは夢にも思わなかった。
 ウェイターから出世し厨房へ、半年後カツ丼係に任命された。
 生涯初の作品、厨房から出て客席まで自分で運んだ。食べる様をじっと観察していた。
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