◆ 教科書が特定政党の政治的活動の宣伝の場になっている、教育出版「道徳」
皆さま 高嶋伸欣です
教育出版「道徳」教科書・5年生用の「下町ボブスレー」のページ掲載の「ポーズを決める安倍首しょう」写真について、改めて関係資料を調べてみました。
その<報告①>です。
1 まずこの写真が撮影されたのは、2013年6月30日に自民党本部で開催された「中小企業・小規模事業者政策緊急フォーラム」の会場においてです(半田薫著『下町ボブスレー 世界へ、終わりなき挑戦』NHK出版、2014年)。
2 従って、「ポーズを決める安倍首しょう」は誤記で、「ポーズを決める安倍自民党そうさい」とすべきものです。
3 安倍首相は、今年5月3日に都内の改憲派集会にビデオメッセージを送り「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と、改憲の意思と日程を表明しました。
この件を5月8日の衆議院予算委員会で野党議員が問題にした際、安倍氏は「この場には、首相として立っている」のであって、先の発言は自民党総裁としてであり、「党総裁としての考え方は読売新聞(5月3日)に書いてある。それを熟読して頂きたい」と答弁しています。
4 安倍氏自身が政府の首相という立場と自民党総裁と言う立場を、使い分けているわけです。この点からも、この写真の説明は上記2のようにやはり誤記です。
5 さらに問題なのは、これが自民党本部で開催された行事の時のものだということです。
明らかに特定の政治団体(政党)の活動の中でのその団体の代表者(総裁)のパフォーマンスの写真を、教科書に華々しく掲載したものです。
これでは、教科書が特定の政党の政治的活動の宣伝の場になっていることになります。
この点だけでも、この写真の掲載は不適切であると言えます。
6 しかも「総裁」とすべきところを「首相」と偽っています。
よりによって「道徳」の教科書においてです。
7 さらに問題なのは、この教科書の『下町ボブスレー』という読み物は、あくまでも東京下町の町工場の人々の国際的な活動の様子を描いたもので、本文中では安倍総裁・首相との関連に全く触れていません。
従って、安倍総裁・首相の写真を載せる必然性は何もないのに敢えて載せているところに、執筆者・編集者の政治的な忖度の存在が疑われます。
8 さらに、検定官や検定審議会委員たちの忖度も疑われます。
検定では、掲載した図版・写真についてその出典や撮影した時の状況などについての説明資料を要求されるのが、通例です。
その通りにこの写真についても実行していたら、「自民党本部での行事の時の写真を教科書に載せるのは不適切」等の検定意見が付けられたはずです。
9 さらに、この写真の不適切さを示す話題があります。
教科書141pに上下2枚ある写真の内、上に位置するこの問題の写真は左右の寸法が短く、左端の部分をカットしていることが分かります。
上記『下町ボブスレー』(NHK出版)には左端部分を含めた写真が掲載されています。それを見ると、教科書掲載の写真でカットされている人物は、甘利明・元経済再生(TPP交渉)担当大臣なのです。
10 甘利氏は、自身と秘書の金銭授受疑惑(あっせん収賄容疑)を受けて、2016年1月に閣僚を辞任しています。
そのような人物が写っているのでは、強引に安倍総裁・首相の写真を載せても、甘利氏の存在に気付かれて”効果半減”と執筆者・編集者が忖度したのではないかと疑われます。
何としても安倍総裁・首相が恰好良く「ポーズ決め」た場面の写真をここに割りこませるのだという意図が見え見えの小細工です。
11 改めて、「道徳」教科書を自民党の政治的活動の宣伝物化している教育出版「道徳」(5年生用)を採択した教育委員会にこの点の責任をどうとるのか、各地域で迫ってはいかがでしょうか。
*さらに上記写真には、安倍総裁・首相の「ポーズ」が
セクハラに該当する「裏ピース」サインであるという
問題があります。
その件は、長くなるので別途<報告②>としてお届け
いたします。
皆さま 高嶋伸欣です
教育出版「道徳」教科書・5年生用の「下町ボブスレー」のページ掲載の「ポーズを決める安倍首しょう」写真について、改めて関係資料を調べてみました。
その<報告①>です。
1 まずこの写真が撮影されたのは、2013年6月30日に自民党本部で開催された「中小企業・小規模事業者政策緊急フォーラム」の会場においてです(半田薫著『下町ボブスレー 世界へ、終わりなき挑戦』NHK出版、2014年)。
2 従って、「ポーズを決める安倍首しょう」は誤記で、「ポーズを決める安倍自民党そうさい」とすべきものです。
3 安倍首相は、今年5月3日に都内の改憲派集会にビデオメッセージを送り「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と、改憲の意思と日程を表明しました。
この件を5月8日の衆議院予算委員会で野党議員が問題にした際、安倍氏は「この場には、首相として立っている」のであって、先の発言は自民党総裁としてであり、「党総裁としての考え方は読売新聞(5月3日)に書いてある。それを熟読して頂きたい」と答弁しています。
4 安倍氏自身が政府の首相という立場と自民党総裁と言う立場を、使い分けているわけです。この点からも、この写真の説明は上記2のようにやはり誤記です。
5 さらに問題なのは、これが自民党本部で開催された行事の時のものだということです。
明らかに特定の政治団体(政党)の活動の中でのその団体の代表者(総裁)のパフォーマンスの写真を、教科書に華々しく掲載したものです。
これでは、教科書が特定の政党の政治的活動の宣伝の場になっていることになります。
この点だけでも、この写真の掲載は不適切であると言えます。
6 しかも「総裁」とすべきところを「首相」と偽っています。
よりによって「道徳」の教科書においてです。
7 さらに問題なのは、この教科書の『下町ボブスレー』という読み物は、あくまでも東京下町の町工場の人々の国際的な活動の様子を描いたもので、本文中では安倍総裁・首相との関連に全く触れていません。
従って、安倍総裁・首相の写真を載せる必然性は何もないのに敢えて載せているところに、執筆者・編集者の政治的な忖度の存在が疑われます。
8 さらに、検定官や検定審議会委員たちの忖度も疑われます。
検定では、掲載した図版・写真についてその出典や撮影した時の状況などについての説明資料を要求されるのが、通例です。
その通りにこの写真についても実行していたら、「自民党本部での行事の時の写真を教科書に載せるのは不適切」等の検定意見が付けられたはずです。
9 さらに、この写真の不適切さを示す話題があります。
教科書141pに上下2枚ある写真の内、上に位置するこの問題の写真は左右の寸法が短く、左端の部分をカットしていることが分かります。
上記『下町ボブスレー』(NHK出版)には左端部分を含めた写真が掲載されています。それを見ると、教科書掲載の写真でカットされている人物は、甘利明・元経済再生(TPP交渉)担当大臣なのです。
10 甘利氏は、自身と秘書の金銭授受疑惑(あっせん収賄容疑)を受けて、2016年1月に閣僚を辞任しています。
そのような人物が写っているのでは、強引に安倍総裁・首相の写真を載せても、甘利氏の存在に気付かれて”効果半減”と執筆者・編集者が忖度したのではないかと疑われます。
何としても安倍総裁・首相が恰好良く「ポーズ決め」た場面の写真をここに割りこませるのだという意図が見え見えの小細工です。
11 改めて、「道徳」教科書を自民党の政治的活動の宣伝物化している教育出版「道徳」(5年生用)を採択した教育委員会にこの点の責任をどうとるのか、各地域で迫ってはいかがでしょうか。
*さらに上記写真には、安倍総裁・首相の「ポーズ」が
セクハラに該当する「裏ピース」サインであるという
問題があります。
その件は、長くなるので別途<報告②>としてお届け
いたします。
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