☆ 武蔵野五輪弾圧控訴審いよいよ始まる (月刊救援)
弁護側意見書証拠採用! 次回被告人質問確実!
11月22日、控訴審裁判(大善文男裁判長)が、東京高裁で始まった。昨年九月五日の不当判決、即控訴から一年と二ヶ月半、準備は万端である。
公判が開かれる四二九号法廷は警備法廷。数十人の廷吏に囲まれながら二人ずつ身体検査という厳成態勢の中、三七席の傍聴席は埋まった。
救援会ではこちらの証拠請求は全部不採用で結審・次回判決を予想し、やる気満々で臨んだ。当初、弁護側陳述ができるか不確定であったが裁判所との調整の結果、陳述時間を勝ち取った。しかし、公判の推移はわからない。
まず、弁護団から検察が出してきた答弁書(控訴趣意書への反論)に対する意見書が述べられた。
爆竹は予想外で怪我などの危険性があったとか、爆竹は火薬類取締法に触れるとか言っているいちゃもんを尽く論破した。
次に、控訴趣意書要旨の陳述。事実認定においても誤認があり、威力業務妨害の構成要件をなしていない。爆竹という抗議の意思表示に可罰的違法性はない。よって原判決を棄却し、無罪を言い渡すべきであると括った。
私からも口頭陳述したかったのだが、刑事訴訟法の規程で被告人に趣意書はおろか何の陳述の機会は許されていない。弁護団が代読してくれた私の趣意書は以下。
①私の爆竹という抗議の対象は、被害者とされた「聖火リレー」イベント会社社員ではなく、オリンピック・パラリンピックそのものである。
②原判決では、抗議の動機の背景としてオリ・パラの実態が明らかにしていない。
③直接行動は、過去から現在にいたるまで世界各地で闘われているが、私の爆竹の場合軽微で表現の自由に基づいたものである。
④オリ・パラ開催にあたって、組織委幹部とスポンサー企業との贈収賄、電通(イベント会社社員の証言にも出てきた)などの談合といった汚い金でまみれていた。(これについては、昨今の駆発言にみられる官房機密費流用問題も加えたい。オ
リ・パラは終わっても立つ鳥あとを濁すのである)。
⑤原判決は、有害か無害かを問わずオリ・パラ反対という思想そのものを断罪した。司法はこれまで大衆運動を弾圧し、圧殺してきた暴力装置であるか肝に命じ、無罪判決を出すべきである。
そして最後に事実調査請求要旨陳述。私に対する被告人質問と、「聖火リレー」の主催者オリ・パラ組織委事務総長武藤敏郎の証人尋問の要求である。その直後、私からも「原判決では何も私の主張が反映されていないので被告人質問と武藤の証人尋問をしていただきたい!」と大声で言う。
裁判長は最初遮ろうとしたが、最後まで聞く耳は持っていたようなので、あとを埋めるのに焦った。
そして、弁護団の陳述に対する裁判長が決したものは、なんと、
①弁護団が提出した四証拠(三名の学者の意見書、会場からの退出は短時間だったという松下武蔵野市長への質問書)は、全部採用。
②弁護団が求めた「被告人質問」、「武藤」の証人尋問は、留保。
③次回公判を来年三月中に設定。
これには正直、私も弁護団も傍聴人も!であった。通常控訴審は結審、判決の二回で終わるのだがこのような展開はなかなかない。特に公安事件では異例とのこと。
次回に被告人質問が行われる可能性は十分ある。そしてそれは、三月四日に決定した。またさらに第三回、第四回も調整したいと言ってきた。
裁判長大善さんはよく「いい人疑惑」があるからって、もちろん予断は許してはならない。
しかし、オリ・パラの実態について明らかにする絶好の機会ができた。さあ、春から反撃だ!
(武蔵野五輪弾圧裁判当該 黒岩大助)
☆ 第二回公判 二四年三月四日(月)一四時 四二九号法廷
『月刊救援 656号』(2023年12月10日)
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