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大阪府教委の「『慰安婦』に関する補助教材」に抗議&公開質問状を提出

2015年11月13日 | こども危機
 大阪府教委による「『慰安婦』に関する補助教材」に対して、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークと子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会で抗議文および公開質問状を提出しました。
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 2015年11月10日
 大阪府教育委員会 様
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会

【 抗議文および公開質問状 】

 「『慰安婦』に関する補助教材」に抗議します
 政府見解を一方的に押しつけるのではなく、日本軍「慰安婦」問題の被害を具体的に教えるべきです
 10月28日の教育委員会会議で「『慰安婦』に関する補助教材について」が示されました。私たちはその内容に驚き、怒りを禁じ得ません。
 日本軍「慰安婦」問題の被害の実態を一切示さないまま、政府の見解を一方的に押しつけるものだからです。このような偏った教材を高校生に押しつけることに抗議します。
 この教材は以下の3項目の事実だけを記載しています。
  Ⅰ 慰安婦問題に関する近年の主な動き
  Ⅱ 吉田清治氏に関する記事の掲載とその取り消しについて
  Ⅲ 慰安婦問題に対する日本政府の考え

 この3項目は単なる事実の羅列ですが、事実の取捨選択が間違っていると言わざるをえません。ここでは、日本軍「慰安婦」被害者の声や姿には全くふれられません。日本軍「慰安婦」問題とは何であるのかの言及がなく、政府の見解だけを示すのであれば、それはもはや歴史の教材としての体をなしていません。この教材だけを読めば、高校生たちは「日本軍『慰安婦』被害者の強制連行はなかった」「日本軍『慰安婦』問題は存在しない」と信じてしまうでしょう。
 この教材作成のきっかけは吉田清治氏に関する朝日新聞記事の取り消しだそうですが、吉田証言は、金学順さんら被害者が名乗り出ることによって日本軍「慰安婦」問題が本格化した1991年よりも前のものです。1992~1993年にはすでに信憑性が疑われており、歴史史料として用いられたことはありません。当然、教科書の記述への影響はなく、教育現場もそれによって左右されてはいません。いま、高校生に吉田証言とその真偽を教える理由はなにもありません。
 私たちは、日本軍「慰安婦」問題について学ぶ上で補助教材を用いることそのものに反対するものではありません。むしろ歴史の事実を正しく教え、高校生に正しい歴史認識を持って欲しいと願っています。そのためには、日本軍「慰安婦」被害者の被害実態を具体的に学ぶことが必要です。その上で政府見解を知り、政府がこの問題にどう向きあっているのか考えることが大切です。多様な資料を生徒自らが検討し自主的な判断をくだせるようにすることこそが本当の意味での歴史学習ではないでしょうか。
 日本軍「慰安婦」被害者たちは、20年以上にわたって日本政府に対して謝罪と賠償、歴史教育を通じての記憶の継承を一貫して求め続けてきました。また河野談話でも「歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視し」「歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ」るとしています。そして世界では、日本軍「慰安婦」問題は女性の人権問題としてとらえられています。いまも世界各地で頻発している戦時性暴力を根絶するため、そのシンボルとして、この問題が注目されているのです。2014年の国連自由権規約委員会では「委員会は、締約国が、慰安所のこれらの女性たちの『募集、移送及び管理』は、軍又は軍のために行動した者たちにより、脅迫や強圧によって総じて本人たちの意に反して行われた事例が数多くあったとしているにもかかわらず、『慰安婦』は戦時中日本軍によって『強制的に連行』されたのではなかったとする締約国の矛盾する立場を懸念する」と、日本政府に対して勧告が出されています。
 私たちは、このような一方的な教材を作成し使用させようとする大阪府教育委員会に、抗議します。
 そして日本政府の見解ばかりでなく、日本軍「慰安婦」被害者の被害事実を同時に教えることを要求します。

 大阪府教育委員会は、日本軍「慰安婦」問題は歴史認識の問題であると同時に人権問題であるという視点を持ち、以下の質問に誠実に答えてください。
 なおこの質問状はHP等で公開します。11月24日までに文書で回答願います。
 《質問》
 1,補助教材として日本軍「慰安婦」被害者の証言、少なくとも日本の裁判所にて認定された被害事実を掲載するべきと考えます。[資料①]
 これに対する貴職の考えを教えてください。

 2,日本政府の主張ばかりを載せるのではなく、国連の勧告、アメリカ・EU議会の決議等、国際社会から日本政府に対して要求されている声を掲載するべきと考えます。[資料②]
 これに対する貴職の考えを教えてください。

 3,大阪府教育委員会として、日本軍「慰安婦」被害者の強制連行はなかったと考えているのでしょうか。なかったと考えているのであれば、[資料①]も参考にした上で、その根拠を教えてください。あったと考えているのであれば、なぜその事実を教材に掲載しないのか教えてください。
 4,吉田証言が否定されたことを今、副教材として取り上げるのは、吉田証言が教育現場で教えられていると貴職で判断されたからでしょうか。そうであれば、吉田証言を教育現場で教えている事実を調査しましたか? そうでなければ、教育現場で教えられていない吉田証言を副教材に掲載する意図を教えてください。
 5,この教材を作成するに当たり、学識経験者の意見を求めましたか。もし学識経験者の意見を求めたのであれば、それが誰なのか教えてください。もし意見を求めなかったのであれば、それはなぜなのか教えてください。
 【資料①②は以下のアドレスから】
http://kyoukashoosaka.blog39.fc2.com/blog-entry-256.html
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