◆ 新しい軍国主義 (東京新聞【本音のコラム】)
『東京新聞』(2021年1月1日【本音のコラム】)
岸田文雄首相にとって名誉なのか不名誉なのか。安倍首相以来の防衛費増額は十年間止まることなく、二〇二二年度も五兆四千億円と過去最高。二一年度の補正予算と合わせると六兆二千億円。
歯止めの「国内総生産1%」を超え六兆円の大台に乗った。
二十四日、「敵基地攻撃能力」をもとうとするのは憲法に反するのでは、との質問に岸田首相は「専守防衛の考え方は変更しない」と答えた(本紙)。
しかし、射程を千キロ程度に延ばせる艦船発射型や航空機発射型などのミサイルの開発予算を三百九十三億円も確保。来年度の研究開発費(契約べース)は、八百億円増の二千九百十一億円と過去最高を記録した。
研究開発費の増額は軍需産業の喉から手が出る欲求だが、護衛艦「いずも」のように空母型に改造され、一機百数十億円もする垂直着陸戦闘機F35Bを搭載、空発型ミサイル開発とあわせれば、専守防衛能力を軽く超える兵器の所持となる。
「いわゆる敵基地攻撃能力もふくめ、あらゆる選択肢を排除せず」とは岸田首相の所信表明演説である。
軍備強化首相として歴史に名を遺(のこ)すのか。
台湾有事にむけた日米同盟強化が米国の要求。
奄美、馬毛島、辺野古、宮古島、石垣島、与那国といった沖縄、鹿児島の軍事化が進められている。来年はぼんやりしていられないそ。(ルポライター)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
『東京新聞』(2021年1月1日【本音のコラム】)
岸田文雄首相にとって名誉なのか不名誉なのか。安倍首相以来の防衛費増額は十年間止まることなく、二〇二二年度も五兆四千億円と過去最高。二一年度の補正予算と合わせると六兆二千億円。
歯止めの「国内総生産1%」を超え六兆円の大台に乗った。
二十四日、「敵基地攻撃能力」をもとうとするのは憲法に反するのでは、との質問に岸田首相は「専守防衛の考え方は変更しない」と答えた(本紙)。
しかし、射程を千キロ程度に延ばせる艦船発射型や航空機発射型などのミサイルの開発予算を三百九十三億円も確保。来年度の研究開発費(契約べース)は、八百億円増の二千九百十一億円と過去最高を記録した。
研究開発費の増額は軍需産業の喉から手が出る欲求だが、護衛艦「いずも」のように空母型に改造され、一機百数十億円もする垂直着陸戦闘機F35Bを搭載、空発型ミサイル開発とあわせれば、専守防衛能力を軽く超える兵器の所持となる。
「いわゆる敵基地攻撃能力もふくめ、あらゆる選択肢を排除せず」とは岸田首相の所信表明演説である。
軍備強化首相として歴史に名を遺(のこ)すのか。
台湾有事にむけた日米同盟強化が米国の要求。
奄美、馬毛島、辺野古、宮古島、石垣島、与那国といった沖縄、鹿児島の軍事化が進められている。来年はぼんやりしていられないそ。(ルポライター)
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