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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都立高校防災対策教育推進校の指定の問題点

2012年04月29日 | 暴走する都教委
 ◆ 教え子を再び戦場に送るな! は守られるか
渥美昌純(会員、「米軍・自衛隊参加の東京都防災訓練に反対する実行委員会」)

 「教え子を再び戦場に送るな」は「社会科」教員を目指していた私にとって教員志望の動機ともなるスローガンであった。このスローガンは東京都の教育現場で守られているだろうか。東京都が行っている総合防災訓練には米軍や自衛隊も参加している。その訓練に都立高校の生徒も動員されている。
 小金井公園を主会場として行われた2011年の総合防災訓練では全体で183名が動員された。学校毎の内訳は小平高校16入、小平南高校5人、小平西高校7人、田無高校15人、田無工業高校30人、保谷高校33人、田無特別支援学校11人、武蔵野北高校10入、武蔵高校16人、武蔵中等教育学校24人、小金井北高校9入、多摩科学技術高校7人
 授業の一環として生徒が動員されたのか、またどのような訓練に参加したかは調査中であるが、会場近隣の都立高校は軒並み動員の対象にされた様子が伺えよう。
 昨年は文京区という都心部で総合防災訓練が行われたこともあり、生徒動員数もさることながら、学校も訓練会場とされた。しかも軍事色が強い訓練の会場としてである。
 都立小石川中等教育学校と都立小石川高校ではトリアージ訓練の会場として使われ、生徒は傷病者役として特殊メークを施された上で参加していた。
 トリアージは大事故・大規模災害など多数の傷病者が発生した際においての救命の順序を決めるためのもので、傷病者が医療資源を超えてしまう野戦病院において行われてきた物であり、軍事色が極めて強い。
 都立小石川中等教育学校・小石川高校で行われた時も陸上自衛隊第1後方支援連隊の看板を付けた大きなテントが貼られるなど、さながら野戦病院かのようであった。
 このような米軍や自衛隊参加の軍事色が極めて強い防災訓練に生徒が参加させられる傾向は残念ながら強まることが予想される。
 現に2012年2月に発表された『都立高校改革推進計画第1次実施計画』の中にもそのことを示唆する文章がある。
 (引用開始)都立高校防災対策教育推進校を指定し、生徒が防災に関する取組の企画・立案を行う新たな防災組織「都立高校防災活動支援隊」の結成や、上級救命講習の受講、消防庁・警視庁・自衛隊や大学、病院、研究所などと連携した災害時支援活動の疑似体験、一週間程度の宿泊訓練などに取り組むことで、自校の防災と近隣住民の安全を支える高い社会貢献意識と実践力をもつ入間を育成します。(以下略)
 都立高校防災対策教育推進校の指定が行われる前に、すでにこれだけのことが行われている。
 しかも東京都は2007年度からすべての都立高校必修として奉仕という教科まで作っている。その教科の授業の一環として自衛隊施設に泊まり込んでの宿泊訓練が行われるかもしれないと心配するのは杞憂に過ぎないのだろうか。
 「再び教え子を戦場に送るな」というスローガンを真に実現できるのは生かせるのは学校現場で働いている、また働いていた教職員の皆さんしかいない。
 石原都政下の教育現場に様々な問題があるのは十分に承知しているが、是非とも東京都総合防災訓練にも反対の声をあげてほしい。
『都高退教ニュース』(2012/4/10 80号)
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