《東京「君が代」裁判原告団ニュース》
◆ 五次訴訟・第7回口頭弁論報告
◆ 五次訴訟はいよい後半戦へ!
学校現場に職務命令体制が導入される原因となった「10・23通達」は撤回されることなく、発出後20回目の卒業式を迎えようとしていますが、この通達の撤回を求める五次訴訟は2年目に入り、後半戦に至る段階となっています。
東京地裁ではこれまで7回の弁論が行われました。第1回弁論で訴状に対する被告側答弁書が被告側から出され、第2~5回弁論では、原告側による答弁書への反論と主張の補充が続きました。
これに対し、第6回弁論で被告側から反論をまとめた書面が提出されたため、第7回弁論で原告側は、被告の反論に対する再反論の準備書面を提出しました。これで原告、被告双方の主張が概ね出揃いましたので、以降は証拠調べ(どちらの主張が正当であるか、証拠を出し合いながら争う)の段階に入ります。
◆ 第7回弁論の概要と原告意見陳述の論点
11月24目に第7回口頭弁論が709号法廷で開かれました。最初に陪席裁判官1名の交代が告げられ、続いて今後の進行について協議し、次回弁論で立証計画の提出、次々回弁論で証拠調べの内容決定、その次が証人尋問というスケジュールが確認されました。
なお、7月にILO/UNESCOによる新たな勧告(セアート勧告)が出たことから、原告側が国際条約違反について情勢の変化を反映させた主張を加えた書面を提出することも確認されました。
その後、原告の伏見さんによる口頭意見陳述が行われました。伏見さんの陳述は、再処分を受けた立場から都教委の非道な行為を告発する内容で、その論点は、
① 再処分で都教委に逆らう者に対する攻撃を徹底する行為は「いじめ」に等しい。
② 違法判決が出ても都教委は一切責任を取らない一方で、原告らは戒告処分とされて改めて世間に晒された。
③ 不起立者が出てから都教委は急に処分の厳罰化を進め、圧力を強めた。
④ 処分攻撃、再発防止研修、上意下達の徹底などで学校現場は委縮し、協働性が失われ、硬直化した。
⑤ 校長はおろか都教委も自らの責任で物事の判断ができなくなっている。
⑥ 硬直化した東京の教育行政を正すには「10.23通達は違法」の判断が必要である、というものでした。
※ 意見陳述要旨全文は別紙にて同封しました。
※ また陳述を行った伏見さんから感想を寄せていただきました。
(原告:鈴木たけし・八王子拓真)
『東京「君が代」裁判原告団ニュース 44号』(2022.12.17発行)
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