☆ 汚染水放出の「3つの」理由は、大ウソ
黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
先日6月12日、福島市で汚染水放出問題での東京電力の説明会がありました。大阪府立大学名誉教授・長沢啓行さんのそこでの発言と資料のごく一部を、了解を得て以下に紹介します。
その根拠はすべて国や東電が公表しているものから、ということです。
☆ 国や東電があげている海洋放出の「理由」の3点①~③について、長沢さんはそれが「大うそ」だったことを明らかにされました。私たち市民にとって、特に③については新たな視点・情報ですのでぜひご注目ください。
①タンクがいっぱいになる。
⇒大型化やタンク増設可能工リア・空き地ありで、大丈夫。国道6号から東側の広大な地域は中間貯蔵施設。ここでの処理はすでに終盤で、プラントは続々と解体され空き地となっている。
②廃炉作業のための敷地を空ける必要がある。
⇒いずれも、急ぐ必要のない作業だ。乾式貯蔵施設はまったく緊急性がない。デブリは取り出せる見通し
なし!
③汚染水は今後も発生し続ける。
⇒敷地の徹底舗装で雨が地下にしみ込まなくなった、建屋の雨漏り修理、地下水くみ上げ等で建屋への雨水・地下水流入量が年々激減している。汚染水発生ゼロは可能になった。
現在進めている水位低下作業を続ければ、1~3号原子炉建屋の床面露出は2年以内に可能となる。そもそも、まだ注水が必要なのか?最も温度が高い2号機圧力容器で、データは28℃。発熱はしているが、再び溶けるような熱では全然ない。たまに工事の関係で水を止めることもあるが、少し温度が上がる程度だ。
☆ 6月30日、原子力規制委員会は現地での放出設備の使用前検査を終了。各界各地からの猛反対の声にもかかわらず、取り除くことができないトリチウムの濃度を国の基準まで薄めて、沖合1キロの地点から海底トンネルを通って海へ放出するという方針を変えていません。
当然ながら、海洋放出には海外からの厳しい批判の声が噴出。
香港政府が示したのが「厳格な禁輸措置」。汚染水の海洋放出が実施された場合「食品の安全リスクを引き起こす」として、福島県沿岸一帯の水産物の輸入を禁じると表明しました。
駐韓中国大使は「日本が太平洋を自宅の下水道にしている。極めて無責任な行為だ」と日本を批判。
また、韓国では、日本の外務省幹部がIAEA関係者に献金(贈賄)をしたとメディアが報じている中、野党党首が八ンストに入るなど、熱い抗議行動が毎日のように展開。
アメリカは核実験などの原罪と自国の原発問題があるためにこの問題を無視していますが、太平洋の18の島国、中国、ロシア、ドイツなどは放出に強く反対しています。
海洋放出に関わる設備は工事が完了してしまいましたが、しかし、それで終わりではありません。この7月17日にも、いわき市で汚染水放出反対の大行動が行われます。全国各地からどうぞご参集ください。(詳細は、「これ以上海を汚すな!市民会議」HPなど).2023.7.3記
『原発再稼働阻止全国ネットワーク・ニュース 24号』(2023年7月20日)
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