☆ 適菜収「それでもバカとは戦え」毎年恒例「「2024年のバカ」トップ10(前編)
統一教会問題、裏金問題などの影響もあり、安倍周辺一味の勢いも衰え、少しはマシな国になるかと思いきや、なかなか簡単にはいかない。石を投げればバカに当たる。アジアの貧国へまっしぐらの日本を彩る「今年のバカ」トップ10。
【第10位】菅義偉
今年の元日、石川県能登半島で発生した最大震度7の大地震は今年1年を象徴している。それは、国家の機能不全と自己責任社会の完全到来である。
自民党に結集した新自由主義勢力と財界の手下がこの30年かけて目指してきた国家の否定と「自分の身は自分で守れ」という社会が完成したわけだ。
1月6日、菅のXアカウントはこう投稿した。
〈スタッフから報告です。本日、能登半島地震被災地への救援募金活動を実施しました。皆様から156、280円お預かりしました。自民党県連を通じて早急に被災地へお届けします〉
国会で税金の使い道を議論する政治家が、民間人から小銭を集めるって悪い冗談にも程がある。
【第9位】野田佳彦
かつて民主党政権崩壊の引き金を引いたオウンゴールの名手。やっていることは今も同じ。
8月23日、維新が企画した勉強会に講師として参加。12月8日、維新の吉村洋文と テレビ番組に出演し、来年の参院選の1人区で野党の候補者を一本化する意向を一致して示したとのこと。アホ。
【第8位】高市早苗
自民党総裁選に出馬。推薦人には裏金議員が13人も名前を連ねていた。総裁どころか議員辞職が求められる人物。
安倍政権時代に作成された総務省の内部文書に対し、「全くの捏造文書だ」と主張。捏造でなかった場合は閣僚や議員を辞職するかと問われると「結構だ」と答えた。
その後、捏造ではないことが判明したが、いつ辞めるの?
【第7位】馬場伸幸
維新おなじみの内紛で、代表から降ろされた馬場。選挙のたびに、デマを流す“維新しぐさ”も板についてきたのにね。
党大会では「腐敗した政治を浄化し、今こそ日本大改革を!」などとお茶の間に苦い笑いを届けてきた。
【第6位】小池百合子
嘘をつくのは相変わらずだが、今年は側近に刑事告発されたり、エジプト留学時代に銀食器を盗んでいたエピソードを蒸し返されたり。
それでも都知事選で圧勝してしまうのだから、日本も相変わらずそんな国。
『日刊ゲンダイ』(2024/12/13)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/364893
☆ 適菜収「それでもバカとは戦え」毎年恒例「「2024年のバカ」トップ10(後編)
年末恒例企画「今年のバカ」の後編。今年は全員が政治家(もどきも含む)という快挙。いいんですかね。こんな国で。
【第5位】岸田文雄
8月14日、自民党総裁選への立候補を見送る意向を明らかにし、「自民党が変わることを示す、分かりやすい一歩は私が身を引くこと」と発言。
総裁選で勝つ見込みはないし、追い詰められて辞めるだけなのに、なぜか主体的に選択したかのように胸を張るのが“岸田しぐさ”。
すべてがこの調子。2022年11月28日、27年度に防衛費と関連経費を国内総生産(GDP)比2%とするよう指示したが、防衛費増額はもともとトランプ政権が安倍晋三に押し付けたもの。
アメリカに首根っこを押さえられているだけなのに、独自に動いているように見せかけるのも、惨めというか、恥ずかしい。
【第4位】萩生田光一
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題と裏金問題の中心にいた萩生田。
東京地検特捜部は立証困難としていきなり裏金事件の捜査を打ち切ったが、萩生田は大はしゃぎ。
某演説会では「東京地検に連れていかれることはございません」とネタにしていたという。
【第3位】小泉進次郎
バカのふりをしているのか、本物のバカなのか、いずれにせよ日々バカの境界を突破する進次郎。
総裁選の公開討論会で「来年のカナダのG7首脳会議で、総理としてどのようなメッセージを発信するのか」と質問されると「カナダのトルドー首相は就任時43歳。私も今43歳」と答えた。
私は「きんは100歳、ぎんも100歳」を思い出した。古いか。
【第2位】百田尚樹
ユーチューブの番組で少子化対策を議論した際、「小説家のSFと考えてください」「女性は18歳から大学に行かさない」「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できない法律にするとかね」「30超えたら子宮を摘出とか」と発言。
こんなゲスが国政政党の代表って、日本も終わっているね。
【第1位】吉村洋文
兵庫県知事の斎藤元彦問題などを含め、今の日本の腐敗を象徴するのが吉村。
大阪市環境局は万博用地のどこでメタンガスが発生するか分からないことを事実上認めているが、そこに遠足や校外学習を名目に子供が集められるという。“令和の学徒動員”と呼ばれるゆえんである。
※適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。
本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中。6月28日には第2弾「続 それでもバカとは戦え」が発売予定。
『日刊ゲンダイ』(2024/12/27)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/365620
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