☆ 慢性的定員割れの自衛隊が「民間活力推進班」を設置
★「陸自が民間力積極活用」という題字の一面トツプ記事では、業務委託について述べている。
今後も募集環境の改善が見込めないので、今年三月「民間活力推進班」を陸幕内に設置したのだそうだ。全国の駐屯地で民間委託できる業務を洗い出し、事業管理などの計画を実施しているというのだ。「陸自高射学校」が所在する下志津駐屯地では二〇二〇年からすでに一部業務を委託しているという。
「総務」「庶務」「輸送」「文書」「広報」「教務・厚生」「学生管理」の七つの業務に十人が雇用され、六人は女性だという。
公務員職場での民間委託はあらゆる職種で進められているが、目的は合理化だ。要するに財政問題なのだが、自衛隊の場合はそもそも若者が来ないという問題がある。自衛隊が常に定員割れ状態なのはなぜか。
災害救助活動を見て感動して入った女性がとんでもないセクハラ、性暴力に出会い結局やめてしまう。パワハラやイジメも多い。五ノ井里奈さんの件以外にもたくさんこういう事例がある。民間委託では追いつかない深い闇が自衛隊にある。(10月3日号)
★「時の焦点」で外交評論家の伊藤努が「中東紛争拡大の危機に直面」と題して、ヒズボラの指導者「ナスララ師殺害」について述べている。
長引くイスラエル軍の攻撃を右派の評論家も注視しているようで、ガザやレバノン情勢は時々扱われている。しかし民間人の虐殺よリイスラエルの情報収集能力の高さや中東各国の動きの方が気になるようだ。だから内容は極めて客観的記述だけで、早期停戦を訴えもしない。「不安定化」だけは気になるようだが、方針提起は何もない。(10月3日)
★「五力国で海上共同活動」という題の記事が二面にあるのだが、共同訓練のことで九月二八日に行ったそうだ。
海自の護衛艦「さざなみ」と米駆逐艦やオーストラリア、フィリピン、ニユージーランドの対潜哨戒機や補給艦などが参加した。
東シナ海で戦術訓練を行ったが、それに先だって豪・NZの補給艦や駆逐艦が台湾海峡を通過した。公海だからどこの国の船も通過できるが、中国海軍艦艇が通過するとよくマスコミが騒ぐ。この手の軍事挑発に見える動きはどちらもやっているということだ。(10月17日号)
★陸自と仏陸軍の共同訓練「ブリュネ・タカモリ24」が九月八日~二十日王城寺原演習場(宮城県)で行われた。自衛隊側が36普通科連隊など百名、仏側は第六軽機甲旅団第二外人歩兵連隊六十人が参加した。
市街地に立てこもるゲリラを排除して人質を救出するなど生々しい想定での訓練だった。仏軍のドローンも情報収集で活躍したという。来年は仏側は二百名に増員して参加したいと表明した。
最近は海空で欧州の軍隊と自衛隊の共同演習が盛んに行われているが、陸自も拡大の方向だ。その先にはアジア版NATO編成?(10月17日号)
★七面の「防衛施設と市長さん」のコーナーでは酒井大史立川市長が「立川駐屯地を擁するまち安全安心な暮らしに直結」と立川市について述べている。
しかし立川飛行場が駅伝予選会のスタート地点などに活用されていることを述べているだけの自衛隊ヨイショ記事だ。砂川闘争やオスブレイ訓練の問題点くらい述べるべきだ。(10月17日号)
★「NATO国防相会合に初参加」の一面題字の記事では中谷防衛相が防衛大臣として初めてこの会合に参加したことを伝える。国防省会合はG7(先進七力国)の枠でも行われたが、これも初だ。自衛隊とNATOの接近は今後も注意だ。(10月31日号)
★輸送艦「にほんばれ」の進水記事が一面だが、今年度末発足予定の自衛隊海上輸送群(仮称)で運用予定だ。この部隊運用は海自ではなく陸自が主体だ。統合運用に向けて自衛隊は組織再編が進んでいる。(11月7日号)
★観閲式の報告の隣に「ドローンで物資輸送」「洋上の艦艇へ、技術検証成功」という記事がある。
ANAホールデイングスのドローンを使い二十三キロ先の海上護衛艦まで物資輸送を行った。今後ドローンが戦闘でも活用されるのだろうが、立川飛行場でも訓練が行われるようになるのだろうか。(11月14日号)
『立川テント村通信 562号』(2024年12月1日)
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