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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ロシアの戦争犯罪を糾弾する人々は、日本の半世紀にわたる侵略戦争犯罪に真剣に向き合ってほしい。

2022年04月24日 | 平和憲法
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No4464】「メディア改革」連載第96回=
 ◆ ロシア非難のウクライナ報道が止まらない
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 2月24日に始まったウクライナ戦争は間もなく2カ月になる。
 ロシアのプーチン大統領は4月21日、ロシア軍によるウクライナ南東部の要衝マリウポリの「解放作戦」が「成功した」と述べ、事実上の制圧を宣言した。
 ウクライナ軍のネオナチ、アゾフ連隊が拠点とする製鉄所については攻撃を中止するよう命令した。
 しかし、バイデン米大統領は「制圧の証拠はない」と懐疑的な見方を示した。大統領はまた、ウクライナに長距離砲や無人機など新たに8億ドル(約千億円)の追加の軍事支援を行うと発表した。
 この戦争は米・ロの戦争ではないか。

 ロシアの攻撃中止は歓迎すべきだと思うが、廣瀬陽子慶応義塾大学教授兵頭慎治防衛省防衛研究所政策研究部長がテレビ各局にはしご出演し、「プーチンの国内向けのポーズ」「東部2州への攻撃に集中するため」などと一方的に解説している。
 2人はプーチン氏を呼び捨てにしているが字幕には「氏」が付いている。
 4月22日朝のテレビ朝日「モーニングショー」には兵頭氏の同僚、高橋杉雄防衛省防衛研究所防衛政策研究室長が出演し、プーチン氏を呼び捨てにして、「実際は、ロシアは苦戦」「1週間前から決まっていた脚本どおりだ」と非難した。
 ◆ ネオナチ・アゾフ大隊の東部地区弾圧を無視

◎ 私は「紙の爆弾」5月号に「ウクライナ戦争報道の犯罪」を8頁書いた。
 また、4月1日に開設された「ISF」で始めた連載の第1回でもメディア報道を批判した。
 https://isfweb.org/post-928/
 私のブログでもウクライナ戦争について書いている。
http://blog.livedoor.jp/asano_kenichi/archives/28861423.html
◎ 私は今回の戦争は2014年に米欧がウクライナのネオナチ勢力らを支援して起こしたクーデターによって民主主義的に選ばれた親ロ派政権を崩壊させた後、親米政権が国内のロシア系国民を弾圧してきた歴史を見るべきだと主張してきた。
 これに対し、国際法に違反してウクライナ領土を侵略したロシアが全面的に悪いとする善悪一元論の人たちは「浅野さんとは思えない」「旧左翼崩れの無責任な主張」などと非難してきた。
 共産党の機関紙、しんぶん赤旗日曜版(4月17日号)は<いま国内の一部に、ロシアとウクライナ双方に問題がある―「どっちもどっち」論がある。(略)「どっちもどっち」論は結局、侵略国を免罪し国連憲章に基づく平和の秩序を否定する議論につながる>と断定している。
 共産党から見ると、私も「どっちもどっち」論者に入るのだろうが、共産党がウクライナ政権で、日本の公安当局もネオナチと断定するアゾフ大隊による非人道的なロシア系国民に対する虐殺に触れないのは不可解だ。
◎ 米国率いるNATO諸国が軍用ヘリ、重火器を提供し、総額13億ドル(約1700億円)の追加軍事支援を決めた。
 日本政府もウクライナの避難民の支援のため自衛隊機派遣を決定。防弾マスク、ドローンを供与する。
 4月20日になって、自衛隊機の経由地を予定していたインド政府が受け入れを拒否し、自衛隊機が飛べるか視界不良になっている。
 ◆ 日本の過去の侵略戦争犯罪は未精算

◎ ロシアによる「戦争犯罪」「ジェノサイド」の真実は、法と証拠に基づいて今後、解明されなければならい。
 一方、日本が植民地とした台湾、朝鮮を含むアジア太平地域で2千万人を超える無辜の市民を死に至らしめた侵略・強制占領は、連合国(United Nations、「国連」は誤訳)による極東裁判や国際機関などで日本による戦争犯罪と確定している。
 国際社会では、南京大虐殺など各地でのジェノサイド、731部隊による人体実験、朝鮮人強制連行、日本軍慰安婦(国連は軍性奴隷と表現)などの無数の反人倫的戦争犯罪の事実が確定している。
◎ 文科省は3月29日の教科書検定では、「強制連行」「従軍慰安婦」を「動員」「慰安婦」に言い換えさせた
 ロシアの戦争犯罪を糾弾する人々は、日本の半世紀にわたる侵略戦争犯罪に真剣に向き合ってほしい。
 ウクライナ避難民の支援と同時に、イスラエルから軍事侵攻を受けているパレスチナ人民、軍事クーデターで迫害されているビルマ(ミャンマー)市民の救済も考えるべきだ。
 ◆ 世界各地にいる圧政・侵略の被害者支援を

◎ 6歳の時、イランから来日し、在留許可を得るのに11年かかった30代の在日イラン人は「今回のウクライナの件で、他の難民・移民問題に興味を持ってもらう足がかりになることを望んでいる。でも、今までシリアやアフガンでも同様の問題が発生していたにも関わらず見向きもしなかったとは言い過ぎかもしれないが、対応の違い(宗教や肌の色が原因?)手厚い保護などにはなんだかなあという思いはある」と話している。
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